大学院・研究施設

博士前期課程 基盤科目

共通必修科目

看護理論

看護学の理論体系の変遷を概観し、諸理論の構造と特徴について理解を深め、また、理論構築の基本的なアプローチについて学ぶ。

看護研究

専門技術の向上や開発を図るために、実践の場における研究活動を行うに必要な研究方法について、分野を越えた共通する知識を教授する。

共通選択科目

看護倫理

看護活動場面における倫理的諸問題に対し、解決に向けて調整を行うための幾つかの考えについて論じる。

看護教育論

看護学の教育の特徴から看護教育のあり方を検討する。また、看護学教育を生涯教育の観点からとらえ、総合的な教育として考察する。

看護政策論

看護に関する政策決定とは、どのような過程で行われるのかを理解する。またその過程に関わる関連団体の力学的な相互関係についても管理的視点から分析することにより、看護職能のもつ社会的機能と貢献について学習する。

コンサルテーション論

看護職を含むケア提供者に対して実践的な問題を解決する援助のために、コンサルテーションの概念および実践モデル、コンサルタントとしての役割機能、個人や組織を対象としたコンサルテーションのプロセスについて学習する。また、コンサルテーションの実際について理論的・実践的分析をふまえながら学習する。

看護管理論

組織論および組織行動論など管理としての理論を学習しリーダーシップ、マネージメント、意思決定、システム論、変化論などの概念を使いながら看護の実践場面における管理的視点を分析する能力を養う。

家族論

現代社会における家族の多様化の実態を理解する。「家族機能の低下」と表現されている家族をめぐる変化を実証的に分析し、家族介護配偶者介護の現状と問題点を通して、家族機能の展望および家族援助体制のあり方と介入方法について考察する。

社会学

保健・医療の分野でのコミュニケーション、人間関係、集団・組織にテーマを絞り、講義や演習などを通して学んでいく。

人間学

これまでに修得した諸知識と人間として生きてきた経験を基に、人間が人間として存在することの意味について探究する。また、人々がお互いを尊重する存在として、又生命に畏敬の念をもち、尊厳ある存在として意識できることの重要性について、人間哲学の視点から探求する。

保健統計学

看護基礎課程において保健医療統計学の基礎知識としての統計的手法を、一通り履修している。ここでは、この知識を基に、個々の保健現象の解明に応用できる能力を養うとともに、研究成果を科学的にデータをもとに理論づけることができる能力を養うことを目的とする。

臨床心理学

臨床心理学を広義に捉え、看護実践に役立つ諸理論および方法論を講義する。まず、アセスメントに関して質問紙(心理尺度)の作成方法について解説し、その応用例として高年齢や病者のQOLを規定する心理・社会的諸要因の研究を取り上げ、臨床心理学の看護への貢献について考察する。また、カウンセリングの基礎理論と諸技法を習得させ、看護実践への応用を目指す。さらに、臨床心理的地域援助、即ちコミュニティ心理学の基本的考え方を、癌患者のサポート・グループに関する介入研究やインフォームド・コンセントに関する医療倫理学的研究を例として解説する。

研究方法(生体・生理学的研究、臨床医学的研究)

医療場面における研究は、治療効果の追求であると同時に原因追求および人間の生体の変化を丁寧に観察することから出発する。それらを方法論として基盤に位置付け、看護研究の方法論に応用できるように学習する。

先端医療

近年、工学的手法やテクノロジーを医学に持ち込み、従来できなかった先端医療が次々に実現されることとなった。本科目は幅広いテクノロジーと医学の融合によって誕生する先端医療について解説する。特に、再生医療の発展はめざましく、薬物治療とは異なる効果が期待でき、この治療法について移植法との相違について明確にしながら現状と将来について展望する。また遺伝子診断や画像監視下手術、ロボット手術についても最近の進歩を解説し、今後、大きく変わる先端医療全体の流れと、診断、治療と手術の将来について講義する。

国際コミュニケーション、英語演習

海外における看護の情報を積極的に学ぶ姿勢を養うとともに、日本の情報、自分の研究内容を海外に発信することができるようになるための英語演習を行う。日本人の苦手とする英語論文理解・国際学会における発表を克服するために、典型的な英語表現や英語による発表スタイルのコツを習得する訓練を通して、英語によるコミュニケーション・スキルの向上を目指す。

自由選択科目

臨床薬理学

対象者の健康問題に応じた薬物治療を薬力学的、薬物動態学的見地から理解した上で、専門看護師として、対象者の薬物治療の有効性と安全性を最大限に高め、最良の治療や症状緩和のケアの提供に参画するための知識、技術を修得する。

フィジカルアセスメント

複雑な健康問題をもった対象の身体・精神状況を診査し、日常生活のアセスメントを含んだ臨床判断を行うために必要なフィジカルアセスメントの知識と技術を習得する。

病態生理学

身体が恒常性を維持する機能の基礎知識を理解した上で、症例をもとに異常をきたす原因、経過、主な症状、治療・処置について学び、今後専門看護師に求められる対象の病態生理学的変化を解釈、判断、実践するために必要な知識と技術について教授する。