医局の概要  

 東京女子医科大学 腎臓内科は19731月に杉野信博先生(現名誉教授)が東京女子医科大学総合内科の開設時に腎専門の診療を行うべく教授として着任したところからはじまります。その後1979年に大学の講座である第四内科学教室として独立、病院の組織としては腎臓病総合医療センター腎臓内科として診療にあたることとなりました。腎臓内科として診療をはじめて37年が経過しようとしていますが、開設当時は腎臓内科を標榜しているところは、大学の付属病院でもまだまだめずらしい時代でした。その後1992年からは二瓶宏教授が教室を引き継がれ、現在は2007年に就任された新田孝作教授のもと日々、診療・教育・研究にと研鑽に励んでおります。歴代の医局在職者も200人を優に超え、主要な関連病院の腎臓内科医長や部長を数多く輩出し、さらに毎年闊達に同窓会が開催されるなど、縦横の関係を密接にもっています。

当局の特徴をひとことでいえば、腎臓に関係するすべての疾患を網羅的に診療する(経験する)ことができるということです。もちろん診療の中心は成人発症の原発性および続発性腎疾患の診断と治療、腎機能の代替療法への導入が中心となりますが、小児期発症の腎疾患のキャリーオーバー、腎移植後の再発性腎炎や再透析導入、生体腎移植ドナーの評価、透析療法の合併症の治療など、腎臓病総合医療センターの特徴を生かし「腎炎→腎不全→透析→移植」と垣根なく症例を診療することができ、他施設の腎臓内科医とは比較にならないくらい多くの症例を経験することができます。

また、日本で有数の病床数と外来患者数を誇る女子医大病院の一診療科として、他科のコンサルテーションも非常に多く、また地域医療においても、関連病院はもとよりそうでない施設からも積極的に転院や入院を引き受け貢献しています。

私どもの診療のポリシーは「患者さんを中心に考える」ということです。腎臓病は短期決戦ではなく、長期に病気と戦う患者さんと寄り添っていくことになります。病気だけをみて診療することなく、患者さんの気持ちや社会生活などを尊重して治療することをモットーとしています。かつ、そういった診療をしながらも、結果として医局員全員が腎臓専門医と透析専門医を取得し、また希望すれば学位取得を可能にすることを教室の目標においています。

研究は、最終的には臨床につながるような研究をテーマとし、臨床研究から最先端の手法を用いる基礎研究まで幅広く行っており、論文掲載、学会発表も数多く行っております。

大学の講座であるという立場から医学生および研修医の教育に関わる経験もすることができます。教えるという経験は自分を見つめなすよい機会です。腎臓内科は在校生の評判も高く、本学の学生だけではなく他大学からの医学生の見学者も毎年数多く、ここ数年は毎年10人前後の後期研修医が入局しています。 

このように、大学法人の一講座として、病院の一診療科として、診療・研究・教育をバランスよく行っている医局です。

研修概要  

kenshui-p01東京女子医科大学病院腎臓内科および関連病院* において一般臨床内科学、腎臓病学(腎生理、腎病理、腎代謝、高血圧、透析療法)の臨床研修を行います。 2年間の初期研修修了後(医師3年目以降)より、後期研修医(医療練士)として入局し、女子医大病院の後期研修医カリキュラムに則り内科ローテーションを行います。大学での研修の後、関連病院*での約2年の腎臓病の臨床研修を行い、スキルアップを図ります。当科の関連病院はすべて高度医療を行う総合病院であり、指導医はOB・OGです。

その後、再び大学での上級研修となります。内科学会専門医、透析療法学会、腎臓学会の専門医の取得と基礎研究および臨床研究*(大学院入学も可)を行い学位取得を目指します。腎臓病総合医療センターの特徴を生かし、上級研修については腎臓小児科、泌尿器科、腎外科(移植医療)へのローテーションも可能です。

臨床研修の特色  

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基本理念

患者さん中心の医療を推進していくことを基本理念としております。そのため臨床医師としての基本的で最も大切な姿勢、態度、技能を修得することが目標です。腎臓専門医としての研修だけでなく、常に内科専門医としての研修を心がけて、患者のための臨床専門医を目指します。 

 

内科の中の腎臓内科

    • kenshui-zu02内科臨床を基本とした、腎臓専門医療・救急患者の積極的な受け入れ
    • 内科認定医取得の義務
    • 救急外来での教育体制の確立
    • 予約外診療制度による外来診察の教育

高度医療としての腎臓内科

    • 高度先進臨床医療センターとしての臨床医養成
    • 腎臓病総合医療センターとしての総合診療

 

充実した教育

    • 大学内、出張病院ともに充実した研修
    • 充実した指導医(8年目以上の専門医)
    • kenshui-p02出張病院は全て教育研修指定病院
    • すべて内科・腎臓:透析研修指定病院(専門医取得が可能)
    • 関連病院腎臓内科部長はすべてOB・OG

