お知らせ

2025年05月14日 モバイルスマート治療室 関西万博への派遣を実施

 モバイルスマート治療室のデモンストレーションをMedtec Japan2025にて実施しました。また、大阪・関西万博にも車両を派遣し、実戦的な医療支援を行いました。

 本学先端生命医科学研究所先端工学外科は株式会社NTTドコモと共同で第5世代移動通信システム(以下、5G)を活用した遠隔手術支援ソリューションとして、外科的治療が可能な移動型車両「モバイルスマート治療室」を開発しています。この車両は病院が患者のもとに向かうという新しいコンセプトを掲げ、平時は過疎地域を巡回して地域医療格差を解消し、災害などの有事には迅速に被災地に駆けつけて救急処置を行うことを目的としています。

 今回、Medtec Japan2025では上記コンセプトの訴求を目指し、災害を想定した患者治療のデモンストレーションを実施しました。救護用エアーテント内に収容された患者の急変を客観的に可視化するシステムを用い、迅速に車両内での治療にシフトするデモンストレーションを行いました。人員確保が困難な被災地を想定し器械出しはロボットにて実施しました。

MedtecJapan2025:東京ビッグサイト東2ホールにて


 また大阪・関西万博では、開会式当日の賓客対策医療チームとして、一般社団法人日本外科学会より本学足立医療センター救急医療科が車両の派遣要請を受け、現地でTSAT(Trauma Surgical Assistant Team)チームとして活動しました。Medtecから万博への通しのテーマは「実戦対応」でした。全身麻酔での開胸手術・開腹手術を想定し、治療に必要な手術デバイスや生体情報モニタ、麻酔器、人工呼吸器、画像診断装置、薬剤、衛生材料等を準備し、万全の状態で臨みました。さらに、車両内の様子や医療機器の映像は5Gを介してリアルタイムかつ高セキュアで遠隔地の医師に伝送する「モバイル戦略デスク」も活用され、医療チーム間の連携強化に大きく貢献しました。

大阪・関西万博:EXPOホール「シャインハット」周辺にて

 モバイルスマート治療室には、救急治療のための医療設備・機器や通信装置が装備されており、車両内の様子や各医療機器からの映像を5Gおよびクラウドサービス(docomo MEC (TM)、MECダイレクト (TM))を介してリアルタイムかつ高セキュアに遠隔地の医師へ伝送することが可能です。

*「docomo MEC」と「MECダイレクト」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。

協力パートナー:
<Medtec Japan2025>
株式会社NTTドコモ、フクダ電子株式会社、ミズホ株式会社、白十字株式会社、ニプロ株式会社、株式会社セントラルユニ、全農畜産サービス株式会社、株式会社CROSS SYNC、エルピクセル株式会社、アキレス株式会社、THK株式会社
<大阪・関西万博>
株式会社NTTドコモ、フクダ電子株式会社、ミズホ株式会社、白十字株式会社、ニプロ株式会社、株式会社セントラルユニ
 
関連サイト:
・モバイルスマート治療室のドコモ紹介ページ
https://www.docomo.ne.jp/corporate/anatatodocomo/changesociety/01/

2025年05月08日 東京女子医科大学看護学会第21回学術集会のご案内

このたび東京女子医科大学看護学会第21回学術集会を「対話で拓く 現代のリアルなケアの価値」をテーマに開催いたします。戦争、経済格差、貧困、災害等の社会的課題は思ったよりも身近であり、急速な少子高齢化による人手不足や生成AIの普及等によって社会が大きく変化するであろうことを日々感じています。それとともにヘルスケアの課題も複雑化し、今や専門職だけではなく、その問題を抱える当事者やさまざまな立場にいる人々と共に、対話によって新たな知恵を生み出して社会的課題や社会変化を乗り越えていかなければならないように思います。
 
