お知らせ
2026年10月21日 【プレスリリース】パーキンソン病の集束超音波治療における「両側治療の重い後遺症」を防ぐ新戦略を世界に提言
学校法人 東京女子医科大学
パーキンソン病の集束超音波治療における
「両側治療の重い後遺症」を防ぐ新戦略を世界に提言
世界で普及が進むパーキンソン病の集束超音波治療。しかし、両側を治療する場合には、歩行や姿勢、発話に関わる重い後遺症が課題となっています。2026年に発表された国際臨床試験では、両側治療を受けた40例中10例(25%)に、12か月後も中等度以上の有害事象が持続しました。
この課題に対し、東京女子医科大学医学部脳神経外科学分野の堀澤士朗助教は、左右で同じ場所を治療せず、同じ運動回路上の異なる場所を組み合わせる「非対称両側治療」を提言しました。本学では2016年からこの戦略を実践しており、今回、その10年間の経験と考え方が『The Lancet Neurology』誌のCorrespondence(学術的提言)として掲載されました。
| Point 1. 【世界が直面する安全性の課題】Dalviらの国際臨床試験では、両側集束超音波治療により運動症状が改善した一方、40例中10例(25%)で12か月後も中等度以上の有害事象が持続しました。
2. 【東京女子医科大学が10年間実践してきた方法】同じ運動回路を左右の異なる場所から治療。初期11例で症状が約74%改善し、その後の非対称両側治療56例でも新たな姿勢反射障害・歩行障害を経験していません。 3.【世界に提示した解決策】同じ運動回路への治療効果を維持しながら、他の神経回路の両側性損傷を避ける。この発想が両側集束超音波治療の安全性向上につながる可能性があります。 |
Ⅰ 研究の背景と経緯
パーキンソン病は、ふるえや動作の遅さ、筋肉のこわばりなどを生じる病気です。薬物治療だけでは十分な改善が得られない場合、脳の運動回路の一部に働きかける手術が選択肢となります。集束超音波治療は、頭蓋骨を切開せず、超音波の熱で脳内の標的を治療する方法として普及が進んでいます。
一方、同じ標的を左右両側で治療すると、目的とする回路だけでなく、周辺にある別の神経回路も両側で障害される可能性があります。本学は以前から、この問題を臨床で経験してきました。両側の淡蒼球を治療したジストニア患者20例では、症状の重症度スコアが平均約74%改善した一方、5例(25%)に薬物治療で改善しない姿勢反射障害・歩行障害が発生し、うち2例は頻回の転倒を伴う重症例でした。この結果は2021年に報告しています。
こうした重い後遺症を避けるため、本学では2016年から、片側の淡蒼球と反対側の淡蒼球視床路(PTT)という、解剖学的に異なる部位を組み合わせる非対称両側治療を実践してきました。両者は同じ運動回路上にあり、治療する場所が左右で異なっても、同じ運動回路に働きかけて運動症状を改善できます。
重要なのは、脳の各部位には治療の目的となる回路だけでなく、姿勢や歩行など別の機能を支える回路も存在することです。左右で同じ場所を損傷すると、周辺の回路まで両側性に機能を失い、重い後遺症につながる可能性があります。これに対して、同じ運動回路を異なる場所から治療すれば、目的とする効果を保ちながら、周辺回路の両側性損傷を減らせると考えられます。
本学は2019年、片側淡蒼球破壊術と反対側PTTを組み合わせたジストニア11例において、症状の重症度スコアが74.3%改善し、術後のパーキンソニズムを生じなかったことを報告しました。一方、両側淡蒼球破壊術20例では改善率が74.0%であり、症状改善が得られても重い姿勢反射障害・歩行障害が課題でした。これらは別の患者群の結果であり、治療効果の同等性を直接証明するものではありませんが、異なる標的の組み合わせでも良好な治療効果を得られることを示しています。現在までに本学はPTTを500例以上行い、非対称両側治療56例では新たな姿勢反射障害や歩行障害を経験していません。この方法は将来構想ではなく、日々の診療で実践している治療戦略です。
