医学部

基礎科学(化学)

概要

化学は、私達をとりまく物質の構造や性質、機能を明らかにする学問であり、身近な現象に密接に関連しています。生命は数多くの物質によって成り立っており、医学の基礎となる生命科学を学ぶためには、「物質や現象を学ぶ学問」である化学を十分に習得し、原子・分子の視点から見た、生命をつかさどる法則を知ることが重要です。基礎科学(化学)では、生命科学を学ぶための基礎を身に付けることを目的とした基幹科目「人体の成り立ち」「細胞の成り立ち」「人体を構成する物質」「細胞の基本機能」「体液と生体の恒常性」「生体物質の代謝」、各器官の形態・機能などを学ぶ基幹科目「循環器系1」「消化器系1」「消化器系2」「内分泌・高血圧系」の教育を担当しています。また、高校化学で学ぶ化学と統合カリキュラムの橋渡しを行う講義「ベーシック化学」、化学の実験に興味を持つ学生のための「化学」を開講しています。さらに、縦断科目「『至誠と愛』の実践学修」「基本的・医学的表現技術」を担当しており、豊かな人間性を持つ医師の育成に尽力しています。
主な研究テーマは、「生理活性物質を指向した有機フッ素化合物の合成開発」で、新たな医薬品のシーズの探索を目指し新しい有機合成反応の開発を行っています。同時に、医療人のための教育に関する研究「医学生に対するプロフェッショナル教育、行動科学、倫理教育」「医療シミュレーション教育」を共同研究者と共に実施しています。

スタッフ紹介

講師
中村 裕子
専門領域
有機フッ素化学

講師
越野 一朗
専門領域
生化学
分子生物学

基礎科学(生物学)

概要

生物学は多様な生命現象を扱う学問であり、すべての医学的知識と臨床実践の根幹を成すものです。生物学の知識は、基礎医学や臨床医学を深く学び、それを柔軟に応用するための基盤となります。
私たちは、医学教育の初期段階における授業を中心に、多くの講義や実習を実施しています。1年次の「ベーシック生物」「細胞の成り立ち」「人体の成り立ち」「遺伝と遺伝子」「組織の成り立ち」、2年次の「人体発生・比較発生」、学年縦断科目「至誠と愛の実践学修」、高学年(2?4年次)の「組織学実習」などを担当しています。また、選択科目として、医学生向けの「生物学」や看護学生向けの「生物としての人間」も提供しています。
研究を通して得られる新たな知見や探究心は、私たちの教育を豊かにし、学生の学びを深めるとともに、大学全体の学術的な活力を高める原動力となります。私たちは、鳥類胚を用いた実験発生学や遺伝子導入技術を駆使し、消化器・心臓・眼などの複雑な器官が、発生の過程でどのようなしくみで形成されるのかを探究しています。3年次の「研究プロジェクト」の学生も受け入れています。
さらに、統合教育学修センターの一員として、オープンキャンパス、入学試験、新入生オリエンテーション、テュートリアル教育、シミュレーション教育、CBT、OSCEなど、さまざまな教育活動の運営と支援に携わっています。これらの活動を通じて、学生が学びやすい環境を整え、本学の教育カリキュラムの一貫性と効果を高めるよう努めています。

スタッフ紹介

講師
石井 泰雄
専門領域
発生生物学

助教
浦瀬 香子
専門領域
発生生物学

基礎科学(物理学)

概要

物理学は現代医療と密接に関係している。生体のメカニズムや、高度な医療・検査機器を正しく理解するために物理学は必要である。教育に関しては「人体の成り立ち」、「体液と生体の恒常性」、「細胞と情報伝達」、「生体画像の基本」、「治療の基礎」および「ベーシック物理」などの科目で医学の物理学的な基礎に関する講義と実習を担当している。加えて、プロフェッショナリズム教育やコミュニケーション教育を担う「『至誠と愛』の実践学修」教育プログラムも担当している。さらに、選択科目として、「物理学A(連続体の力学)」、「物理学B(人体の物理学)」を開講している。
研究面では、現代物理学の主役である量子力学の応用分野の開拓、自然現象を解明するための数値シミュレーション、医学教育におけるラーニング・アナリティクス、効果的な物理教育手法の開発・検証を行っている。
社会貢献として、公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)の認定標準模擬患者として活動し、医学教育へ貢献している。また、関連学会(応用物理学会、日本光学会など)の各種委員を担当し、学会活動を支援している。

スタッフ紹介

准教授
辻野賢治
専門領域
量子光学
量子生物学

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