脳神経疾患統合治療戦略に向かうガンマナイフの最先端

ガンマナイフは、ガンマ線を高精度0.1mm(100μm=髪の毛1本分)単位で脳幹や脳神経などの重要構造物を傷つけることなく、脳神経病変のみに照射し、メスを用いたように加療する極めて画期的な方法です。ガンマナイフは“切らずに治す先進的治療”として必要不可欠な存在として広く知られ、侵襲も極めて少なく日帰り治療もおこなえます。

 

世界最新機ガンマナイフ・パーフェクション

東京女子医科大学病院では、本年5月に導入20周年を迎え、治療症例総数は6400件に達しました。昨年5月には、世界最新機パーフェクションが導入され、治療適応が拡大し、数十個を数える多発性転移性脳腫瘍に対しても一日で治療が行えるようになりました。治療精度は0.05 mm(50μm)へとさらに進化し、聴神経腫瘍・頭蓋底髄膜腫・海綿静脈洞内腫瘍・下垂体腫瘍・頭蓋咽頭腫など、周囲に正常な脳神経が絡みつく機能温存重視の良性脳腫瘍に対しても微小解剖学に沿った繊細な治療が可能となっています。1回の治療で95%以上の腫瘍制御率を誇り、それに伴う合併症率はかなり少なく抑えられるようになりました。また、今年度にエクステンドという治療オプションツールが導入予定となっており、今まで外科手術必須と言われた3センチを超える大きな転移性脳腫瘍や原発性悪性腫瘍(グリオーマ)の一部が新たに治療適応に加わります。眼科・耳鼻咽喉科・口腔外科領域疾患や頸髄疾患まで治療可能となります。今後は、三叉神経痛・難治性疼痛・てんかん・パーキンソン病などの脳機能性疾患への応用を進め、ガンマナイフでの治療指針も確立してゆきます。

世界最新機ガンマナイフ・パーフェクション

 

頭蓋底髄膜腫術前シミュレーション3D画像

また、豊富なガンマナイフ治療経験と国内随一の脳神経外科手術症例数を誇る脳神経外科では、常に両方向性のコラボレーションを始め、世界に先駆けて先進的な治療の提供を行っております。ガンマナイフの詳細な解剖学的構造分析力を応用したシミュレーションを取り入れています。腫瘍や動脈瘤、周囲の脳神経や血管との解剖学的関係を詳細に把握し、これらを専用コンピュータにて3D化し、手術アプローチから実際の処置に至るまでを実際の手術時さながらに術前確認しています。あくまでも、患者さんのQOLを重視し、脳神経麻痺や血管損傷が完全に起きぬよう安全に手術を終え、腫瘍残存に関しては安全なガンマナイフ治療との組み合わせを実施しています。まさに“手術の完封リレー(統合治療戦略)”が目標です。
【連絡先】ガンマナイフ室 03-3341-6878  9時~17時(休診日除く)

頭蓋底髄膜腫術前シミュレーション3D画像

 

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