遺伝子改変マウスの作製受託と実績



概要

 

ゲノム編集を用いた遺伝子組換えマウスの作製サービスを行っています

当研究所では、H29年度より発生工学機器を導入し、ゲノム編集技術を用いた遺伝子組換えマウスの作製サービスを開始しました。本学の学術基盤の向上および共同研究の一環として非商業利用を目的に活動を行なっております。学内・学外を問わず、ご興味がある方はご遠慮なくまず下記のお問い合わせ先までご連絡ください。

また詳細に関してはこちらの資料もご参照ください。

委託料

作製に必要な実費分の経費をご依頼者様に、受託料としてご負担願います。

KO (Knock-out) マウス 300,000 円 / 系統 *同一遺伝子の系統追加は150,000円/系統
KI (Knock-in) マウス 300,000 円 / 系統
cKO (conditional Knock-out) マウス 300,000 円 / 系統

*遺伝子改変マウス作製に必要な試料(例: crRNA: 約15000円/DSB, KI用ssDNA: 約50000円/500nt )は別途ご依頼者様にご負担願います。
*試薬や完成した遺伝子改変マウスの輸送費の一切は別途ご依頼者様にご負担願います

その他、受精卵移植、帝王切開などのマウス胚の発生工学サービスも行っております。ご興味のある方はご連絡ください。

問い合わせ先

〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1 
東京女子医科大学 
実験動物研究所、先端生命医学専攻疾患モデル研究分野
本田 浩章(ホンダ ヒロアキ)
Tel: 03-3353-8112 ext. 42453 
Fax: 03-5269-7423 
E-mail: honda.hiroaki@twmu.ac.jp



遺伝子改変マウス作製受託の流れ

・①~⑤の5つのステップです

*詳細に関しましてはこちらもご参照ください。

① 事前の打合せ

・研究所所長 本田 浩章 ( honda.hiroaki@twmu.ac.jp ) に、ご依頼の旨をご連絡ください。
・件名は【遺伝子改変マウス作製依頼】とし、本文にて以下のご記入を願います。

>ご依頼者様の氏名、役職、所属
>ご依頼者様の連絡先(メールアドレス、電話番号、住所)
>依頼する遺伝子改変マウスの種類(トランスジェニック, ノックアウト, コンディショナルノックアウト, ノックインなど)
>対象とする遺伝子やゲノム領域

遺伝子改変マウス作製方法の詳細受領方法に関して打合せを行います。

② 遺伝子改変マウス作製委託の締結

・打合せで合意して頂いた内容をもとに依頼書(Exel ファイル)を作製してください。
・下記の書類をメールにて研究所所長 本田 浩章 ( honda.hiroaki@twmu.ac.jp )にご送付ください

作製した依頼書(Exel ファイル)
遺伝子組み換え実験計画書の写しとその承認通知(PDFファイル)
動物実験計画書の写しとその承認通知(PDFファイル)
>その他の機関内審査の書類の写しと承認通知(必要な場合のみ)

・依頼書を当研究所で確認後、承諾書請求書を送付させて頂きます(必要に応じ見積書追加)。

③ ご依頼者様による試料購入と委託料のお支払い

・お送りした請求書をもとに、委託料の振り込みを願います(原則先払いとなります。納品後のお支払いはご相談ください)。
・遺伝子改変マウス作製に必要なcrRNAなどの試料を依頼者様で購入頂き(遺伝子改変マウス作製方法の詳細を参照)、直接当研究所までご送付ください。

④ 当研究所による遺伝子改変マウス作製

・試料の到着、振込の確認後、遺伝子改変マウスの作製を開始します。
・遺伝子改変マウス作製方法の詳細はこちらをご参照ください。

⑤ 当研究所からご依頼者様への完成した遺伝子組み換えマウスの輸送

前の打ち合わせで決定した受領方法で、完成した遺伝子改変マウスを、情報提供書送付書と合わせてご依頼者様にお送りします(必要に応じ納品書追加)。
ご依頼者様は受け取りを確認後、当研究所への受領書の送付を願います。

