大学院・研究施設

糖尿病・代謝内科学分野

概要

 「糖尿病があっても糖尿病がない人と同様の人生が送れるよう全力で応援する」というコンセプトのもと、昭和50年7月に東京女子医科大学糖尿病センターは設立されました。以後糖尿病診療の先駆的な役割を果たしている、わが国最大の糖尿病専門医療施設における研究部門です。
 
 糖尿病センターは糖尿病・代謝内科と糖尿病眼科から構成されます、さらに他職種のスタッフとともに患者さんを中心としたチーム医療を展開し、糖尿病や脂質異常症を中心とした代謝疾患の初期教育から、関連する合併症に対応しております。
 
 その臨床の場から生じたclinical questionを基礎・臨床研究の場におけるresearch questionに展開し、その成果を臨床にフィードバックすることで糖尿病診療に貢献することが糖尿病センターの存在価値であると考えています。リサーチマインドを持った皆さんとともに研鑽したいと思います。
 

研究可能テーマ

 1、糖尿病患者の診療実態に関する前向き観察研究(DIACET)
  (全研究グループ共同)
 2、糖尿病薬の有効性と安全性に関する臨床研究
  (馬場園教授・中神教授ら型糖尿病・疫学グループ)
 3、糖尿病発症基盤の解明と糖尿病予防戦略に関する疫学研究
  (馬場園教授・中神教授ら型糖尿病・疫学グループ)
 4、糖尿病網膜症を中心とした糖尿病眼合併症の病態と治療に関する研究
  (馬場園教授・北野教授・佐伯講師ら糖尿病眼科グループ)
 5、1型糖尿病の成因、病態、疫学、治療に関する研究
  (馬場園教授・三浦准教授・小林講師らヤング・1型糖尿病研究グループ)
 6、最終糖化産物とその受容体を中心とした糖尿病性合併症の成因研究
  (馬場園教授・三浦准教授らヤング・1型糖尿病研究グループ)
 7、糖尿病患者の心理社会的背景に関する研究
  (馬場園教授・三浦准教授・小林講師らヤング・1型糖尿病研究グループ)
 8、若年発症2型糖尿病の合併症発症に関する疫学研究
  (馬場園教授・三浦准教授らヤング・1型糖尿病研究グループ)
 9、膵β細胞機能再建をめざした再生医療に関する基礎的研究
  (馬場園教授・三浦准教授らヤング・1型糖尿病研究グループ、先端生命医科学研究所との共同研究)
 10、妊娠時のインスリン抵抗性の成因解明および妊娠糖尿病に関する研究
  (馬場園教授・柳澤講師ら妊婦ケアグループ)
 11、糖尿病性腎症の成因および進展予測因子に関する研究
  (馬場園教授・花井講師ら腎症研究グループ)
 12、1型糖尿病に対する膵移植に関する臨床研究
  (馬場園教授・花井講師ら腎症研究グループ)
 13、糖尿病性末梢動脈疾患の病態と治療に関する臨床研究
  (馬場園教授・井倉助教ら末梢動脈疾患研究グループ)
 14、糖尿病の成因に関する分子遺伝学的研究
  (馬場園教授・岩﨑教授(兼務)ら遺伝子研究グループ)
 15、糖尿病と心臓病に関する臨床研究
  (馬場園教授・佐藤教授(兼任)ら心臓グループ)
 16、高齢者糖尿病の病態に関する臨床研究
  (馬場園教授・石澤非常勤講師ら高齢者研究グループ)

スタッフ紹介

教授・基幹分野長    馬場園哲也
教授                    北野慈彦、中神朋子、岩崎直子(兼任)、佐藤麻子(兼任)
准教授                 柳澤慶香、三浦順之助
講師                    小林浩子、佐伯忠賜朗、花井 豪


研究紹介

糖尿病患者の診療実態に関する前向き観察研究 DIACET
(Diabetes Study from the Center of Tokyo Women’s Medical Univ.)

第3内科学分野の臨床の場は、糖尿病センターです。糖尿病センターでは、糖尿病専門内科医、糖尿病の眼の治療を専門とする眼科医、それに糖尿病認定看護師、糖尿病療養指導士の資格をもつナース、薬剤師をはじめとするメディカルスタッフが1万人近くの通院患者さんの治療に対応しています。しかし、この病気の最適な治療法についてはまだ良くわかっていないことが多く、現在も世界中で多くの研究が行われています。
そこで、患者さんご自身の診療や治療に関する情報を、毎年、アンケート調査(この病気の病態や治療法と患者さんご自身の生活の質(QOL)など)にて調査させていただいております。この結果をいろいろに解析し、どのような治療がもっとも費用対効果が良いのか、患者さんのQOLを保持するのにはどのような治療が一番いいのか、などなど治療法の向上に役立てております。
1医療施設として、統一した治療方針のもとに、多くのデータを発信している東京女子医科大学糖尿病センターならではの、観察コホート研究です。
 

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