 

医師としての基本姿勢

    • 患者さんに愛情をもって誠実に接することができること
    • 患者さんに対し質の高い医療を提供しようとする心構えをもつこと
    • 社会人としての重さを自覚すること
    • チーム(医師・コメディカル)の一員であり、チームワークを大切にすること

研修内容  

kenshui-p03昨今、慢性腎臓病は心腎脳連関といわれ、循環器系の大切な臓器としての位置づけがあります。また、水・電解質調節は腎臓の大切な働きであり、補液管理は大切な研修内容の一つです。腎疾患は膠原病・血管炎あるいは糖尿病・高尿酸血症などの代謝疾患とも深く関わっております。このように腎臓内科は全身管理を必要としますが、一方で透析療法という技能をも身に着けられます。透析患者さんの合併症もさまざまであり、多岐にわたる疾患を診察できる機会があります。十分な症例を経験し腎臓専門医・透析専門医の資格を得ます。

研修ポイント

    • 医師と患者の良好な信頼関係
    • 問診- 各疾患のポイントの把握
    • 診察方法- 系統的な診察など
    • カルテ記載- POSにて記載する
    • 検査計画、治療方針の決定の手順
    • 心理的社会的背景を含め深く考察する
    • 薬剤の処方- 経口薬、注射薬、麻薬処方
    • 教授回診、病棟回診でのプレゼンテーション
    • 腎病理組織の見方

kenshui-p04基本的な手技

    • 清潔、不潔の概念、消毒
    • 採血(静脈血、動脈血)
    • 尿検査、尿沈渣、末梢ライン確保、中心静脈ライン確保
    • 救急蘇生法
    • 腎生検
    • 血液透析の透析回路の組み立て、血液透析穿刺、透析の施行
    • 特殊透析の施行(血漿交換、吸看療法、急性血液浄化)
    • 心電図、胸部レントゲン、腹部レントゲン
    • 24時間血圧計、PVW,  IMT
    • 腹部超音波、心臓超音波 

入院要約(サマリー記載:班長・病棟医長のチェック)
レセプト記載
当直は指導医の完全な指導(上級研修は除く)のもとでの研修
研究会、国内学会(腎臓学会、透析医学会、内科学会等)、国際学会等での発表
論文発表

専門医研修カリキュラム  

大学でのカリキュラム

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治療の一貫性、標準化、正確性を図るため腎臓内科臨床マニュアル、クリニカルパスに基づき診療しています。 班回診を週2~3回(1回2時間程度)行い患者の把握、指導医による臨床指導、および腎臓臨床医としての基本知識の習得をはかっています。 看護師とのケアカンファレンスで全人的な問題点を抽出し解決をはかっています。 また初期研修医の指導を行うことで理解を深めます。 学会発表、教授回診、温度板回診、医局会でプレゼンテーションの仕方を学びます。 論文の書き方、臨床研究のすすめ方を学びます。

 

指導医メンバー

教授・講座主任 新田 孝作
教授(血液浄化療法科) 土谷 健
教授(学生健康管理センター) 内田 啓子
特任教授(多発性嚢胞腎病態研究部門) 望月 俊雄
講師 出向中 板橋 美津世
准教授 医局長 森山 能仁
特任講師(多発性嚢胞腎病態研究部門) 片岡 浩史
准講師 外来医長 井野 文美
助教 病棟長 佐藤 尚代
助教 班長 唐澤 一徳
助教 班長 西田 美貴
助教 班長 岩渕 裕子
助教 班長 若山 慈恵
助教 桃木 久美子

 

週間予定表

  午 前 午 後
8:20~9:00 温度板回診 (班回診は適時)
9:00~12:00 教授回診

14:00 臨床病理カンファ、16:00 医局会(抄読会・症例検討会・研究カンファ・病理検討会など)

8:20~9:00 温度板回診
0:00~11:00 透析室カンファ

 

関連病院と指導責任者 

病院名
所在地 指導責任者
病床数
公社大久保病院 東京都新宿区 若井 幸子 304
都立駒込病院 東京都文京区 太田 哲人 801
横浜労災病院 横浜市港北区 波多野 道康 650
亀田総合病院 千葉県鴨川市 望月 隆弘 858
済生会川口総合病院 埼玉県川口市 窪田 研二 354
済生会栗橋病院 埼玉県北葛飾郡 杉浦 秀和 250
東京労災病院 東京都大田区 内藤 隆 350
竹田総合病院 福島県会津若松市 鈴木 浩一 1097
戸田中央総合病院 埼玉県戸田市 井野 純 442
日高病院 群馬県高崎市 筒井 貴朗 225
東京女子医大東医療センター 東京都荒川区 小川 哲也 486
東京女子医大八千代医療センター 千葉県八千代市 小池 美菜子 355