これに対し、Dalviらが2026年7月に報告したパーキンソン病の前向き多施設共同試験では、54例が片側PTTを受け、そのうち40例が反対側も治療されました。両側治療3か月後、服薬していない状態での上下肢運動スコアは治療前から中央値32%改善しました。一方、両側治療後に22例(55%)で治療関連の有害事象が認められ、10例(25%)には12か月後も中等度以上の障害が持続しました。主な障害は発話・歩行・バランスに関するもので、1例には重度で持続的な発語不能が生じました。
両研究は対象疾患や評価項目が異なるため、合併症の発生率を直接比較することはできません。ただし、本学の経験は、両側治療の安全性を考える際に、左右で標的を選び分けるという具体的な選択肢を示しています。
重要なのは、脳の各部位には治療の目的となる回路だけでなく、姿勢や歩行など別の機能を支える回路も存在することです。左右で同じ場所を損傷すると、周辺の回路まで両側性に機能を失い、重い後遺症につながる可能性があります。これに対して、同じ運動回路を異なる場所から治療すれば、目的とする効果を保ちながら、周辺回路の両側性損傷を減らせると考えられます。
本学は2019年、片側淡蒼球破壊術と反対側PTTを組み合わせたジストニア11例において、症状の重症度スコアが74.3%改善し、術後のパーキンソニズムを生じなかったことを報告しました。一方、両側淡蒼球破壊術20例では改善率が74.0%であり、症状改善が得られても重い姿勢反射障害・歩行障害が課題でした。これらは別の患者群の結果であり、治療効果の同等性を直接証明するものではありませんが、異なる標的の組み合わせでも良好な治療効果を得られることを示しています。現在までに本学はPTTを500例以上行い、非対称両側治療56例では新たな姿勢反射障害や歩行障害を経験していません。この方法は将来構想ではなく、日々の診療で実践している治療戦略です。
これに対し、Dalviらが2026年7月に報告したパーキンソン病の前向き多施設共同試験では、54例が片側PTTを受け、そのうち40例が反対側も治療されました。両側治療3か月後、服薬していない状態での上下肢運動スコアは治療前から中央値32%改善しました。一方、両側治療後に22例(55%)で治療関連の有害事象が認められ、10例(25%)には12か月後も中等度以上の障害が持続しました。主な障害は発話・歩行・バランスに関するもので、1例には重度で持続的な発語不能が生じました。
両研究は対象疾患や評価項目が異なるため、合併症の発生率を直接比較することはできません。ただし、本学の経験は、両側治療の安全性を考える際に、左右で標的を選び分けるという具体的な選択肢を示しています。
Ⅲ 今後の展開
本学が10年かけて培ってきた非対称両側治療は、世界が現在直面している両側集束超音波治療の安全性の課題に対する、有力な解決策となる可能性があります。治療効果を得るために左右で同じ場所を破壊する必要はありません。大切なのは、同じ運動回路の適切な場所を左右で選び分け、目的とする効果を維持しながら、重い後遺症につながる周辺回路の両側性損傷を避けることです。
今後、さらに有効性と安全性が検証されれば、世界の両側集束超音波治療は、左右同じ標的を治療する方法から、同一回路上の異なる標的を組み合わせる方法へと移行する可能性があります。東京女子医科大学は、世界に先駆けて積み重ねてきた臨床経験を共有し、より安全な治療の普及に貢献していきます。
【お問い合わせ先】
<研究に関すること>
堀澤 ⼠朗(ホリサワ シロウ)
東京⼥⼦医科⼤学 医学部 脳神経外科学分野 助教
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel&Fax:03-3353-8111
E-mail: horisawa.shiro@twmu.ac.jp
<報道担当>
東京女子医科大学 広報課
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel:03-3353-8111 Fax:03-3353-6793
