糖尿病・代謝内科学/糖尿病眼科
概要
- 1975年に開設された糖尿病センターを母体に、1978(昭和53)年に独立・開設された講座である。糖尿病を中心に、脂質異常症、肥満、動脈硬化症、メタボリックシンドロームなど糖尿病・代謝疾患およびその種々の合併症すべてについて、卒前および卒後教育と基礎的および臨床的研究を担当している。
糖尿病は、糖代謝に関わる少なくとも8つの臓器の器質的/機能的不全によるインスリン作用不足の結果、慢性高血糖を特徴とする広範な代謝異常を起こし、網膜症、腎症、神経障害や種々の大血管障害を引き起こす、つまり全身の血管障害を引き起こす疾患である。
「21世紀の国民病」と呼ばれ、ますます増加する糖尿病患者に対し、糖尿病・代謝内科と糖尿病眼科は、臨床各科と緊密な連携を保ち、スタッフ一同、チーム医療の実践に努めている。
研究面について述べる。糖尿病眼科は糖尿病網膜症の成因および病態の研究を、糖尿病・代謝内科には8つの研究グループ(小児ヤング、妊婦、心血管障害、足病変、神経障害、肥満脂質異常、腎臓、遺伝関連)がある。教育内容を参照されたい。
教育内容
8つの研究グループ(小児ヤング、妊婦、心血管障害、足病変、神経障害、肥満脂質異常、腎臓、遺伝関連)と網膜症研究の眼科グループに分かれて研究をしている。
大きくまとめると、分子生物学的アプローチから糖尿病(1型、2型、その他特定の型)の成因や原因遺伝子解析、新しい治療法の開発、慢性合併症の成因と治療そのリスク因子解析、糖尿病と妊娠に関する研究、肥満や脂質異常症の成因と治療に関する研究、疫学的アプローチから糖尿病発症および合併症発症への予後因子解析など、幅広い研究活動を行っている。
そして、糖尿病センター医局員総出でおこなっている研究が、2012年から開始した糖尿病診療に実態に関する大規模調査(DIACET)である。得られた結果は患者さんへ還元し、明日への治療の改善につなげる。