年報2009

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2009年にはNICUの増床工事を行い、NICU内は大きく変化しました。工事は2009年の3~5月に行われたので、工事期間中はNICUの入院数を制限しましたが、工事終了後にはNICUが12~15床に増床されました。増床工事と言っても、床面積は同じなので、結果的には機器を保管する場所がNICU内に無くなり、東館3階にNICUの機器倉庫を新設しました。NICUから距離があり、使い勝手は良くないが、限られたスペースを考えると仕方ないところです。一方NICU内では3床の増床に対してペンダント型の専用のモニタ台を設置し、少し近代的なNICUとなりました。

次に、NICUの入院統計を下記表にて示しています。入院総数は前年と比べて重症児数が増加しました。工事による入院制限以上に増床した効果が表れたものと考えられます。出生体重1500g未満の児の死亡退院数も60名中2名で、本年も全国トップクラスの成績でした。

NICU入院児の多くは院内出生児ですが、本年は院外からの入院例は43名と増加しました。これはNICUの増床効果で病床確保がより可能となったためと思われます。

新生児部門では、母子同室児の管理も実施しており、NICU入院児以外にも約450名の新生児の出生後の管理を行いました。母子総合医療センターとしての総出生数は近年増える傾向にあり、2009年は812名となりました。当然母子同室児も増える見込みです。

新生児部門の研究テーマとしては、心臓超音波検査による晩期循環不全時の新生児心機能解析、早産児の副腎皮質機能、早産児のビフィズス菌投与を含めた栄養方法の確立、早産児のNa代謝と生活習慣病の因果関係解析、慢性肺疾患動物モデルでの基礎実験等があり、同時進行形式で実施されています。スタッフとしては、楠田 聡、内山 温、中西秀彦、青柳裕之、鷲尾洋介、戸津五月、増本健一が診療を担当しました。また、八千代医療センター近藤 乾先生、東医療センターの長谷川久弥先生、帝京大学の星 順先生、自治医大の高橋尚人先生、愛育病院の加部一彦先生、聖母病院の猪野雅孝先生と連携し、NICUを運営しています。

NICU入院数(2009年4月1日~2010年3月31日)
出生体重 院 内 (母体搬送) 院 外 呼吸管理 死亡退院
-499g 3 3 0 3 1
500-999g 21 13 0 20 1
1000-1499g 35 17 1 22 0
1500-1999g 39 15 2 6 1
2000-2499g 64 23 11 12 0
2500g- 100 8 29 14 1