「利他・ケア・傷の倫理学」の著者である哲学者の近内悠太さんから教育講演「哲学から見たケアの意義について」をご講演いただき、広く深くケアについての理解を深めたいと思います。また特別講演では、OliHime(オリヒメ)というロボットを介して、病気や障害をもっても社会とつながる活動をしているOliHimeパイロットの方にご登壇いただきます。交流集会では、参加者全員で「ケアが光る魅力ある職場づくり」を考える試みをし、シンポジウムではシンポジストの方々の実践にもとづく「対話」から、ケアの場を広げる可能性について考えたいと思います。
 
午前中の講演は一般市民の皆様にも公開いたします。新しい時代の中でどのようなケアが必要とされているのかを考え、これまでの形にとらわれない柔軟なケアやケアの場を創ることにつながると思っています。皆様のご参加と演題の登録(ポスター)を心よりお待ちしております。学会プログラム演題登録申し込み方法の詳細は、学術集会ホームページをご覧ください。 

【開催概要】
 ・日程:2025年10月4日(土)9時~17時
 ・会場:東京女子医科大学 弥生記念講堂
 
【プログラム】
プログラム(演者・シンポジスト敬称略)
 開会の辞(9:00)
 学長挨拶(9:01-9:06)
 理事長挨拶(9:06-9:10) 小川久貴子
 大会長講演(9:10-9:55) 東京女子医科大学看護学部 濱田由紀
  「ケアの価値-精神的困難を経験した人々のピアサポートからの考察」
 特別講演(10:00-10:55) 哲学者 近内悠太 「哲学から見たケアの意義について」
 教育講演(11:00-11:55) OriHimeパイロット「OriHimeパイロットを通してつながる活動」
 一般演題ポスター発表(12:20-13:45)
 交流集会 (13:15-14:45)
  「ケアが光る魅力ある職場づくり―新生女子医大でのチャレンジ―」
   山田香代(東京女子医科大学病院看護部)
   廣瀬由希子(東京女子医科大学人事課看護職雇用対策チーム)
   看護学部学生・駒形朋子(東京女子医科大学看護学部)
   宮崎歌津枝(東京女子医科大学病院医療安全推進部)
 シンポジウム(15:00-16:45)
  「対話を通してケアの場を広げよう」 
   柏﨑郁子(東京女子医科大学看護学部)
   内田朋子(東京女子医科大学附属足立医療センター看護部)
   浅田若奈(地域生活支援センターこかげ)
   宮坂誠(豊島区民社会福祉協議会)
 次回大会長挨拶(16:45-16:55)
 閉会の辞(16:55-17:00)
 
【演題申し込み】
 ・2025年3月~2025年6月30日(月)締め切り
 
【参加費】
会員:3,000円、非会員:4,000円、大学院生:1,000円
学生:500 円(東京女子医科大学看護学部・看護専門学校の学生は申込不要です)
市民参加(非医療従事者・抄録集なし):無料 
 
【問い合わせ先】
東京女子医科大学看護学会21回学術集会実行委員会
nrc-21.cd@twmu.ac.jp
 

参加申し込みはこちら

2025年05月07日 本学初の「大学発ベンチャー」が誕生

 このたび本学の大学発ベンチャー第1号として「Circular Cell Culture株式会社」が認定され、4月9日(水)13時よりTWInsにて称号授与式が行われました。 
 
 大学発ベンチャーとは、大学内で研究された技術やアイデアを元に起業家や研究者が立ち上げる新しい企業のこと。本学の先端生命医科学研究所では、環境への負荷が大きい穀物栽培に依存しない、微細藻類を用いたサステナブルな食料生産システムを開発しており、その成果の社会実装を目指して事業化を行うべく設立されたのが「Circular Cell Culture株式会社」です。この会社では、医薬品・再生医療における細胞培養プロセスにも技術を応用、展開し、3年以内に事業としての売上計上を行うことを目指します。

 称号授与式では、大友春輝氏(代表取締役)、清水達也教授(取締役)、菊地鉄太郎助教(取締役)に清水治理事長より称号記が手渡されました。

 知財のライセンス料など、大学にとって多くのインセンティブのあるベンチャー設立。今後の展開が大いに期待できそうです。
 

(左より)清水達也教授、清水 治理事長、大友春輝代表取締役、三谷昌平学長、
菊地鉄太郎助教、蒋池勇太研究推進センター長