矯正外来

矯正外来

近年、歯科矯正治療を受けられる方が増えてきています。これは、現代人の食べ物が軟食化にあることで咀嚼回数が減り、顎が小さくなり、歯と顎の大きさに不調和が生じることで、歯並びが悪い人が増えたことも一つの要因といわれています。一種の現代病ともいえるでしょう。
実際、歯並びが悪いとどのような弊害があるのでしょうか。「歯並び」というとつい前歯の歯並びだけを考えてしまいがちですが、歯並びが悪いということは「咬み合わせ」が悪いということなのです。上下の歯の咬み合わせが悪いと、むし歯や歯周病になりやすいといった口の中の症状だけでなく、顎関節症、胃腸障害、頭痛や肩こりなど、全身の不調を引き起こすともいわれています。
また、歯並びが悪いことに対するコンプレックスから、精神面にも影響を及ぼすこともあります。

では、歯並び、咬み合わせが悪い場所にはどのような治療をしたらよいのでしょうか。一つには補綴治療といって、詰め物、被せ物や差し歯など人工材料を使って修復する方法、もう一つは歯に装置を装着し、ワイヤーに力を加えて良い咬み合わせの位置へ歯を動かし、自分の歯で咬み合わせを再構築する矯正治療です。どちらも適応する症例としない症例があり、またメリット、デメリットがありますので、専門の歯科医師の相談を受けることが望ましいと思われます。

日本でも、八重歯がかわいいといわれたのはもう昔のこと。ますます国際化が進む社会では、美しい歯並び、良い咬み合わせは、重要な資質となるでしょう。

担当:竹井 邦男

矯正治療の流れ

  1. 初診・相談
    どこが気になるのかなどを聞き、口腔内の状態顔、口元などを見て、おおまかな治療法、期間、費用等について説明します。
  2. 精密検査
    歯や顔、口元の写真や、歯や顎の骨のレントゲンなどを撮影、歯型の採取などを行い、矯正に必要な資料を集めます。
  3. 診断
    具体的な治療法(使用する装置、手術法、治療期間、費用など)について説明します。
  4. 装置除去・保定開始
    歯につけていた装置を外し、獲得された良い噛み合わせやきれいな歯並びが元に戻らないようにリテーナーという取り外し可能な保定装置を使います。数カ月毎の通院で約2年間。
  5. 保定終了
    約2年間の保定が終わったら、矯正治療は終了です。できればその後も、年1~2回の定期検診を受けて、良くなった噛み合わせや歯並びを維持しましょう。

歯並びが悪いとどんなことになるでしょうか?

  1. 食べ物をかみ砕く機能が低下する。
  2. そのために、食物の消化吸収が低下し、健康を害する恐れがある。
  3. 歯磨きがしにくく虫歯になりやすい。
  4. 歯肉が炎症を起こしやすく、歯槽膿漏にもかかりやすくなる。
  5. 正しい発音が出来ない。
  6. 口元が醜く、人にいやな印象を与える。
  7. 劣等感が芽生え、精神面に悪い影響を与える。

このように歯並びが悪いことによって起こるいろいろな問題を、体の成長発育を上手に利用して顎や口の本来の働きを取り戻すために、機械的、機能的な方法を応用して、そのひとの個性に最もよく調和した正しい姿に戻してあげようというのが歯科矯正学であり、矯正治療なのです。また近代医学がそうであるように、歯並びが悪くならないように予防することも、私たちのもう一つの大きな役目であり、むしろそれが本当の仕事なのです。

悪くなってしまったものを治すには、長い時間と多くの費用がかかります。いまわし癌や他の病気の場合と同じように、ここでも早期発見早期治療があくまでも根本的原則です。そのためには、定期的に検診を受け、お口に関心を持つことが大切です。

矯正治療 Q&A

Q、何歳頃に相談したらいいの? また、年齢制限はあるの?
A、症例によって治療開始時期は異なります。不正に気がついた時点で相談されるのがよいでしょう。年齢制限は、基本的にはありません。歯と歯周組織が健全でしたら何歳でもできます。

Q、治療期間や費用は?保険は効くの?
A、症例によって、期間や費用は異なります。本格的な治療においては月に1〜2回の通院で1〜3年位かかります。また基本的には矯正治療は自費診療になりますので、保険は適応されません。ただし、施設認定を受けた医療機関では保険が適応される症例もあります。(東京女子医科病院も施設認定を受けています)

Q、歯を抜くことはありますか?
A、もちろん歯を抜かないで治療ができるにこしたことはありませんが、不正の程度が大きい場合などは抜歯が必要なこともあります。咬み合わない歯が多数あるよりも、歯の本数が減っても残りの歯が正しく咬み合うことが大事だと考えます。

Q、目立たない装置はあるの?
A、以前は金属製の装置が主流でしたが、今は審美性の高い半透明のセラミックの装置もあり、それほど目立たなくなりました。ただし、裏側からの矯正は当院では扱っておりません。

