急性糸球体腎炎

急性上気道炎を中心とする感染(主にA群β溶連菌)の後に、10日前後の潜伏期間を経て血尿・蛋白尿、尿量減少、むくみ(浮腫)、高血圧で発症する一過性の急性腎炎症候群です。

小児~若年者に多い疾患ですが、成人にもみられます。

症状は ?

顔面・眼瞼・下腿の浮腫、肉眼的血尿、乏尿、一過性の高血圧などが主な症状です。

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検査所見は ?

尿検査では、強い血尿と蛋白尿を認め、時に急性腎不全を呈するほどの腎機能障害を認めることもあります。免疫物質の一種である、補体(CH50,C3,C4)の低下が特徴です。

また、原因となる溶連菌の感染を示すAnti-Streptolysin O(ASO)、Anti-streptokinase(ASK)などの抗体価の上昇を認めます。

診断は ?

 上記症状、検査所見が認められれば、診断は容易です。確定診断と病勢把握のために、腎生検を施行することもあります。

腎生検では、糸球体は大きくなり、血管の中に炎症細胞が増えます(管内増殖性糸球体腎炎)(図1)。
血管の壁に沿って補体成分(C3)の沈着を認めます(図2、免疫染色)。
電子顕微鏡では糸球体の血管の壁に瘤状の沈着物(hump)を認めます(図3)。

図1 kyusei-shikyutai-01 矢印:管内増殖性変化
(ほとんどすべての血管腔内に細胞増殖を認める)
図2 kyusei-shikyutai-02 補体成分C3の糸球体への沈着
(緑色に光っている部位)
図3 kyusei-shikyutai-03 黒矢印:上皮下沈着物(hump)
赤矢印:管内増殖性変化

鑑別診断は ?

感染後に発症するので、急性発症した場合のIgA腎症との鑑別診断に迷うことがあります。また、その他の腎炎(膜性増殖性糸球体腎炎、ループス腎炎)でも急性糸球体腎炎と同様の腎生検所見(管内増殖性糸球体腎炎)を呈することがあり、臨床経過と併せた鑑別が必要です。

予後は ?

感染の軽快とともに尿所見、腎機能も回復することが多く、比較的予後はよい疾患ですが、時に尿所見異常が遷延し、腎機能障害が残ることもあります。

治療は ?

感染後の腎炎なので、感染の治療が中心になります。
尿量減少、むくみ(浮腫)、高血圧を認める場合には、安静、塩分・水分制限、利尿薬・降圧薬の投与を行うため、入院治療が必要です。