
集中治療科 野村 岳志
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チームで重症患者に安全な集中治療を提供します。
専門的な知識・技術を持つ多職種でチーム医療をおこない、家族参画型の患者さん中心の重症患者医療をめざします。
東京女子医科大学病院は、最重症の患者さんが最後の望みを託して来院する病院です。その歴史からもうかがえる循環器疾患、消化器病疾患、脳神経内科外科、移植医療等において従来から多くの重症患者さんを治療してきました。今でも高度医療をもとめて新しく女子医大を頼ってくる患者さんや、以前に難しい医療をうけ患者さんが女子医大でしかできない医療を期待して全国から集まって来られます。
80歳台、90歳台の患者においても、社会復帰を目指して高度治療を行っています。近年注目されている集中治療後症候群(post intensive care syndrome:PICS)にならないように、リハビリや栄養が重要な役割をもち、また患者さんや患者家族さんへの心的なサポートも必要になってきています。
集中治療科では専門の知識をもつ多職種参加型医療と同時に患者さんや家族への心的サポートもおこなう患者家族参加型の医療の提供に努めます。
患者さんへ
集中治療室では常に多くの機器が作動して騒々しく、それは決して患者さんにとって快適なものではありません。しかし、治療中に気管挿管等で声のだせない患者さんの声を、重要な機器が代弁していると考えてください。直接話せない患者さんの声を、医師や看護師が聞いているのです。
そのため集中治療室では患者さん2人に対して、最低1名の看護師が付き添っています。安全な集中治療は多くの多職種医療スタッフがコミュニケーション良く、治療・ケアを行うことから始まります。人工呼吸中も栄養管理やリハビリも行います。早く回復され退院できるように、ときにリハビリは辛いときもありますが、専門のスタッフが患者さんの声を聞きながら、表情をみながら行いますので、患者さんも一緒に治療スタッフの仲間の一人となってください。元気に退院されることをスタッフ一同期待して治療を行っています。


医療スタッフの皆さんへ
集中治療室を英語ではIntensive Care Unit(ICU)といいます。Intensive Treatment Unitではないのです。「Care」という言葉からわかるように、多職種スタッフのチームワークが一番必要な場がICUと思います。そしてチーム医療を患者さんにつたえるには、相互の医療者の心理的安全性が必要です。
指示はあっても、命令はあってはなりません。人間なので体がつかれると、ミスも生じます。「わからない」「できない」は常に言葉で発してください。その言葉は、更に成長する可能性となり、患者さんの安全を守ります。経験の浅い医療スタッフが、常に成長できる、声がだせるICUで、安全なチーム医療を目指しましょう。よろしくお願いします。