扁桃腺摘出術+ステロイドパルス療法

適応は ?  

IgA腎症に対して行われます。 腎機能が正常で、血尿・蛋白尿が多く、腎生検で活動性病変の多い場合、さらに長期に渡り腎機能保持する必要のある若年者、などがよい適応になります。

また、現時点で軽症(尿検査所見が軽微)でも、特に若年者は長期(数十年)にわたって炎症がくすぶり持続する可能性があり、積極的な適応になります。一方、すでに進行して腎機能が低下している場合でも、腎炎の活動性が推察される場合や患者さんが希望される場合にも行います。

どんな意義があるの ?  

腎臓が悪いのに、なぜ離れたところにある扁桃腺を摘出するのか疑問に思われる方もいると思います。扁桃腺を含む口腔内感染によって、IgA腎症を起こす異常なIgAが産生されると考えられており、その原因を除去するために行います。

また、ステロイドパルス療法はすでに血中に存在する異常IgAや腎臓に沈着しているIgAを抑えるとともに、糸球体で起きている炎症も抑制する効果があります。

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治療期間・方法は ?  

約半年の間に、扁桃腺摘出術と合計3回のステロイドパルス療法を組み合わせて行います。

治 療 詳 細
扁桃腺摘出術 耳鼻科に入院して行います。 パルス療法を先に行い、扁桃腺摘出術を2回目あるいは3回目のステロイドパルス療法に合わせて2~6か月後に施行することもできます。
ステロイドパルス療法 大量のステロイド薬(メチルプレドニゾロン500~1000mg)を1回2~3時間、3日間、点滴します。
耳鼻科の扁桃腺摘出後は一度退院し外来にて問題ないのを確認の上、再入院して行います。
ステロイド内服治療 退院後はプレドニゾロン5mg錠を4~6錠(20-30mg)を1日おきに半年間内服します。
ステロイドパルス療法
(2回)
その半年の間にさらに2回パルス療法を入院して行います。
ステロイド減量・中止 3回目のパルス療法終了後、4錠のプレドニンの隔日投与から再開し、1週間おきに1錠ごと減量し、1か月後にはステロイド治療は終了します。

 

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入院期間、費用などに関しては、こちら(扁摘パルス入院)。

合併症・副作用は ?

  1.  扁桃腺摘出術では、全身麻酔のリスク、出血、疼痛などの合併症がありますが、ほとんど問題になることはありません。

  2. ステロイドの副作用はステロイド治療の項を参考にしてください。副作用を予防するために、胃薬、骨粗鬆症予防薬などを内服します。ただ他の病気に対するステロイド治療と比較すると、1日平均投薬量ならびに総投与量は少ないので、重篤な副作用はほとんど認められません。