医学部

生化学

概要

生化学は分子を基盤として生命現象および病態を解明する学問領域です。医学部教育では、まず生体物質の基本的な構造と機能、物質の変化と代謝について学び、ついでそれらの分子や現象がどのように生体の生理機能や病態と結びつくのかを学んでいきます。これらの講義・実習の過程で科学的・論理的な思考のトレーニングも行っていきます。大学院では生化学を中心に置き、神経科学や細胞生物学などの様々な領域の問題解決に取り組んでいきます。

教育内容

第1学年では「人体の成り立ち」「細胞の成り立ち」「人体を構成する物質」、「細胞の基本機能」「細胞と情報伝達」「生体物質の代謝」「遺伝と遺伝子」の講義、および「人体を構成する物質」「生体物質の代謝」の実習を担当しています。
第2学年では「循環器系」「呼吸器系」の講義と「循環器系」「腎尿路系」の実習を担当しています。
第3学年では「内分泌系」「栄養・代謝系」「消化器系」「運動器系」「脳神経系」「精神系」の講義、「内分泌系」「運動器系」の実習を担当しています。
第4学年では「加齢と老化、臨終」の講義を担当しています。
 いずれも分子を基盤とした生命現象および病態の知識を習得し、さらに科学的・論理的な思考を促す講義、実習を行っていきます。
 

研究内容

神経系の回路形成・成熟に関わる分子機構を検討しています。回路が作られる時に神経ガイド分子群と呼ばれる様々な蛋白質が神経の突起を誘導して別の神経や細胞に導きます。最近、神経ガイド分子は記憶や感情といった神経の高次機能に関わることや、アルツハイマー病など様々な病気に関わることもわかってきました。そのような分子の一つ、セマフォリンについて生理機能や病態との関わりを、解剖学、生化学、遺伝学、生理学などの様々な手法を用いて研究しています。
もう一つのテーマとして、血球系細胞を中心とした生化学解析を進めています。ここではマラリア原虫の赤血球への感染メカニズム、赤血球の脂質二重層の非対称性分布維持に関する分子機構、マスト細胞の分泌顆粒の形成成熟過程に関わる分子機構を検討しています。いずれも様々な疾患の解明や新たな治療法開発の礎となる重要な研究課題です。
 

スタッフ紹介

教授・基幹分野長
中村 史雄
専門領域
生化学

講師
田中 正太郎
専門領域
生化学、細胞生物学、ライブイメージング

大学院

大学院ではこれらのテーマの中から興味あるものについて取り組みます。研究の構想、関連分野の情報収集、実験計画、実際の実験手技、得られたデータの評価と検討、学会報告、論文作成、発表に至るまでの過程を、指導するスタッフと共に進めていきます。このような過程の後に独自の研究テーマを見いだすまでを大学院教育と考えて研究指導を行っていきます。
 

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