 



遺伝子改変マウス作製方法の詳細

詳細はこちらもご参照ください。

ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変マウスの作製

KO (knock-out) マウスの作製方法の詳細


① ノックアウトしたい遺伝子の crRNA配列を、アルゴリズムに基づき決定します。1つの遺伝子について、複数(通常3箇所、少なくとも2か所)のcrRNAをご提案します。

② その中で候補としたcrRNA配列をご依頼者様でご購入いただき、代理店を通して直接当研究所にご送付ください。
*注: Cas9 と tracrRNA につい ては、当施設で所有しているため購入の必要はありません。

③ 選択したcrRNAを至適濃度に調整し、tracrRNAとCas9タンパク質と共に約100個のC57BL/6の受精卵前核にインジェクションします。

*同一遺伝子に対する異なる複数のcrRNAそれぞれを、インジェクションすることも別途可能です(1つのcrRNAにつき約100個の受精卵にインジェクションします)


KI (knock-in) マウスの作製方法の詳細

① KI マウスの作製は、KO マウスの作製に準じます。上記の『KO (knock-out)マウス作製方法の詳細』をご 参照ください。

② KO マウスの作製と異なる点として、KIマウスの作製ではインジェクションの際に、crRNA, tracrRNA, Cas9 に、置換・挿入用の ss ODN (single strand oligo donor DNA)をあわせて導入します。

③ ssODN は導入 DNA シークエンスを中心に、5′側と 3′側に各々約200 base の arm を付けた配列となります。 これを設計し、crRNAと共に注文して、直接当研究所宛にご送付ください。

*注:ssODN の配列設計については、ご相談に応じますので、ご不明であればご連絡ください。

④ インジェクションについては上記の『KO (knock-out)マウス作製方法の詳細』をご参照ください。



cKO (condithional knock-out) マウスの作製方法の詳細


① cKO マウスの作製は、KO マウスとKI マウスの作製に準じます。上記の『KO (knock-out)マウス作製方法の詳細』、『KI (knock-in) マウス作製方法の詳細』をご参照ください。

② KO マウス、KI マウスの作製と異なる点として、cKOマウスの作製では、crRNAを欠失させる目的の exon の前後2箇所に設計します。 この2種類の crRNAに tracrRNA, Cas9 およびcrRNA切断部位にloxP 配列を組み込んだ ssODN もあわせて導入します。

③ ssODN は、crRNA切断部位にloxP 配列を組み込み、5'側と3'側に各々約 200 base の arm を付けた配列となります。これを設計し、crRNAと共に注文して直接当研究所宛にご送付ください。

*注:ssODN の配列設計についてはご相談に応じますので、ご不明であればご連絡ください。

④ インジェクションについては上記の『KO (knock-out)マウス作製方法の詳細』をご参照ください。





作製した遺伝子改変マウスの受領

・インジェクションを行った胚は仮親マウスへ胚移植し個体化します。個体化のどの段階で受け取りになるか、ご依頼者様と事前の打ち合わせで決定します。

注: 決定後の受け取り方法の変更も対応可能な場合がございます。変更の際はご相談ください。

・個体化した遺伝子改変マウスの受け取りは、下図のように、個体化の異なる4つの段階からご選択いただけます。また、ご選択頂いた受け取り時期に応じて、規定の受託料より割引や追加があります。

注1: 当研究所からご依頼者様への、作製した遺伝子改変マウスの輸送費や、その他作製にかかわる輸送費はご依頼者様のご負担となります。
注2:Genotyping はご依頼者様での実施となります。当研究所より産仔の組織(尾部など)をお送りしますので、そこからDNAを抽出し行ってください。
注3: 個体化して目的の遺伝子改変マウスが得られなかった場合、インジェクションから再度やり直します。
注4:こちらもご参照ください

 





当研究所の受託実績

受託された遺伝子改変マウス作製実績

当研究所では、2018年度4月に遺伝子改変マウス作製を開始して以来、学内外合わせて、ランスジェニック (Tg) マウス7系統 、ノックアウト (KO) マウス7系統ノックイン (KI) マウス16系統コンディショナルノックアウト (cKO) マウス10系統 の作製に成功しています。(2022年9月現在)


