アミロイド腎症

アミロイドーシスは、アミロイド蛋白と呼ばれる線維がさまざまな器官や臓器に沈着して、障害を起こします。アミロイド蛋白が全身に沈着する疾患で以下に分類されます。

1. 全身性アミロイドーシス(免疫グロブリン性アミロイドーシス(AL型))

アミロイドが免疫グロブリンのL鎖からなるものです。

2. 反応性AAアミロイドーシス(AA型)

何らかの基礎疾患に続発して発症するものです。基礎疾患としては慢性関節リウマチなどが代表的です。

アミロイド腎症は、いずれの原因によりアミロイドが腎臓の糸球体や尿細管・間質に沈着した病態をいい、腎機能を低下させる原因となります。特に、糸球体への沈着によりネフローゼ症候群を起こした場合は、予後が不良です。


症状は ?

アミロイドが沈着する場所により、症状は異なります。 一般的な症状としては、全身衰弱、体重減少、貧血、浮腫などがあります。 腎臓、特に糸球体に沈着した場合は、高度のネフローゼ症候群を呈することが多く、浮腫が認められます。


検査は ?

症状や一般的な検査において、アミロイドーシスが疑われた場合は、上部消化管(胃・十二指腸)あるいは直腸の生検を行い、組織検査をします。蛋白尿(多くはネフローゼ症候群を呈し、血尿は少ない)を認める場合は、アミロイド腎症を疑い、腎生検を行います。腎機能もすでに低下していることもあります。


診断は ?

腎生検では、糸球体や尿細管・間質に構造物のない結節性の病変を認めます。コンゴーレッド染色という特殊な染色を行い、陽性であればアミロイドーシスと診断されます。


治療・予後は ?

現時点では、根治治療はなく、対症療法が主体です。 アミロイド腎症の場合は、ネフローゼ症候群だけでなく、腎機能も低下し、透析が必要になり、腎予後は極めて不良です。また生命予後も不良といわれていますが、早期発見により、反応性AAアミロイドーシスなどの続発性アミロイドーシスでは、基礎疾患の治療により改善を期待できるともいわれています。