バセドウ病

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは私達のからだの色々な組織の代謝や機能を調節しているホルモンです。胎児期から成長期にかけては成長や精神、知能の発育にも大切な役割をもっています。甲状腺ホルモンの分泌は脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって調節されています。もし血液中の甲状腺ホルモンが不足するとTSHが分泌されて甲状腺細胞に存在するTSH受容体と結合して甲状腺ホルモンの分泌を促進し, 逆に血液中の甲状腺ホルモンが多すぎるとTSH分泌が低下して血液中の甲状腺ホルモンを低下させるように働きます。このような機構によって私達の血液中の甲状腺ホルモン濃度は一定の範囲に保たれているわけです。ところが、色々な原因でこのバランス乱されると必要以上に甲状腺ホルモンの分泌が増加したり、低下し、種々の症状が出現してきます。 分泌が過剰になる場合を甲状腺機能亢進症、逆に分泌が不足する場合を甲状腺機能低下症といいます。

甲状腺よりの甲状腺ホルモン(T4、T3の分泌は下垂体より分泌されるTSHによって刺激され、TSHは視床下部より分泌されるTRHによって刺激されます。血中に甲状腺ホルモンが過剰な場合には甲状腺ホルモンにより下垂体および視床下部よりのTSH,TRHの分泌が抑制されます。
視床下部ホルモンであるソマトスタチンもTSHの分泌を抑制することが判明しています。