理事長・学長メッセージ
理事長メッセージ
理事長:清水 治
SHIMIZU Osamu
新生東京女子医科大学として
一層の社会貢献を目指してまいります
東京女子医科大学は、創立者である吉岡彌生先生によって明治期に設立された東京女醫學校以来、長い伝統を有しています。建学の精神は、「医学の蘊奥を究め」るとともに「人格を陶冶して社会に貢献する」女性医療人を育成することにあります。これまでに多くの優れた女性医療人、自立した女性社会人を輩出してきました。
医学は留まることなく目覚ましい進歩を続けていますが、本学ではその時代に応じた高水準の教育、研究、診療を通じて、高い知識・技能を習得し、高潔な人格を備えた医療人を育成するため、基盤となる理念として「至誠と愛」を常に重んじています。大学で学び、働く者は、病者の悩みや不安に接して、きわめて誠実であって(至誠)、慈しみの心(愛)をもって病者を癒すことを原点に研鑽を続けています。
本学は、2024年には不祥事を深く反省して、理事会、評議員会を一新し、ガバナンス体制、コンプライアンス体制を抜本的に再構築しました。教職員一丸となり、新生東京女子医科大学として、優れた教育研究成果の社会への還元、先端的な医療の提供により一層の社会貢献を行うことを目指して、全力で努めてまいります。
学長メッセージ
学長:三谷昌平
MITANI Shohei
教育環境を整備し、
優秀な医師・看護師の育成を目指します
現在の東京女子医科大学は、昨年春の警視庁による大規模な捜査や元理事長の逮捕・起訴などの一連の報道によって社会の信頼を失っており、大変苦しい状況にあると思います。学内の教職員や学生さんをはじめとして関係者の皆さんがご苦労されていることに心が痛みます。一方で、構成員である者は他人事ではなく、ここまで事態が悪化したことについて謙虚に反省を行い、今後、医科大学としての使命に邁進することで社会からの信頼を取り戻す努力を行う必要があります。
本来、医科大学は教育機関としては医師・看護師などの優秀な医療従事者を育成することで社会に貢献することが重要な役割の一つです。また、大きな附属病院を擁しているがゆえに、高度先進医療を担うことで国の医療レベルの向上に貢献し重症の患者さんの命を守ること、医学研究を推進することで未来に向けて国民の健康を守るなどの活動を期待されているはずです。
私は、令和5年度末まで東京女子医科大学医学部の教授として勤務しました。今回、学長として東京女子医科大学に戻ってきました。今までは自身の研究に加えて、医学部の教育にも深く関わることができました。例えば、本学の医学部カリキュラムであるMDプログラム2011の作成や運用に関わりました。学外では、全国の医学部・歯学部が共同で運営している医療系大学間共用試験実施評価機構での委員を担当してきました。日本の医師免許の取得では、公的試験(共用試験)に合格すれば医学生が臨床実習中に指導医の下で医行為を行うことが可能となり、これが医師免許取得の前提条件になる制度が導入されています。制度の整備に関わることで、医師養成の仕組みを深く学ぶことができました。東京女子医科大学に戻ってまいりましたので、本学で学ぶ人たちが良い教育やトレーニングを受けることができる環境を整備してまいりたいと思います。皆様のご理解と改善へのアドバイスをお願い申し上げます。