2018年4月~2022年4月

学内

作製したマウスの種類 ご依頼者 得られた目的の産仔マウス 作製効率
Tg マウス 薬理学教室 37匹中 5匹 gRNA: 14%
KO マウス
生化学教室 gRNA-1: 7匹中 2匹 gRNA: 29%
KO マウス 生化学教室 gRNA-1: 7匹中 3匹 gRNA: 43%
KO マウス 薬理学教室 gRNA-1: 7匹中 3匹   gRNA: 43%
KO マウス 薬理学教室 gRNA-1: 7匹中 7
gRNA-2: 7匹中 4匹
gRNA-1: 100%
gRNA-2: 57%
KO マウス 呼吸器内科 gRNA-1: 6匹中 6匹
gRNA: 100%
KO マウス 呼吸器内科 gRNA-1: 14匹中 8匹 gRNA: 57%
KO マウス 実験動物研究所 gRNA-1: 6匹中 2匹
gRNA-1: 33%
KO マウス 実験動物研究所 gRNA-1: 9匹中 2匹 gRNA-2: 22%
KO マウス 解剖学教室
(顕微解剖学・形態形成学分野)
生化学教室
gRNA-1: 13匹中 2匹 gRNA-1: 15%
KI マウス
(約3KbをKI)
薬理学教室 gRNA-1: 9匹中 1匹 gRNA: 11%
KI マウス
(約3KbをKI)
解剖学教室
(顕微解剖学・形態形成学分野)
gRNA-1: 6匹中 3匹 gRNA: 50%
KI マウス 実験動物研究所 gRNA-1: 7匹中 5匹 gRNA: 71%
cKO マウス 薬理学教室 gRNA-1+2: 10匹中 1匹 gRNA-1+2: 10%
cKO マウス 解剖学教室
(顕微解剖学・形態形成学分野)
gRNA-1+2: 21匹中 14匹 gRNA-1: 66%
cKO マウス 呼吸器内科 gRNA-1+2: 16匹中 3匹 gRNA-1+2: 19%
cKO マウス 解剖学教室
(顕微解剖学・形態形成学分野)
gRNA-1+2: 4匹中 1匹 gRNA-1+2:25%



