医学部

生理学(第二)

概要

基礎医学教育の中で生理学は「からだのしくみ(生体の機能)」を対象とする必修の学習領域です。正常の生体調節機構を知ることは、疾患の理解に重要であるためです。第二生理学教室は、主として分子・細胞レベルでの生理学を担当しており、生体恒常性、興奮性細胞や信号伝達などの教育を担っています。生理学研究では、生命現象のメカニズム(「生」きる「理」)の解明を目指しています。ヒトをはじめとする多くの生物のゲノム解読が進んだ結果、生命現象が遺伝子とその産物の働きで理解でき、ゲノムの変異で説明できる疾患も多く見つかっています。当教室では、線虫というモデル生物や培養細胞株を用いて、行動の分子基盤や、小胞を介する物質輸送の仕組み、細胞死や細胞分化のメカニズムの解析を行っています。また、遺伝子機能解析のための技術開発やRNA干渉などを用いた応用法の研究を通して、医学・生理学への貢献をしたいと考えています。その実践の一つとして、文部科学省の支援をいただき、生物遺伝資源を世界の研究室に提供することで、再現性のある生命科学研究を推進する活動を行っています。
 

教育内容

セグメント2(1年生後期)で担当している科目は、「体液と生体の恒常性」、「細胞の基本機能」、「細胞と情報伝達」、「生体システムと制御機構」、「遺伝と遺伝子」などです。講義、実習、テュートリアルを実践しています。基礎医学の中でも機能学系の中核となる分野であり、恒常性や情報伝達、生体システムの理解は、疾患の発症メカニズムや治療法の理解への前提として、全体として医学入門的な位置付けとなっています。
セグメント5(3年生前期)で担当している科目は、「消化器系I」です。消化器系の機能調節の仕組みを消化管の動き、消化吸収の仕組みなどを題材に講義を行っています。
セグメント6(3年生後期)で担当している科目は、「脳神経系I」です。実習を通して、感覚の仕組みや脳での神経活動の記録方法を指導しています。
 

研究内容

生理学研究として古くから、行動や、物質の開口放出や取り込みのメカニズムが対象となっています。従来は、細胞の電気記録などを用いた解析が行われてきました。第二生理学教室では、線虫という単純なモデル生物の遺伝子改変株を用いてこのようなテーマにチャレンジしています。線虫は、基本的記載が充実しており、多細胞動物として最初にゲノム配列が解明された生物です。網羅的に遺伝子破壊株の作成を行い、着目する生命現象に関わる遺伝子破壊株について詳細な解析を行うことで、その機能を明らかにすることができます。その上で、培養細胞株を用いて、ヒトの相同遺伝子が同一のメカニズムが使われていることを検証しています。
 

スタッフ紹介

教授・講座主任
三谷 昌平
専門領域
分子細胞生理学

講師
茂泉 佐和子
専門領域
細胞生物学

大学院

大学院生には、教室で実施している研究テーマの一部或いは、自身の興味のある生命現象を研究対象として実験を進めていただきます。実験とデータの扱い方や論文の仕上げ方などを実践する過程で遺伝子機能解析から疾患発症メカニズムまでの理解へ繋がって行くことを目指しています。在籍中に、遺伝子解析に必要な遺伝子の扱い方の技術を中心として、多くの実験法を習得していただきます。さらに、遺伝子改変や遺伝子変異と表現型の関係を理解する考え方を身につけていただくことで、正常機能とその破綻としての疾患の関係を学ぶことができます。
 

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