医学部

移植管理科

概要

 現在、東京女子医科大学病院は、心臓、腎臓、肝臓、膵臓、膵腎同時、肝腎同時の臓器移植を行うことのできる本邦では数少ない多臓器移植施行病院として日本臓器移植ネットワークに登録されており社会的にも非常に重要な役割を担っています。また、生体腎移植や生体部分肝移植のような生体ドナーからの移植数においても全国有数の症例数を誇っており本邦における移植医療を担う中核的な施設となっています。
 これまでは室長(兼任)以下、各専門分野の移植コーディネーター4名およびドナーコーディネーター1名が各診療科に分散している形で運営されてきました。今後は臓器横断的に以下のような業務を移植管理科が中心になって取り組んでまいりたいと考えております。

①移植待機患者(日本臓器移植ネットワーク)の管理
②臓器移植患者のデータ報告
③移植前後における臓器移植検討会の開催
④普及啓発に関する業務(日本臓器移植ネットワークとの連携)
⑤臓器移植に関係する免疫学的検査の質の担保
⑥脳死、心臓死ドナーの管理や提供業務

教育内容

臓器移植の専門知識の確立をめざし、主な移植関連の社会的背景、病態生理、基礎知識、治療方針を院内で教育していく必要があります。これまではこのような活動を行える組織体が存在しませんでしたが、今後は移植管理科を中心にして進めていきたいと思います。
行動目標として、
1)臓器移植について、組織適合性、移植免疫、臓器保存、免疫抑制剤などの基本的事項に関する教育、啓蒙を行う。
2)腎臓、肝臓、膵臓、など移植における臨床医学面での課題、倫理的および社会的問題、臓器移植ネットワークのシステム、異種移植や再生医学の基礎的知識とその臓器移植への応用についての教育、啓蒙を行う。

研究内容

 本邦、並びに、本学の臓器移植の成績は世界の中でもトップクラスです。なかでも1971年より開始されてきた本学の腎臓移植の総数は4000例を超え、腎臓の1年生着率は95%を超えるようになりました。しかしながら15年~20年以上の長期生着率に関してはあまり改善はなく、最終的な移植臓器喪失の原因は慢性拒絶反応および免疫抑制剤の長期投与による毒性などと言われています。移植後長期経過した臓器には繊維化が特徴的に認められ、臓器繊維化をいかに減少させるかが今後の長期生着を改善させる重要なポイントとなってきます。
 
 一方、本邦における脳死臓器の提供数は先進国の中でも飛びぬけて少なく、欧米諸国に比較して50分の一から100分の一程度と報告されています。臓器提供カードの普及率をたかめることや移植教育、啓蒙活動など抜本的な組織改革が喫緊の課題であります。
 移植管理科はこのような科学的な問題や社会倫理的な問題を研究課題として取りくんでまいります。
 

スタッフ紹介

教授
石田 英樹
専門領域
腎臓移植
移植免疫学

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