E-mail: kouhou.bm@twmu.ac.jp
【プレス情報】
1.掲載誌名︓The Lancet Neurology(Correspondence)
2.論⽂タイトル︓Staged bilateral focused ultrasound pallidothalamic tractotomy for Parkinson’s disease
3.著者名︓Shiro Horisawa*、Takaomi Taira(*責任著者)
4.DOIコード︓10.1016/S1474-4422(26)00362-5
5.論⽂のオンライン掲載⽇︓2026年10月15日
本学が10年かけて培ってきた非対称両側治療は、世界が現在直面している両側集束超音波治療の安全性の課題に対する、有力な解決策となる可能性があります。治療効果を得るために左右で同じ場所を破壊する必要はありません。大切なのは、同じ運動回路の適切な場所を左右で選び分け、目的とする効果を維持しながら、重い後遺症につながる周辺回路の両側性損傷を避けることです。
今後、さらに有効性と安全性が検証されれば、世界の両側集束超音波治療は、左右同じ標的を治療する方法から、同一回路上の異なる標的を組み合わせる方法へと移行する可能性があります。東京女子医科大学は、世界に先駆けて積み重ねてきた臨床経験を共有し、より安全な治療の普及に貢献していきます。
【お問い合わせ先】
<研究に関すること>
堀澤 ⼠朗(ホリサワ シロウ)
東京⼥⼦医科⼤学 医学部 脳神経外科学分野 助教
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel&Fax:03-3353-8111
E-mail: horisawa.shiro@twmu.ac.jp
<報道担当>
東京女子医科大学 広報課
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel:03-3353-8111 Fax:03-3353-6793
E-mail: kouhou.bm@twmu.ac.jp
【プレス情報】
1.掲載誌名︓The Lancet Neurology(Correspondence)
2.論⽂タイトル︓Staged bilateral focused ultrasound pallidothalamic tractotomy for Parkinson’s disease
3.著者名︓Shiro Horisawa*、Takaomi Taira(*責任著者)
4.DOIコード︓10.1016/S1474-4422(26)00362-5
5.論⽂のオンライン掲載⽇︓2026年10月15日
2026年10月08日 第63回女子医大祭のお知らせ
以下、企画のご紹介になります。
============ー医師になった後、どう生きたいですか?ー】
本学卒業生で、脳神経内科教授である飯嶋 睦先生によるご講演です。場所は弥生記念講堂、時間は12:00〜12:30で開催いたします。チケットや整理券の配布はございませんので、ご自由にご着席ください。
【The Door To Medicine ー謎解きを添えてー】
※チケット(当日配布)必要
医学部学生部長・顕微解剖学分野教授、石津綾子先生のビデオメッセージから、研究の魅力や医学へのワクワクを思いっきり感じよう!
謎解き演出ありの30分で楽しめる企画になっています。
【見て・触れて・学ぶ医療体験コーナー】
※チケット(当日配布)必要
今年の学祭では、大人も子どもも楽しめる体験型の医療企画を開催いたします!
2つの体験コンテンツがございます。
1、エコー(超音波)体験:画像診断機器を使い、心臓や腸が画面上でどのように見えるかを観察します。
2、聴診体験:実際の医療現場で使われている聴診器を使い、心音や呼吸音を聴きます。
【キャンパスツアー女子医大生あるあるを探そう!】
※チケット(当日配布)必要
『女子医大生すぎる!』がいっぱい。学生生活をのぞきながら、キャンパスをめぐってみませんか?
