身体障害者手帳

腎臓機能障害(1級、3級、4級)

我が国では、身体にどんな障害があってもその人が健康な人と同じく、社会に中で安心して生活できるよう、その権利が保障されており、そのため「身体障害者福祉法」という法律が定められています。

身体障害者福祉法では身体の状態が法の定める状態になった場合、手続きをすると身体障害者手帳が取得できます。慢性腎不全の患者さんも条件を満たせば、腎臓機能障害者として身体障害者手帳が取得できます。身体障害者手帳には等級があります。腎臓機能障害者は1級・3級・4級に認定されます。

腎臓機能障害の等級の目安は、血清クレアチニン濃度が、4級で3.0mg/dl~5.0mg/dl未満、3級は5.0mg/dl~8.0mg/dl未満、1級は8.0mg/dl以上となっています。

慢性腎不全透析導入基準 (1991年厚生科学研究班)

A. 臨床症状
  • 体液貯留(全身性浮腫、高度の低蛋白血症、肺水腫)
  • 体液異常(管理不能の電解質、酸塩基平衡異常)
  • 消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、下痢など)
  • 循環器症状(重篤な高血圧、心不全、心包炎) 
  • 神経症状(中枢・末梢神経障害、精神障害) 
  • 血液異常(高度の貧血症状、出血傾向)
  • 視力障害(尿毒性網膜症、糖尿病網膜症) 

これら1~7小項目のうち
 ●3個以上:高度(30点)
 ●2個:中等度(20点)
 ●1個:軽度(10点)

B.腎機能 血清クレアチニン(mg/dL)  (Ccr)

8以上(10mL/分未満) 30点
5〜8未満(10〜20mL/分未満) 20点
3〜5未満(20〜30mL/分未満) 10点

C.日常生活障害度

尿毒症症状のため起床できない 高度(30点)
日常生活が著しく制限される 中等度(20点)
通勤、通学あるいは家庭内労働が困難 軽度(10点)

A(臨床症状)+B(腎機能)+C(日常生活)  60点を透析導入とする

10点を加算:年少者(10歳未満)、高齢者(65歳以上)、全身性血管合併症のあるもの


手続き

  1. 申請書類と身体障害者診断書意見書を取り寄せる
    (区市町村福祉事務所の障害福祉担当課)
  2. 申請書は本人、診断書意見書は医師(身体障障害者指定医)が記入
  3. 申請書、診断書意見書、写真、印鑑を区市町村福祉事務所の障害福祉担当課窓口に提出
  4. 都道府県の判定を受け身体障害者手帳が交付(1-2か月後)

対応

身体障害者手帳が交付されると、おおむね以下のような対応が行われます。
(等級や各都道府県自治体により異なります。)

  1. 障害者医療費助成制度
    (自己負担の一時立替払いの制度です。3級以上の方。所得制限あります。)
  2. 所得税・住民税の控除
  3. バス・地下鉄の半額割引き、タクシーの1割引き、 本人所有の自動車税の減免、高速道路半額割引き、駐車禁止除外の交付
  4. 自立支援医療(更生医療)の給付(所得により制限あり)

腹膜透析の患者さんは、身体障害者日常生活用品支給制度から透析加温器の給付も受けられます
(ただし、所得税により自己負担があります)。

※詳しいことは社会支援部ソーシャルワーカーか 各市町村障害福祉の担当までご相談ください。
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