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臨床研究および基礎研究

    • 腎炎・ネフローゼ症候群の発症に関与する分子研究
    • 難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ治療
    • IgA腎症の臨床病理学的研究
    • 難治性血管炎に対するMMF治療と評価法
    • ループス腎炎の臨床病理学的研究(リウマチ内科との共同カンファレンスあり)
    • ループス腎炎に対する免疫寛容の研究
    • 多発性嚢胞腎に関与する遺伝子産物の研究
    • 多発性嚢胞腎に対する臨床研究
    • 高血圧、動脈硬化と腎障害に関する研究
    • 腎線維化の分子研究
    • 透析療法に伴う合併症に関する研究
    • 腎移植後の臨床病理学的研究(泌尿器科との共同)
    • 腹膜細胞シートの作成(TWINS:東京女子医科大・早稲田大連携先端生命医科学研究施設)
    • CKD-MBDの分子研究(klotho遺伝子)及び臨床研究

臨床・基礎大学院制度

上級研修では、大学院に進むことも可能です。研究を優先的におこないます。
当科の垣根を取り払いTWINS(早稲田大学との共同研究施設、現在2名)、総合研究所での研究、あるいは国内留学(現在筑波大学1名、自治医科大学2名)、海外留学も可能です。

研修の魅力と修了後の進路  

kenshui-p06大学臨床病院、高度先進臨床病院として中核病院からの患者受け入れが多く症例が豊富であり、病診連携にも積極的で、地域病院としての役割も担っております。臨床、研究共に多くの専門医師のもとで研修ができ、このことからも幅の広い臨床能力の高い専門医になれることが期待できます。

当科がかかわる研究会は17研究会/年(世話人および事務局)と多く、また近隣の国立大、研究所との研究のタイアップもあり、多くを学べる環境にあります。 腎臓病総合医療センターであり志をともにできる仲間が多くおり、学閥がないため自由な雰囲気です。 大学病院であるため専門医(内科、腎臓、透析)、学位の両方の取得が可能であることも魅力かもしれません。

医療練士期間終了後の選択肢は豊富です。
修了後は大学助教、関連病院への就職、OB・OGの病院勤務、開業、国内留学、海外留学など。また同窓会員数が多く、大学を離れたあとも交流(年一回の同窓会あり)する機会が多くあります。

応募資格と研修  

2年間の初期臨床研修修了が見込まれる者、あるいは研修修了者で2年以上の臨床経験を有する者。腎臓内科以外の研修を受けた方も積極的に受け入れています。 

随時見学可能  

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見学・ご相談は随時受け付けております。年間を通じ、医師ならびに医学部在籍者の数日間の病棟実習を積極的に受け入れております。

随時入局説明会を開催しています。詳細については下記までご連絡ください。

お問い合せ先

    • 〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
    • 東京女子医科大学腎臓内科 医局長 森山 能仁
    • 電話:03-3353-8111 (専用PHS 28672, 腎内科医局 33331-3)
      FAX:03-3356-0293
    • E-mail:takamori@twmu.ac.jp

入局説明会  

 腎臓内科では、下記の要領で、医療錬士研修生の入局説明会を行います。
学内外問わず入局希望の方を広く募集致します。当科では内科および腎臓の専門臨床医を育成することを目標とし、患者中心の高度な医療を行うために新たな治療法の発見と確立、さらには、臨床および基礎の研究を医療の基本と考えています。
 我々と一緒に医療をやりませんか?是非お待ちしています。

医局長 森山能仁

場所

    • 東京女子医科大学 第一病棟3階 第3会議室 (第1回)
    • 東京女子医科大学 第一病棟3階 第5会議室 (第2、3回)
 

日程

    • 第1回:7月12日(水) 18:00- (終了後第四内科納涼会あり)
    • 第2回:8月12日(土) 13:30-
    • 第3回:9月9日(土) 13:30-
 

お問い合せ先

    • 〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
    • 東京女子医科大学腎臓内科 医局長 森山 能仁
    • 電話:03-3353-8111 (専用PHS 28672, 腎内科医局 33331-3)
      FAX:03-3356-0293
    • E-mail:takamori@twmu.ac.jp

 

応募書類  

必要書類は以下の8点です。

(1) 履歴書・身上書(写真のり付)(本学所定用紙) 2通

(2) 写真(無帽上半身・カラー光沢3×4cm) 1葉

(3) 卒業証明書 1通

(4) 成績証明書 1通

(5) 医師免許証・歯科医師免許証写し 2通

(6) 健康診断書(本学所定用紙) 1通

(7) 戸籍謄本(採用決定後提出) 1通

(8) 初期研修修了証明書又は修了見込証明書 1通

平成30年度入局試験に関して  

新内科専門医制度の導入に伴い、今後東京女子医科大学病院卒後研修センターでの試験になる予定ですので、適宜卒後研修センターのホームページ(http://www.twmu.ac.jp/info-twmu/medical-t/index.html)をご確認ください。