9:45の回、10:45の回、13:45の回、14:45の回がございます。
※チケット必要、と書かれた企画につきましては、参加チケットが必要です。学祭当日、弥生記念講堂1階、医学部の受付にてチケットを配布いたします。事前のお申し込みは受け付けておりません。
【部活動による公演】
ダンス部:10:00〜10:40、室内楽団:11:20〜11:50、箏曲部:13:15〜14:15、ボールルームダンシング部:14:50〜15:50で公演を行います。場所は弥生記念講堂です。
【部活動団体による展示、出店】
弥生記念講堂1階にて華道部による華展を開催、美術部によるオリジナルグッズを販売いたします。また、小児医療研究会では、瓶レモネードを販売いたします。
【弥生記念講堂、地下1階ホワイエにおける展示】
弥生記念講堂地下1階では、至誠会、ファミリーサポート、介護サポート、院内保育所による展示を行います。
【看護学部企画】
BLS(一次救命処置)体験や血圧測定体験、学生による展示・クイズや、看護専門学生・看護学部生交流会を開催します。
詳細については、下記URLをご参照ください。
https://www.twmu-u.jp/20260916-2/
※当日は弥生記念教育棟3階にて、ミニオープンキャンパスを同時開催します。
弥生記念教育棟にて受付をしていただくことで、看護学部ミニオープンキャンパスおよび大学祭の企画にご参加いただけます(当日受付可)。
【女子医大祭2026オリジナル白衣、スクラブ、文具の販売】
総合受付付近にて、女子医大祭2026オリジナルグッズを販売いたします。今年度の限定デザインが施された白衣、スクラブ、シャーペン、付箋を販売いたします。販売時間は10:00〜15:30を予定しています。
============
女子医大祭で生まれるたくさんの出会いと笑顔を、実行委員、キャスト一同、楽しみにしております。
皆様のご来場、心よりお待ちしております。
お問い合わせ先:女子医大祭実行委員会 twmugakusai2026@gmail.com
2026年10月01日 BioJapan2026へ出展します

BioJapan2026は、展示・セミナー・パートナリングで構成されるアジア最大級のパートナリングイベントです。
世界で最も歴史のあるバイオテクノロジー展「BioJapan」、再生医療分野の研究開発の加速・産業化を目指す「再生医療JAPAN」、デジタルテクノロジー×ライフサイエンス融合による健康管理・予防・治療に焦点をあてた「healthTECH JAPAN」の3つの展示会が同時開催されます。
本学は、首都圏アカデミアリサーチコンソーシアム(MARC)の構成機関として、MARCブースに共同出展します。
■ 開催概要
名称:BioJapan 2026
会期:2026年10月7日(水)~9日(金) 10:00-17:00
会場:パシフィコ横浜
【本学の展示内容】※⼩間番号:A-50、出展ブース:首都圏ARコンソーシアム(MARC)
世界で最も歴史のあるバイオテクノロジー展「BioJapan」、再生医療分野の研究開発の加速・産業化を目指す「再生医療JAPAN」、デジタルテクノロジー×ライフサイエンス融合による健康管理・予防・治療に焦点をあてた「healthTECH JAPAN」の3つの展示会が同時開催されます。
本学は、首都圏アカデミアリサーチコンソーシアム(MARC)の構成機関として、MARCブースに共同出展します。
■ 開催概要
名称:BioJapan 2026
会期:2026年10月7日(水)~9日(金) 10:00-17:00
会場:パシフィコ横浜
【本学の展示内容】※⼩間番号:A-50、出展ブース:首都圏ARコンソーシアム(MARC)
(1) 細胞培養を基にしたムリ・ムダのない循環型食料生産
~内閣府ムーンショット型農林水産研究開発事業の支援を受けて得られた研究成果のご紹介~
代表研究者:清水達也(先端生命医科学研究所 所長・教授)
(2) 金属基材を利用したリユース可能なスマート培養基材の開発
代表研究者:秋山義勝(先端生命医科学研究所 講師)
【JBAブースでも関連研究を紹介します】
上記(1)に関連する内閣府ムーンショット型農林水産研究開発事業のプロジェクトについては、一般財団法人バイオインダストリー協会(JBA)が21機関と共同出展する「JBA未来共創ブース:食とヘルスケアの革新」(⼩間番号:A-15)でもポスターが展示されます。
また、JBAブースの「JBA Orange Square」(⼩間番号:A-12)では、関連するショートプレゼンテーションが予定されています。
日時:2026年10月8日(木) 13:10~13:20
タイトル:「ムリ ムダのない健康的な資源循環型の “培養食料” 生産システムの構築」
本学のポスター展示と併せて、JBAブースでの展示・プレゼンテーションもぜひご覧ください。
BioJapan2026の詳細につきましては、公式サイトをご参照ください。
来場登録はこちらから>> https://biojapan2026.jcdbizmatch.jp/jp/Registration
皆様のご来場を心よりお待ちしています。
来場登録はこちらから>> https://biojapan2026.jcdbizmatch.jp/jp/Registration
皆様のご来場を心よりお待ちしています。


今年度の女子医大祭は10月24日(土)、9:00〜16: