集中治療科 市場 晋吾教授集中治療科 市場 晋吾教授

集中治療は、生命の危機に瀕した重症患者さんを救命するために、
関連の多職種や専門医と協働しながら、最先端の医療機器を駆使して治療を行っています。

集中治療は、呼吸不全、循環不全、意識障害や代謝不全などの重症患者さんを24時間体制で治療し回復させることです。集中治療科医がシステム管理と診療チームのリーダーとなり、各診療科の医師を含めた多職種チーム(医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、放射線部、検査部など)と協働し、幅広い年齢層と多彩な急性期病態の治療を行っています。
当院では難易度の高い手術や難治疾患の患者さんが多く、そのような患者さんの周術期管理や、治療中に発生した急性呼吸・循環不全や敗血症性ショックなどに対して、高度な生命維持装置を駆使して治療を行っています。特にECMO (Extracorporeal Membrane Oxygenation)は世界標準以上の技術レベルを有しています。さらに院内急変対応チーム(Rapid Response Team; RRT)を編成して入院患者さんの急変に対応するとともに、入院患者さんが急変する前に予防的な対応をするように心がけています。

患者さんへ

我々の仕事は、多職種の医療スタッフとともに患者さんの命を守ることです。たくさんの高度なモニタリング機器を用いて、重症患者さんのバイタルを正確に逐次観察していますが、さらに大切なことは五感で患者さんの状態を観察することで、より生命の危機をより早い段階で察知して適切な対処ができます。また、集中治療室のベッドであってもバイタルをモニターしながらリハビリテーションを積極的に行い、臓器不全の早期回復と筋力低下の予防を心がけています。患者さんご本人に意識が無い場合には、医学的だけでなく多様な視点から個々の患者さんの状態を包括的に配慮し、ご家族としっかりと話し合いながら、連携を取って治療を進めていきます。

医療スタッフの皆さんへ

集中治療は、チーム医療そのものです。チーム力を最大限に活かすためには、多職種によるシームレスな情報共有と意見交換が欠かせません。また、常に専門的知識をアップデートすること、緊急時の対応ができるように日々の訓練を行うことも重要です。各々の専門性を活かしながら協力し合って、高度な治療を実践していきましょう。

 

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