年報2008

2015 | 2014 | 2013 | 201220112010200920082007

2008年3月には、仁志田博司所長・教授が定年退職されました。母子総合医療センターの開設時に北里大学から本学に移られ、母子総合医療センターの発展に多大な貢献をされた方が去ることになり、残ったスタッフにとって大きな試練となりました。
3月には盛大な退職記念パーティーを実施し、多くの皆様の列席と援助を頂きました。改めてお礼申しあげます。なお、仁志田先生は4月から半年間、世界一周のクルーズを体験され、長年続いた忙しい日々の疲れを取ることができたと思います。もちろん退職後も母子総合医療センターの運営には、多くのアドバイスを頂くことになります。

次に、NICUの入院統計を表に示します。入院総数は前年と大きく変化していませんが、極低出生体重児の入院総数は53名と増加傾向にあります。さらに、本年は2例の出生体重500g未満の児が入院しました。特にうち1例は出生体重が325gと母子総合医療センターの歴史上最低の出生体重でした。500g未満の児はどちらもintact survivalとなり、我々スタッフにとって喜ばしい結果となりました。出生体重1500g未満の児の死亡退院数も53名中2名で、全国的にも優秀な結果となっています。

NICU入院児の多くは院内出生児であり、院外からの入院例は26例にとどまっています。これはNICUが常時満床状態で運営されているため、院外出生児の入院依頼を受け入れることが困難なためです。

新生児部門では、母子同室児の管理も実施しており、NICU入院児以外にも約450名の新生児の出生後の管理を行っています。母子総合医療センターの総出生数は近年増える傾向にあり、2008年は782例となりました。今後さらに母子同室児も増える見込みです。

新生児部門の研究テーマとしては、心臓超音波検査による新生児心機能解析、早産児の副腎皮質機能、早産児の栄養方法の確立、早産児のNa代謝と生活習慣病の因果関係解析、新生児神経疾患の画像解析、新生児中枢神経機能の解析等があり、同時進行形式で実施されています。
スタッフとしては、仁志田博司、楠田 聡、内山 温、佐久間 泉、山﨑千佳、小保内俊雅、中西秀彦、青柳裕之、添野愛基、鷲尾洋介が診療を担当した。また続けて、八千代医療センター近藤 乾先生、東医療センターの大石昌也先生、帝京大学の星 順先生、自治医大の高橋尚人先生、愛育病院の加部一彦先生、聖母病院の猪野雅孝先生と連携し、NICUを運営しています。

NICU入院数
出生体重 院 内 (母体搬送) 院 外 呼吸管理 死亡退院
-499g 2 1 0 2 0
500-999g 22 19 0 19 2
1000-1499g 29 11 1 18 0
1500-1999g 64 24 0 10 2
2000-2499g 70 17 4 11 2
2500g- 129 9 21 14 2