医学部

小児外科

概要

東京女子医科大学小児外科は、旧第二外科学講座内の小児グループとして小児外科医療を行ってきましたが、2015年4月より病院の標榜診療科として独立しました。現在は基幹分野には属していませんが、独立した診療科として、東京女子医科大学病院本院および附属足立医療センターでの小児外科診療を担当しています。
当診療科は、都内でも有数の日本小児外科学会認定施設に認定されています。この認定施設とは、日本小児外科学会指導医の在籍、新生児手術数を含めた一定数の手術数、小児科医や麻酔科医の在籍などの厳しい施設基準を満たした施設のみが取得できる施設認定制度であり、高度な小児外科医療と小児外科専門医育成が行い得る施設です。
当診療科では、年間250例以上の小児外科手術を行っています。対象疾患は、出生直後の新生児期から学童期(15歳未満)までの頭頸部・呼吸器・消化器・泌尿生殖器・内分泌臓器・小児腫瘍など、小児にみられる外科的疾患を広い範囲で取り扱っています。先天性の疾患だけでなく、外傷や生後発現する疾患も同じように小児外科指導医・専門医が治療を行います。また、小児科、腎臓小児科、循環器小児科、母子総合医療センター新生児部門、脳神経外科小児グループとともに高度な小児チーム医療を行っており、2021年にはPICUも開設されました。
当診療科の特徴として、日本内視鏡外科学会技術認定取得医(小児外科領域)による胸腔鏡、腹腔鏡を用いた小児内視鏡外科診断・治療が上げられます。先天性食道閉鎖症、先天性横隔膜ヘルニア、胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、ヒルシュスプルング病、鎖肛などの小児外科を代表する新生児・乳児疾患に対しても小児内視鏡外科診断・治療が低侵襲に行われており、これまでに多くの手術術式を開発しています。

教育内容

子どもは大人のミニチュアではなく、小児外科医療は高度な専門性をもった領域です。一方、先天性小児外科疾患で手術を行った患児は、成人になっても小児外科医が診療を継続するという観点からは、小児外科医は子ども専門の外科医ではなく、子どもを得意とする一般外科医であるべきと考えます。子どもの身体にメスを入れることの意味を深く考え、常に謙虚な姿勢で子どもと家族に接し、子どもを愛し、家族に寄り添い、子どもの長い人生を常に考え、子どもの命の重さを誰よりも知る小児外科専門医・指導医を育成します。
院内の他外科診療科と密に連携していると同時に、関連病院への出向は小児・成人に関わらず希望の病院を選択でき、小児外科専門医取得のための必須条件である外科専門医も余裕をもって最短で取得可能です。

研究内容

臨床研究:小児腹腔鏡手術時における気腹の生体への影響に関する検討
近年、成人領域同様、小児外科領域においても腹腔鏡手術の導入がすすみ、今後益々発展することが考えられますが、その際、最も問題となるのは安全性です。これまでに、気腹が脳室一腹腔シャントに及ぼす影響の実験的・臨床的検討を行ってきましたが、小児では 成人に比し小児特有の様々な病態があり、各病態下での安全性に対する検討が必要です。特に重症心身障害児に対する腹腔鏡手術時の様々な影響を中心に検討します。
 
臨床研究:小児内視鏡外科手術における新術式の開発
当院小児外科では小児腹腔鏡・胸腔鏡手術に30年の実績があり、これまでに腹腔鏡補助下経皮内視鏡的胃瘻造設術、腹腔鏡下2期的胃瘻造設術、腹腔鏡補助下腹膜透析カテーテル挿入術、創内スコープ・鉗子法による胸腔鏡下漏斗胸手術など、高い安全性と確実性を最優先とした術式を開発してきました。今後も、小児に対して低侵襲かつ高い安全性と確実性を兼ね備えた手術術式の開発を進めます。
 
基礎研究:短腸症候群モデルラットを用いた肝障害予防のための新規治療の検討
短腸症候群患者の約半数が腸管不全関連肝障害; Intestinal Failure-Associated Liver Disease (IFALD)に罹患すると言われています。我々は、2つの外科的モデル①腸管を大量切除した短腸症候群モデル②中心静脈カテーテル挿入モデルをラットに対して施行し、新規治療法による肝障害の進行の抑制効果に関して検討しています。本研究は本学総合研究所と共同で研究しています。

スタッフ紹介

臨床教授
世川 修
専門領域
小児外科一般
小児内視鏡外科手術
小児泌尿生殖器外科
小児消化器内視鏡

講師
末吉 亮
専門領域
小児外科一般

医学部