| 主任教授からのメッセージ |
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高野 加寿恵 Kazue Takano
内科学(第二)分野は内分泌内科学を担当しています。内分泌系は生体の恒常性維持に重要な役割を担い,その異常は多様な疾患の病態に深く関与しています。内分泌系としては視床下部・下垂体,甲状腺,副甲状腺,性腺に加え,従来内分泌腺でなかった組織・臓器(脂肪,血管,心臓など)が生理活性物質を産生しています。それらはホルモンとして作用するのみならず,その局所で作用することが明かにされ,内分泌学も新しい方向へ変貌をとげています。我々はこの新しい時代に対応した内分泌学を発展させるよう努力しています。研究には最先端技術を駆使して内分泌系の生理的,病態生理的意義の解明にあたっています。また,豊富で多彩な症例を誇る内分泌センター内科部門ゆえに,幅広い臨床研究も盛んに行われており,臨床に根ざした基礎研究にも力を入れています。研究業績は数多く英文雑誌に報告され,これらは国際的にも高く評価されています。多くの医局員が外国留学しており,国際交流も盛んです。このような内分泌学に興味のある方は一緒に勉強しませんか。心から歓迎いたします。
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| スタッフ |
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前列左より:
小野昌美講師,三木伸泰助教授,
佐藤幹二助教授,
高野加寿恵主任教授,
肥塚直美教授,
野村馨講師,磯崎収助教授,
(小田桐恵美教授(中検)) |
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| 研究活動 |
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1.成長ホルモン(GH)およびインスリン様成長因子(IGF)の病態生理的意義に関する研究
- 「成人におけるGHの病態生理的意義の検討」
- GHの成長促進作用以外の種々の代謝(糖、脂質、骨、水電解質代謝)作用に関して検討し、成人におけるGHの病態生理的意義について研究を進めている。
- 「インスリン様成長因子の病態生理的意義に関する検討」
- a)低血糖を呈するIGF-II産生腫瘍(NICTH)の低血糖発症機構に関する研究
NICTHの産生する大分子量のIGF-IIの性状(生物、物理、化学的性状)を検討している。
b)腫瘍におけるIGF、IGF受容体、IGFBPの病態生理的意義に関する検討
癌細胞を用いて、腫瘍細胞におけるIGFの作用、IGF-I受容体および細胞内情報伝達機構の検討について検討している。
- 2.甲状腺および副甲状腺疾患の病態解明と治療法の改善
- バセドウ病は内分泌疾患で最も多い原因不明の自己免疫疾患である。最近、TSH受容体のcDNAを用いて免疫する(genetic
immunization)ことにより、マウスでもバセドウ病を作成することが可能となった。このモデルを作成中であるが、このモデルを用いて、バセドウ病の発症機構、増悪因子を検討予定である。
当研究室で開発した甲状腺濾胞の浮遊培養系を用いて無機ヨードや抗甲状腺剤によって制御される遺伝子群を解析し、どのような機序で血流量が減少したりバセドウ病が寛解するのかを検討している。
甲状腺や副甲状腺の血流量がどのような因子により制御されているかを分子生物学的に検討している。
- 3.高リン血症による副甲状腺細胞の増殖機序の研究
- リンには副甲状腺の増殖促進作用があることが知られている。そこで、副甲状腺の器官培養系を確立し、リンによりどのような遺伝子が誘導されてくるかを17000個の遺伝子を解析できるcDNA
microarray を用いて解析中である。リンにより誘発される副甲状腺細胞の増殖機構が明らかになれば、腎透析患者に必発してくる2次性副甲状腺機能亢進症の新しい治療法を開発できると期待される。
- 4.視床下部-下垂体系の臨床的、基礎的研究
- 臨床的研究では、下垂体腫瘍、特に成長ホルモン(GH)産生腺腫、プロラクチン(PRL)産生腺腫の発症メカニズムにつき、生理学的・分子生物学的研究を行っている。
基礎的研究では、GH分泌の中枢性調節機構を中心テーマとして、GHの制御ホルモンであるGHRH(GH放出ホルモン)、somatostatin、ghrelinとそれらの受容体の役割につき統合的な研究を行っている。
下垂体腫瘍に対する遺伝子治療について萌芽的研究を開始している。
- 5.甲状腺細胞の分化と増殖に関する研究
- 「甲状腺腫瘍細胞の浸潤性を標的とした甲状腺癌の診断と治療の開発」
甲状腺癌の悪性度を規定する遺伝子を細胞の浸潤性に関与する遺伝子群を同定して診断および治療に活用する目的で研究を進めている。
「細胞シートを用いた甲状腺組織再構築法の研究」
内分泌臓器の再生医療の一環として甲状腺ホルモン分泌可能な甲状腺組織を細胞シートの技術を応用して再構築させ、生体に埋め込み可能にする技術について研究を進めている。
- 6.副腎ステロイドホルモンの病態生理的役割の解明
- アルドステロン産生腫瘍では高血圧以外に心肥大、脳血管障害を、コルチゾール産生腫瘍では高血圧以外に肥満、糖尿病、高脂血症をしばしば合併する。これらの臓器障害や病態でのアルドステロン、コルチゾールの作用について検討し、これらホルモンの病態生理的役割について研究を進めている。
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| 研究可能テーマ |
| 1. |
成長ホルモンおよびインスリン様成長因子の病態生理的意義に関する研究
