医学部

精神医学(神経精神科)

概要

精神医療は年々その姿を大きく変えてきています。入院期間は短縮し、相対的に外来診療の比重が高まっています。かつて117床あった当科の病床数も現在は46床に減らしていますが、外来には毎日200名以上の方が受診されています。当科では歴史的に精神医療の対象の拡充に努めてきました。精神疾患のみならず、身体疾患をお持ちの方々の抱える悩み、女性の抱えるメンタルヘルスの諸問題への支援も幅広く行っています。そのためには科学的な研究成果の意義を吟味し取り入れながら、健全なバランス感覚で医療を展開することが必要です。とりわけ教育には力を入れており、医局員にはQOL(生活の質)にまで配慮した治療学を身につけてもらうようにしています。加えて、チーム医療を重視しており、すべての職種に対して真の意味で対等に医療に参加することを求めています。具体的には全職種が協働して行う女子医大版心理教育、精神科リエゾンチームなどでこれを実践しています。

 

教育内容

当精神科は多くのベッド数を有しており、多種多彩・豊富な症例を通じて、臨床の実践とフィードバックを繰り返し、臨床医としての実力を身に付け、並行して臨床研究や基礎研究を行うことで精神科医としての土台を確実なものとします。
後期研修一年目では病棟での研修を行い、二年目には他診療科からのリエゾン・コンサルテーションなど院内連携の場面での研修を主に行いスキルアップを目指します。三年目以降には総合病院精神科・単科精神科病院・専門クリニックなどの関連医療施設での出向し、精神保健指定医、精神科専門医、サブスペシャルティ領域の専門医取得をより現実的なものとしていきます。
 

研究内容


当科は、多職種によるチーム医療が盛んで、研究もチーム医療を支える研究が活発です。
多職種による心理教育の実践と、その成果についての臨床研究を行い、「レジリアンスモデルによる統合失調症のサイコエデュケーション」の出版などを行いました。
多職種リエゾンチームは豊富な症例数を背景に、様々な診療科と共同研究を行い、例えば「生体臓器移植ドナーの意思確認に関する指針」の作成などに携わりました。
薬物療法についての研究も活発で、臨床研究、遺伝子研究、基礎研究を並行して行っています。当科は治療抵抗性統合失調症治療薬のクロザピンを日本で初めて導入した施設の一つであり、使用経験を報告するとともに、クロザピンに関する遺伝子研究や基礎研究を行っています。

 

スタッフ紹介

教授・基幹分野長
西村 勝治
専門領域
リエゾン精神

准教授
赤穂 理絵
専門領域
リエゾン精神
緩和医療
精神腫瘍学

准教授
押淵 英弘
専門領域
精神科薬理学
リエゾン

准教授(兼務)
高橋 一志
専門領域
臨床精神薬理

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