脊椎内視鏡手術

03-3353-8111(大代表)
東京女子医科大学 東京女子医科大学病院

脊椎内視鏡手術について

脊椎の病気とは

腰や脚の痛み・しびれは、歩行や日常生活動作を障害し、さらに精神的苦痛を伴い、生活の質を著しく低下させます。満足に歩けない、買い物やお出かけに行けない、仕事やスポーツに打ち込めないなど、その人にしか分からないつらさがあります。 脊椎は、頚椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個あり、それぞれが椎間板でつながって、列車のように動きます。脊椎の中には「脊柱管」と呼ばれるトンネルがあり、脊髄神経を大切に守っています。ところが、椎間板が脊柱管内にはみ出したり、加齢による変化で脊椎をつなげている靱帯が肥厚したり、脊椎の骨が前後にずれたりすると、脊髄神経を圧迫して、手足がしびれたり痛んだりします。

椎間板ヘルニア(頚椎・腰椎)

突出した椎間板が神経を圧迫して痛みやしびれをおこす。安静時も痛い。

椎間板ヘルニア(頚椎・腰椎)

図1椎間板が後ろに飛び出して、神経を圧迫している

腰部脊柱管狭窄症

椎間板ヘルニア、椎体のずれ、靱帯の肥厚などで脊柱管が狭くなり、神経を圧迫することで脚に痛みやしびれをおこす。座っていると痛くないが、立ってしばらくすると痛くなるなどが典型的な症状。

治療法について

まず、薬やリハビリテーションなどの保存療法を行います。しかし、十分な保存療法を行っても改善が得られない場合には、手術が検討されます。
手術には、背中や脇腹を切開して脊椎を直接触れながら操作を行うオープンの手術と、内視鏡下で操作を行う内視鏡手術の2種類があります。それぞれ適応となる病状が異なり、両方とも必要な手術です。

オープンの手術 内視鏡手術
長所 •病変部を確実に治療
•腰曲がりなど変形を矯正できる
•ずれた骨を固定できる
•身体への負担が少ない
•入院が短い
短所 •身体への負担が大きい •変形の矯正ができない
•病変部が多いと時間がかかる
•特殊な技術を要する
適応となる疾患 •脊椎の変形(側弯、腰曲がり、姿勢異常)
•強い腰痛や脊椎のズレを伴う脊柱管狭窄症
•多椎間病変
•圧迫骨折後の変形
•頚部脊髄の広範囲圧迫
•椎間板ヘルニア(くび、こし)
•腰部脊柱管狭窄症(下肢症状が主)

当院では、オープン手術は、「Oアームナビゲーション」と呼ばれるコンピュータナビゲーション装置を使いながら、安全で確実な手術を行っています。
詳しくはこちらをご覧ください。
脊椎内視鏡手術は、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に対して、従来法よりも患者さんへの身体的負担が低減されました。そのため、心臓病等患者さんの併存症が理由で全身麻酔が制限され、従来のオープン手術が困難と判断されていた患者さんにも、対応できる可能性があります。病状によっては、より負担の少ない局所麻酔下に行うことも可能です。

脊椎内視鏡手術について

内視鏡下手術手技は進歩しており、正確で安全な手術操作が可能になりました。一方、神経という非常にデリケートな組織を扱う手術ゆえ、その施行には専門的な技量が要求されます。日本整形外科学会では、脊椎内視鏡下手術技術認定制度があり、当院には技術認定医が在籍しています。
吉兼医師は脊椎内視鏡下手術技術認定医であり、これまでに約3000例の脊椎内視鏡下手術を行ってきました。MED,MELという第一世代の内視鏡下手術を1000例、さらに侵襲の少なくなったFESSという第二世代の内視鏡下手術を2300例行ってきました。FESSでは図1に示すような8mm径の内視鏡を1本使用し、手術部位を大きなモニターに映し出して行います。

脊椎内視鏡手術について

手術療法:約1cmの皮膚切開1か所から内視鏡を挿入し、局所麻酔あるいは全身麻酔でFESSによるヘルニア切除術を行っています。椎間板ヘルニア摘出術では、手術後3時間で歩行再開可能です。

頚椎疾患でも頚椎症性神経根症や頚椎椎間板ヘルニアではFESSによる神経除圧術が適応され、手術当日から起き上がり、歩行が可能です。

脊椎内視鏡手術について

左手に直径8ミリの内視鏡、右手には内視鏡の中に入る細い手術道具をもって、患者さんの腰の中を操作しています。椎間板ヘルニアの摘出や、狭くなった脊柱管を広げる手術ができます。出血はほとんどありません。

脊椎内視鏡手術についての相談

専門医が患者さんの病状をよく診察し、脊椎内視鏡手術が適応になるか判断します。病状によっては、オープン手術や手術以外の方法が相応しいこともあります。その際には、適切な治療を紹介します。手術の利点とリスクについて、よく説明し、お互いに納得して手術を計画していきます。まだ迷っておられる方の相談も承ります。

ご紹介・お問い合わせ
電話:03-3353-8112(内線37552)
e-mail: twmu.mis.spine@gmail.com

専門医の紹介

吉兼浩一(よしかねこういち)

吉兼浩一(よしかねこういち)

1993年 九州大学医学部卒 九州大学整形外科入局

2004年 北九州市立医療センター整形外科

日本整形外科学会専門医
脊椎脊髄外科指導医
脊椎内視鏡下手術・技術認定医(2種・後方手技)
脊椎内視鏡下手術・技術認定医(3種・経皮的内視鏡下脊椎手技)
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医

執刀症例数:脊椎内視鏡手術 3000例以上

論文

1)Yoshikane K, Kikuchi K, Okazaki K. Lumbar endoscopic unilateral laminotomy for bilateral decompression for lumbar spinal stenosis provides comparable clinical outcomes in patients with and without degenerative spondylolisthesis World Neurosurg. 2021 Mar 12:S1878-8750(21)00386-7.

2)Yoshikane K, Kikuchi K, Okazaki K. Posterolateral Transforaminal Full-Endoscopic Lumbar Discectomy for Foraminal or Extraforaminal Lumbar Disc Herniations. World Neurosurg. 2021 Feb;146:e1278-e1286.

3)Yoshikane K, Kikuchi K, Izumi T, Okazaki K. Full-Endoscopic Lumbar Discectomy for Recurrent Lumbar Disc Herniation: A Retrospective Study with Patient-Reported Outcome Measures. Spine Surg Rel Res November 20, 2020