大学院・研究施設

共同先端生命医科学分野

概要

本分野は長年医工連携を進めてきた早稲田大学との共同大学院カリキュラムに属しており、主にがんを標的とした治療薬開発と医薬品・医療機器の社会実装に向けた医療レギュラトリーサイエンスに関連した研究を遂行しています。
がん研究においては、腫瘍近傍に存在する微小環境ごと治療することを想定とした新規がん治療薬の開発を行なっています。わが国では、がんによる死亡が死因のトップであり、死亡の主な原因は遠隔臓器への転移と考えられているため、未然にがんの発症を予防すること、早期診断に加えて、転移を予防や抑制する治療薬の開発が望まれています。現在、がん微小環境形成における分子機序の基礎研究を通して着目したシーズに対し、新規モダリティ(低分子化合物、ペプチド、抗体など)の開発を進めており、非臨床POC取得を目指しています。さらに、基礎研究にて得られたシーズに対する医薬品の開発から社会実装には、開発過程の課題を多面的な立場で思考し、適切に設定された基準により評価される必要があり、先進医療を含め、社会実装に向けて医療レギュラトリーサイエンスの考え方は不可欠と考えています。よりスムーズに社会実装するために、可能な限り実臨床を意識した検証モデルの開発も進めています。
また、先端治療機器臨床応用・開発評価研究部門では、医工融合による医療機器開発を通じ、臨床研究を円滑に進めるための仕組み作りも同時に進めています。

研究可能テーマ

[分子細胞医療・再生医療部門]
1. がん微小環境、転移前微小環境形成の分子機序の解明と新規治療薬の開発
2. 早期肝転移予測バイオマーカーの開発
3. 検証モデル作成(3D培養系, シミュレーション)
4. 個別化医療の課題調査と診断薬の開発
など

[先端治療機器臨床応用・開発評価研究部門] 
1. 医療機器承認プロセス及び保険収載(医療経済)を巡る規制の実態に関する研究
2. 医療機器ガイダンスの国際比較及び医療安全に関わるリスク管理に関する研究
3. SaMDをはじめとするソフトウェア機器承認、規制及び治療効果に関する研究
他多岐にわたる医療機器臨床応用、開発評価に関わる研究
など

スタッフ紹介

教授     出口 敦子
(兼務)教授 正宗 賢
准教授    田村 学
特任准教授  北原 秀治

大学院生募集

医療レギュラトリーサイエンスを意識して、がん研究や検証モデル構築に興味を持つ大学院生を募集しています。早稲田大学との共同大学院カリキュラムであり、課程3年間で必要な単位を取得し、所定の研究業績を挙げた者に対し、両大学の博士(生命医科学)の学位が授与されます。
ご興味のある方は出口(adeguchi@twmu.ac.jp)までご連絡ください。

医学研究科