医学部

小児外科

教育内容

子どもは大人のミニチュアではなく、小児外科医療は高度な専門性をもった領域です。一方、先天性小児外科疾患で手術を行った患児は、成人になっても小児外科医が診療を継続するという観点からは、小児外科医は子ども専門の外科医ではなく、子どもを得意とする一般外科医であるべきと考えます。子どもの身体にメスを入れることの意味を深く考え、常に謙虚な姿勢で子どもと家族に接し、子どもを愛し、家族に寄り添い、子どもの長い人生を常に考え、子どもの命の重さを誰よりも知る小児外科専門医・指導医を育成します。
院内の他外科診療科と密に連携していると同時に、関連病院への出向は小児・成人に関わらず希望の病院を選択でき、小児外科専門医取得のための必須条件である外科専門医も余裕をもって最短で取得可能です。

研究内容

臨床研究:小児腹腔鏡手術時における気腹の生体への影響に関する検討
近年、成人領域同様、小児外科領域においても腹腔鏡手術の導入がすすみ、今後ますます発展することが考えられますが、その際、最も問題となるのは安全性です。これまでに、気腹が脳室一腹腔シャントに及ぼす影響の実験的・臨床的検討を行ってきましたが、小児では 成人に比し小児特有のさまざまな病態があり、各病態下での安全性に対する検討が必要です。特に重症心身障害児に対する腹腔鏡手術時のさまざまな影響を中心に検討します。
 
臨床研究:小児内視鏡外科手術における新術式の開発
当院小児外科では小児腹腔鏡・胸腔鏡手術に30年の実績があり、これまでに腹腔鏡補助下経皮内視鏡的胃瘻造設術、腹腔鏡下2期的胃瘻造設術、腹腔鏡補助下腹膜透析カテーテル挿入術、創内スコープ・鉗子法による胸腔鏡下漏斗胸手術など、高い安全性と確実性を最優先とした術式を開発してきました。今後も、小児に対して低侵襲かつ高い安全性と確実性を兼ね備えた手術術式の開発を進めます。
 
基礎研究:短腸症候群モデルラットを用いた肝障害予防のための新規治療の検討
短腸症候群患者の約半数が腸管不全関連肝障害(Intestinal Failure-Associated Liver Disease;IFALD)に罹患すると言われています。われわれは、二つの外科的モデル①腸管を大量切除した短腸症候群モデル②中心静脈カテーテル挿入モデルをラットに対して施行し、新規治療法による肝障害の進行の抑制効果に関して検討しています。本研究は本学総合医科学研究所と共同で研究しています。

スタッフ紹介

臨床教授
世川 修
専門領域
小児外科一般
小児内視鏡外科手術
小児泌尿生殖器外科
小児消化器内視鏡

講師
末吉 亮
専門領域
小児外科一般

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