医学部

炎症性腸疾患外科学

概要

長い歴史を持つ東京女子医科大学消化器・一般外科は、患者中心の医療と優れた臨床医の育成、臨床に即した医学研究を行うことを目的として1965年に開設されました。設立当初より診療科の壁を越えた総合的、先端的医療が実践されており、心温かな良い臨床医を育てることを目標にしています。消化器・一般外科内で他の3科(上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科)と連携しながら診療を行っています。 炎症性腸疾患は、内科医、小児科医と外科医が協力しながら治療を継続していかなければならない疾患です。内科治療の選択肢が増えましたが、一定の割合で手術が必要となる患者さんがいます。内科治療で状況を打開できない場合などでは、手術を受けることで、入退院を繰り返すことなく学校生活や社会生活を快適に過ごすことができるようになります。最近では、体に優しい腹腔鏡手術を積極的に取り入れており、小さな傷で以前と同様に手術が行えるようになりました。手術は内科治療の失敗ではなく、内科治療との組み合わせを夫々の患者さんの状態に合わせて使っていく時代になったといえます。

教育内容

消化器・一般外科内の他の3科(上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科)で連携して教育を行っています。
以下の5つのポリシーで研究を行っています。
1.研究デザインを設定し、その実現性と限界について考察する能力を有すること 
2.先端的な知識の習得と原著論文を評価批判する能力を有すること 
3.研究に必要な知識と技術を習得すること
4.若手の研究者を指導する能力を有すること
5.高い倫理性を有し、医学教育・研究に貢献する熱意を持つこと

主な研究テーマは以下のごとくです。
(1)    潰瘍性大腸炎術後合併症の発症因子とリスク解析
(2)    クローン病再手術のリスク因子に関する臨床病理学的検討
(3)    炎症性腸疾患に対する低侵襲手術の妥当性についての検討
(4)    collitis associated cancerの危険因子と予後の改善
(5)    AIを用いた潰瘍性大腸炎における内視鏡的重症度の診断
(6)    炎症性腸疾患外科手術に対するRobotic Surgeryの導入

<卒前教育>
講義、テュートリアルに加え、臨床実習では学生は医療チームの一員として、指導医による監督・指導の下、知識や技能、患者対応などを学びます。
※必修科実習充実度(2019):外科必須6科中第1位 全診療科34科中第2位
学生さんの声
・勉強になるクルズスが多く勉強になった。
・先生方がやさしく教育熱心で楽しかった。
・手術で術野にはいるとたくさん手技を経験させてもらえた。等
 
<卒後教育>
大学院教育では実験・実習に加えて以下の3つのシラバスで炎症性腸疾患の全体像を把握しながら学ぶことができます。
(1)炎症性腸疾患外科学総論
(2)潰瘍性大腸炎に対する分割手術と治療戦略
(3)クローン病手術における腸管温存と短腸症候群

初期研修カリキュラム(学内 初期臨床研修プログラム)参照
後期研修カリキュラム→消化器外科HP
https://www.twmu-ige.jp/surgery/admission_guide/

スタッフ紹介

教授・基幹分野長
板橋 道朗
専門領域
下部消化管外科

准教授
小川 真平
専門領域
下部消化管外科

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