a. 成人におけるGHの病態生理的意義の検討
b. 低血糖を呈するIGF-II産生腫瘍(NICTH)の低血糖発症機構に関する研究
c. 腫瘍におけるIGF、IGF受容体、IGFBPの病態生理的意義に関する検討 |
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(高野教授・肥塚教授・福田准講師・大久保助手) |
| 2. |
甲状腺および副甲状腺疾患の病態解明と治療法の改善
a. Genetic immunization 法によるバセドウ病マウスの作成およびバセドウ病の増悪因子の解明
b. 大量の無機ヨードによりヒト甲状腺細胞内で誘導される遺伝子の解析
c. サイトカインによりヒト甲状腺細胞で誘発されるtoll-like receptor の解析
d. リンパ行性転移または骨転移を生じやすい甲状腺癌細胞の樹立と、癌遺伝子と癌抑制遺伝子の解析
e. 副甲状腺の器官培養系を用いて、薬剤(シンチグラフィー用のtracer)排泄を担当する遺伝子(p-glyoprotein)の制御機構
f. 体質性高カルシウム血症と低カルシウム血症の遺伝子(カルシウム感知受容体)診断
g. 特殊な培養液を用いての副甲状腺癌細胞株の樹立と、癌遺伝子および癌抑制遺伝子の解析 |
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(高野教授・佐藤助教授) |
| 3. |
高リン血症による副甲状腺細胞の増殖機序の研究
a. 副甲状腺の器官培養系を用いてリンにより誘導される細胞増殖因子や血管内皮細胞増殖刺激因子の解析 |
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(高野教授・佐藤助教授) |
| 4. |
視床下部ホルモンによる下垂体ホルモンの制御機構と下垂体腫瘍の成因の解明 |
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(高野教授・三木助教授・小野講師・関助手) |
| 5. |
甲状腺細胞の増殖と分化の調節機構解明とその臨床応用への基礎的検討
a. 甲状腺腫瘍細胞の浸潤性を標的とした甲状腺癌の診断と治療
b. 細胞シートを用いた甲状腺組織再構築法の確立と臨床応用への基礎的検討 |
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(高野教授・磯崎助教授) |
| 6. |
生活習慣病におけるステロイドホルモンの病態生理的役割の解明
a. アルドステロンと生活習慣病
b. コルチゾールと生活習慣病 |
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(高野教授・田辺准講師) |
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*テーマの内容・受け入れ人数については
PDFファイルをご覧ください→ |
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| 大学院卒業生の声 |
大久保 由美子
私は平成3年に本学医学部を卒業し、直ちに内科学第二分野の大学院に入学し,高野先生、肥塚先生の御指導のもと、インスリン様成長因子(IGF)についての研究を始めました。平成7年大学院修了時に学位論文「IGF結合蛋白の病態生理学的研究」で学位を取得しました。その後も第二内科で臨床活動をするとともにIGFに関する臨床的な研究を続け、平成8年から2年間、米国NIHのDerek
LeRoith博士の研究室に留学し、IGF type 1受容体 (IGF1R)の細胞内情報伝達の基礎研究を行いました。また平成11年から3年弱、英国Oxford大学、Cambridge大学小児科のDavid
Dunger博士のもとに留学し、IGF1Rの臨床的な研究を更に深めました。平成14年帰国後は本学第二内科でIGF研究、臨床、教育に励んでいます。
私は研究志望の医学生ではなく、大学病院に在籍すると研究をするんだなあ、くらいの甘い認識の持ち主でありましたが、大学院進学が契機となり、先生方の御指導のもと研究を始め、海外留学にも2回も行かせて頂きました。日本でも海外でも臨床医として研究する楽しさや意義を痛感し、研究を始めたのが研究に専念出来る大学院進学であったことが、今でも研究を好きで続けていられる理由であると思います。臨床医を目指す後輩の皆さんにも、研究の意味や楽しさを知って頂きたく、大学院入学をお勧めします。是非,一緒に勉強しませんか。 |
関 敏郎
私は平成4年に熊本大学医学部を卒業し、本学第二内科に研修医として入局しました。二年間の研修を修了後、内科学第二分野の大学院に入学しました。研修期間に医局の諸先輩方の臨床と研究を両立している姿を拝見するうちに、これぞ大学人の理想であると思い入学を決意しました。
第二内科の場合、研究の実績の高い人材も多く、研究の条件はそろっています。そのためか、血管内皮由来のホルモンの研究に集中でき、それなりの結果を学術論文としてまとめることができました。大学院時代に、私自身の臨床と研究を両立させるというスタイルの基礎ができたと考えます。
平成10年に卒業後は、大学院時代に研究の基礎が修得できていたこともあり、留学もスムーズに決まり、米国アラバマ大学バーミングハム校遺伝子治療センターにおいて、アデノウイルスベクターの研究に従事することができました。平成14年に帰国後は留学時に身につけた知識と技術を生かし、本学第二内科で研究、臨床、教育に頑張っています。皆様、是非一緒に研究しましょう。 |
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