医学部

微生物学免疫学分野

概要

  • 近年、O157大腸菌感染症やエイズ、さらに新興感染症としてのSARS(重症急性呼吸器症候群)や新型インフルエンザ蔓延にみられるように、病原微生物による感染症は今日において克服すべき重要な課題である。微生物学免疫学分野は、これらの感染症を克服すべく、病原微生物とそれらが作る病原因子の性質を解析したり、微生物の侵入を防ぐ私たちのからだの防御システム(免疫システムもその一つ)にはどのような機構が備わっているかを解析する研究室である。そのような研究により独創的かつ先端的な成果を上げて臨床へつなげることを目指している。

教育内容

  • 本分野は関連ある二つの分野について教育を担当している。微生物学は微生物(真菌、細菌、ウイルス)そのものの性質、および感染と疾患の発症機序について、免疫学は病原体に対する感染防御を含めた生体防御機構を学ぶ。医学部教育は、第1学年後期の科目「生体と微生物」および「生体防御・免疫」の講義、実習を他の分野との連携を基盤として担当している。第4学年を対象に、「微生物学免疫学実習」をより臨床に関連した内容で行っている。看護学部教育は、第1学年を対象に講義、実習を行っている。学部教育の講義・実習は、将来医療人としての実践に必要かつ十分な当分野の専門領域に関する学識および技術を習得させるよう教員一丸となって進めている。卒後教育では、基礎医学機能系の大学院実習の一部を担当している。

研究内容

  • 本分野の独自性、独創性を維持しつつ、専門を異にする他の分野との豊富な共同研究を行いながら、新たな先端的研究が創造されることを目指している。臨床の研究室とのトランスレーショナルリサーチを強力に推進し、炎症性疾患や代謝性疾患の病因の解明、治療法の開発などにより臨床へのフィードバックを目指している。東京女子医科大学には優れた臨床の医師が多く働いており、本分野は彼らとの共同研究を盛んに推進している。 

主要研究分野
(1) 細菌―宿主相互作用の分子機構
(2) 生体細菌叢の各種疾患への関与
(3) 細菌感染による自己免疫疾患誘導機序
(4) 代謝性疾患における栄養素の分子細胞機構
(5) 実験用動物の新規病原体の病原性並びに感染症病態の解析
 

スタッフ紹介

教授・基幹分野長
柳沢 直子
専門領域
細菌学

准教授
大坂 利文
専門領域
細菌学
免疫学
栄養学
健康科学

助教
上芝 秀博
専門領域

助教
飯塚 讓
専門領域
栄養学
健康科学

助教
西田 隆司
専門領域

大学院

医学研究科機能学系専攻微生物学免疫学分野ホームページ

細菌の構造についての微生物学の研究から、微生物に対する免疫機構を解明する免疫学の研究まで、多様な領域に取り組んでいる。細菌の遺伝子改変技術や細菌叢(microbiota)解析において高度な技術を有しており、これらを活用した研究を推進している。また、代謝系が脂肪組織や免疫細胞の働きに与える影響に注目している。大学病院の臨床医との密接な連携のもと、炎症や疾患の誘因に微生物がどのように関与するのかを分子レベルで明らかにしようとする基礎研究を行っている。

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