教育の特色

教育目的・目標

医学部の教育目的

本学には、女子の医学士養成を目的とする6年間一貫教育の医学部医学科と、医学研究・応用を究め研究者となる人材を育成する4年制の大学院医学研究科(博士課程)がある。本学の教育の理念は、自らの能力を磨き、医学の知識・技能を修得して自立し、「至誠と愛」を実践する女性医師を育成することにある。

本学医学部は1990年に全国に先駆けて新しい教育を取り入れ、その後2011年に再度大きな改良を行った。1990年の教育改革の骨子は「テュートリアル教育」、「統合カリキュラム」、「人間関係教育」である。その目標は、将来医師として活躍するあらゆる分野で必要な基本的知識、技能および態度を身に体し、生涯にわたって学習しうる基礎的能力を獲得するところにある。この目標を達成するため、学生自身が問題意識を持つと同時に、自らの力で知識と技能を発展させてゆく「自学自習」・「自己開発」を基本姿勢とし、少人数グループで学生自身が問題発見解決を行なうテュートリアル教育が行なわれている。人間関係教育は、医師としての使命感・倫理観・態度・コミュ二ケーション力を養う医の技を学ぶカリキュラムである。統合カリキュラムは、患者の抱える問題を臓器・器官ごとに基礎から臨床までを統合的に考えるために構築されたカリキュラムでMDプログラム2011に引き継がれた。新カリキュラムでもテュートリアル教育、統合カリキュラム、人間関係教育が3つの柱である。MDプログラム2011は、「医師としての実践力を高める」ことを目標としている。新カリキュラムでは医学生が6年間の課程修了時に達成すべき、医療者としての知識・技能・態度が示され、最終目標を達成するために入学時から各学年の学習目標と学習内容が定められた。

6年間の教育カリキュラムは、医師としての実践力を修得するための33の目標(アウトカム)が定められ、アウトカムを達成するために連続性順次性を持った緻密なカリキュラムが組まれている。 第4学年までは、年間が2つの期間(セグメント)に分かれ、人体の基本・基礎から臓器系、全身、ライフサイクル(受精・妊娠・発生・成長発育・加齢)を3年半で学ぶ。この間は講義・実習・テュートリアルが組み合わされ、基礎と臨床を統合的に学ぶ。第4学年後半(セグメント8)は臨床で学習するための準備期間として臨床入門、医療者として医学と社会の関連(公衆衛生、法と医学、制度、国際医療)を学ぶ。第5学年と第6学年前半は、臨床医学を医療現場で学ぶ臨床実習で、学内の医療施設だけでなく、地域医療、海外研修、あるいは基礎医学研修が含まれる。カリキュラムには,このようなセグメントに分かれた教育の他に、縦断教育と呼ぶ学年をまたいで学習するカリキュラムがある。縦断教育には医師としての人間性、態度、倫理観、コミュニケーション力を高める教育、専門的技能を高める教育が含まれる。

本学医学部の教育実績は、高等教育の先進事例として平成15~22年度に実施された文部科学省の一連の大学教育支援プログラムに多く採択された。平成15年度には「人間関係教育を包含するテュートリアル教育―温かい心を持ち問題解決能力を備えた医師の育成―」(テュートリアル教育と人間関係教育)、平成17年度は「アイ・アム・ユア・ドクター プロジェクト」(医学英語教育)、平成18年度は「医のこころを実践する力を育むカリキュラム」(新しい医学教育カリキュラムの開発)、平成20年度は看護学部と共同で「女性リーダーをめざす全学横断教育」(女性医療者の育成とリーダシップ・パートナーシップ教育)、そして平成22年度は「国際基準の医学教育実践と質保証」(新カリキュラム導入と学部教育の国際認証)が採択された。これらの教育取組は「至誠と愛」の精神に基づき、知能・知識だけでなく、患者一人ひとりに向き合い、それぞれの悩みを解決できる医療者、医療実践の中で様々な人たちと協働しながら社会を先導する医療人、そして多様なキャリア形成とライフサイクルの中で、自分を磨き続けることのできる女性医師を育成し、これらの教育実践と開発が教育の質を高めることを国際的に発信する本学の教育への姿勢を表している。

医学部教員には、約1300名を擁し、少人数教育と専門教育を行う体制が整い、ロールモデルとなる女性医師も多く附属医療施設に勤務している。医学教育で重要な臨床教育の場は、最先端の高度専門医療、地域医療、さらに代替医療・女性医療など広い領域にわたる教育機会を提供している。このように緻密な教育カリキュラム、優れた教員群、そして整った教育環境で、建学の精神に沿い、女性として自立する医師を育成している。

医学部の教育目標

将来医師が活躍しうる様々な分野で、必要な基本的知識、技術及び態度を身に体し、生涯に亘って学習しうる基礎を固める。
すなわち、自主的に課題に取り組み、問題点を把握しかつ追求する姿勢を養い、医学のみならず広く関連する諸科学を照覧して理論を構築し、問題を解決できる能力及び継続的に自己学習する態度を開発する。さらに、医学・医療・健康に関する諸問題にとり組むにあたっては、自然科学に留まらず、心理的、社会的、理論的問題等も含め、包括的にかつ創造的に理論を展開でき、様々な人と対応できる全人的医療人として素養を涵養する。

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