6.血液透析における注意点(特に自己管理について)  

適切なドライウェイト(DW)の設定

透析終了時の目標体重をドライウェイト(DW)として設定します。 透析を始めるまで、特に腎機能が正常なときは、体重の増減は、「太ったか、痩せたか」によって自然に決まっていましたが、透析を始めると、透析ごとに機械的にDWで終了するので、「太ったか、痩せたか」がわかりません。そこで、約1ヶ月ごとに適正なDWを、むくみや血圧、心胸比(心臓と胸郭との比;CTR)などを参考にして決める必要があります。

例えば、DWがきつくなる(太ってくる)と、血圧は低下傾向になり、透析後半に足が攣ったり、耳鳴りなどが出現することもあります。また心胸比は小さくなります(循環血液量が減少していることを示します)。

逆に、食事がうまく食べられなかったりすると痩せるのが普通ですが、DWをそのままにしておくと、身は痩せて、その分だけ体液が過剰なままの状態になり、血圧が上昇し、むくみが出現、心胸比が大きくなります。

体重管理

血液透析を開始すると、尿量が減って、透析と透析の間に体重が増えるようになります。この体重増加は、太ったのではなく、単に1~2日の「水分摂取量」と「尿量」の差に相当します。この増えた体重分を4時間の透析で除去する(除水といいます)必要がありますので、あまり増えすぎると、急に血圧が下がったりして透析を行うこと自体が困難になります。

1回の透析での除水量は体重の3~5%以内が理想的とされています。60kgであれば1.8~3.0kgです。 この体重の増加は水分摂取量によりますが、水分だけを制限するのは非常に苦痛です。人間は「のどの渇き」に合わせて水分摂取をしますので、「のどの渇き」を起こさないようにすることが非常に大切です。「のどの渇き」は、血糖値が上がったり、尿素窒素が上がったりしても、感じますが、一番は「塩分を摂ったとき」です。

単純に計算すると、2kgの体重増加は、2リットルの体液が増加することになります。
血液のNa濃度を140mEq/Lとすると、 増加Na量は、140(mEq/L)x2(L)=280 mEqであり、1gの塩分はNaだと17mEqなので、280/17=16gに相当します。

このように増加する体重は塩分摂取量によって決まってくるので、体重増加が多い場合は、塩分摂取を控えるようにしないと、なかなか体重増加(除水量)を減らすことができないことがわかります。

これが2日間だとすると、1日当たり8gの塩分摂取をしたことになります。

食事制限

血液透析を始めたら、蛋白質摂取量は少し多めに摂ります(体重あたり1.2~1.4g)。塩分は上述のごとく、できるだけ控えるようにします(6g)。カリウム制限は、透析前の血清カリウム値にもよりますが、多くならないようにします。蛋白制限が緩やかになるために、食事中のリンはかなり制限する必要が出てきます。血液透析を十分に行っても、リンの除去は十分でなく、食事でのリン制限を行ったうえに、リン吸着薬などをきちんと服用することが大事になります。