学外

作製したマウスの種類 ご依頼者 得られた目的の産仔マウス 作製効率
Tg マウス 広島大学
医学部
6匹中 2匹 33%
Tg マウス 広島大学
医学部
7匹中 2匹 29%
Tg マウス 広島大学
医学部
18匹中 2匹 11%
Tg マウス 早稲田大学
医学部
24匹中 3匹 13%
Tg マウス 早稲田大学
医学部
7匹中 1匹 14%
Tg マウス 横浜市立大学
泌尿器科
15匹中 7匹 47%
Tg マウス 岐阜医療科学大学
金城学院大学
15匹中 4匹 27%
KO マウス 国立
がん研究センター
gRNA-1: 12匹中 1匹
gRNA-2: 15匹中 7匹
gRNA-3: 5匹中 4匹
gRNA-1: 8%
gRNA-2: 46%
gRNA-3: 80%
KO マウス 東京大学
医科学研究所
gRNA-1: 1匹中 1匹  
gRNA-2: 12匹中 8匹
gRNA-1: 100%
gRNA-2: 67%
KO マウス 東京医科歯科大学
医学部
gRNA-1: 9匹中 2匹 gRNA: 22%
KO マウス AIM研究所
gRNA-1: 22匹中 17匹 gRNA-1: 77%
KI マウス
(約4KbをKI)
関西医科大学
医学部
gRNA-1: 6匹中 2匹
gRNA-1: 33%
KI マウス
(約4KbをKI)
関西医科大学
医学部
gRNA-1: 20匹中 2匹 gRNA-1: 10%
KI マウス
(約4KbをKI)
関西医科大学
医学部
gRNA-1: 15匹中 1匹 gRNA-1: 7%
KI マウス
(約4KbをKI)
慶応義塾大学
医学部
gRNA-1: 20匹中 2匹 gRNA-1: 10%
KI マウス
(point mutation)
昭和大学
医学部
gRNA-1: 15匹中 2匹 gRNA-1: 13%
KI マウス
(約4KbをKI)
国立
がん研究センター
gRNA-1: 4匹中 1匹 gRNA: 25%
KI マウス
(point mutation)
東京医科歯科大学
医学部
gRNA-1: 14匹中 3匹 gRNA-1: 21%
KI マウス
(point mutation KI)
東京大学
医科学研究所
gRNA-1: 7匹中 5匹 gRNA-1: 71%
KI マウス
(tag KI)
東京大学
医学部
gRNA-1: 12匹中 7匹 gRNA-1: 58%
KI マウス
(約4KbをKI)
獨協医科大学
医学部
gRNA-1: 11匹中 4匹 gRNA-1: 36%
KI マウス
(約4KbをKI)
国立循環器病
研究センター
gRNA-1: 3匹中 1匹 gRNA-1: 33%
KI マウス
(point mutation KI)
東京薬科大学
生命科学部
gRNA-1: 25匹中 1匹 gRNA-2: 4%
KI マウス
(約4KbをKI)
国立循環器病
研究センター
gRNA-1: 12匹中 2匹 gRNA-1: 17%
KI マウス 星薬科大学 gRNA-1: 9匹中 2匹 gRNA-1: 22%
KI マウス 聖マリアンナ医科大学 gRNA-1: 5匹中 1匹 gRNA-1: 20%
KI マウス 星薬科大学 gRNA-1: 23匹中 2匹 gRNA-1: 9%
KI マウス 星薬科大学 gRNA-1: 6匹中 2匹 gRNA-1: 33%
KI マウス 熊本大学
IRCM
gRNA-1: 10匹中 1匹 gRNA-1: 1%
KI マウス 東京医科歯科大学 gRNA-1: 24匹中 5匹 gRNA-1: 20%
cKO マウス 帝京大学
医学部
gRNA-1+2: 17匹中 8匹 gRNA-1+2: 47%
cKO マウス 帝京大学
医学部
gRNA-1+2: 9匹中 3匹 gRNA-1+2: 33%
cKO マウス 帝京大学
医学部
gRNA-1+2: 7匹中 3匹 gRNA-1+2: 43%
cKO マウス 帝京大学
医学部
gRNA1+2: 14匹中 4匹 gRNA-1+2: 29%
cKO マウス 山形大学
医学部
gRNA-1+2: 5匹中 3匹 gRNA-1+2: 60%
cKO マウス 横浜市立大学
医学部
gRNA-1+2: 10匹中 2匹 gRNA-1: 20%
cKO マウス 早稲田大学 gRNA-1+2: 17匹中 3匹 gRNA-1: 17%
cKO マウス 早稲田大学 gRNA-1+2: 7匹中 3匹 gRNA-1: 42%
cKO マウス 東京大学
工学部
gRNA-1+2: 5匹中 3匹 gRNA-1+2: 60%
cKO マウス 健康長寿
医療センター
gRNA-1+2: 11匹中 5匹 gRNA-1+2: 45%
cKO マウス 東京大学
工学部
gRNA-1+2: 14匹中 5匹 gRNA-1+2: 35%
cKO マウス 国立精神・
神経医療研究センター
gRNA-1+2: 19匹中 3匹 gRNA-1+2: 15%




遺伝子改変マウス作製受託 書式

書式 PDF Exel
遺伝子改変マウス作製等利用の手引き  
依頼書等一式 1,2

※ 1, 依頼書、承諾書、送付書、受領書、請求書、見積書、納品書 がひとまとめになっています。1ページ目の依頼書に必要事項を入力することで、依頼書以外の書式の項目も連動して自動的に入力されます。ご依頼者様は依頼書への必要事項の記入をよろしくお願い致します。

※ 2, 東京女子医科大学 学内の方は学内HPの書式をご利用ください。