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Q、痛くないの?
A、歯に弱い力をかけて歯を動かしますので、初めて装置をつけたときは3〜4日程度が痛くなりますが、1週間位で慣れます。

Q、矯正治療中のむし歯が怖い!
A、装置がついていても歯磨きをきちんとすれば、むし歯にはなりません。むしろ悪い歯並びで一生いる方が、むし歯になりやすいといえるでしょう。

外科的矯正治療について

「首からカメラをさげ、眼鏡をかけた出っ歯」をいうのが、欧米における日本人のイメージだったことがありました。果たして、そんなに日本人は出っ歯なのでしょうか。実は日本人には受け口が多く(発現頻度は100人中5〜6人)、矯正治療を希望される方の約1/3が受け口と言われています。これに比べて、アメリカでは白人に限ると受け口の発現頻度は100人に1〜2人位です。むしろ上顎が出ているタイプの人が多いのです。これは人種的な骨格の違いによるもので、日本人の頭は幅が広く奥行きの浅い、いわゆる短頭型をしているため、どうしても受け口になりやすいのです。即ち、上顎と下顎の位置や形態のバランスの違いによるいわゆる骨格性の受け口(反対咬合)が比較的多いと言えます。

受け口にかかわらず、このような骨格的に問題のある不正咬合の治療法としては,普通歯列矯正のみで治療できる場合と、歯列矯正を行うとともに顎の骨を切って移動させる外科手術が必要となる場合があります。骨格のズレが大きいほど、外科手術の可能性は高くなります。

骨格に問題のある不正咬合としては下顎の出ている反対咬合だけではなく、上顎の引っ込んでいる反対咬合、上顎の出ている上顎前突、下顎の引っ込んでいる上顎前突、上下顎が出ている上下顎前突、前後的なズレでなく左右的なズレの顔面非対称など、様々な要因による症例があり、それぞれ歯列矯正の治療法や外科手術法が異なりますので詳しい検査をする必要があります。また、外科手術は矯正治療と平行して行うため、口腔外科医と矯正歯科医との 綿密な連携プレーが必要となりますので、そのようなシステムが確立されており、総合診断のできる医療機関での治療が望ましいと思われます。

なお、手術は口の内側から行うので、傷跡が目立つ心配はありませんが、2〜3週間の入院が必要となります。手術の種類、金額は症例により様々ですが、平均的な手術代を合わせた矯正費用の金額は60万位です。

骨格性反対咬合

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術前

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術後

骨格性開咬

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術前

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術後

骨格性上顎前突

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術前

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術後

外科的矯正治療の流れ

  1. 初診・相談
    どこが気になるのかなどを聞き、口腔内の状態顔、口元などを見て、おおまかな治療法、期間、費用等について説明します。
  2. 精密検査
    歯や顔、口元の写真や、歯や顎の骨のレントゲンなどを撮影、歯型の採取、顎機能検査などを行い、矯正に必要な資料を集めます。
  3. 診断
    具体的な治療法(使用する装置、手術法、治療期間、費用など)について説明します。
  4. 術前矯正
    歯を動かすための装置を装着し、通常3~4週間に1回通院していただき、手術に備えた矯正治療を行います。(1~2年間)
  5. 外科手術
    顎の骨を切り移動させる手術を行います。2~3週間の入院が必要となります。
  6. 術前矯正
    約半年~1年間、細かい噛み合わせの構築を行います。
  7. 装置除去・保定開始
    歯につけていた装置を外し、獲得された良い噛み合わせやきれいな歯並びが元に戻らないようにリテーナーという取り外し可能な保定装置を使います。数カ月毎の通院で約2年間。
  8. 保定終了
    約2年間の保定が終わったら、矯正治療は終了です。できればその後も、年1~2回の定期検診を受けて、良くなった噛み合わせや歯並びを維持しましょう。

歯科矯正治療の受診について

治療について

  1. 長い時間かかります。
    虫歯の治療や、抜歯、入れ歯などと違って短期間で治るものではありません。治療期間は症例によって異なりますが、3〜4週間に1回を原則にして治療の難しい人ほど期間もかかります。経過観察の場合は、2〜6ヶ月に1度様子を見させてもらいます。
  2. 本人のやる気とご家族の協力と理解がなにより必要です。
    長期にわたることですから治療を始める前に、お互いに理解することがとても大事なことです。治療のあらましについて良くおわかりになりましたら、ご家庭でしっかり相談なさってください(できれば学校との連絡をとられたうえで)。充分通院できる見通しがつき次第治療にとりかかりたいと思います。
    治療を始めましたら、指示に従って規則正しく通院してください。せっかく治療を始めても途中でおやめになるのではなにもなりません。なお、3ヶ月以上無断でお休みになった場合は、私供にも責任をもちかねますので契約破棄されたものとみなして取り扱います。
  3. いろいろな検査
    どうして悪くなったか、どこがどんなふうに悪いか、どうしたら良くなるかを知るためには、詳しく調べなければなりません。このために、歯の型や詳しいかみ合わせ、口や顔の写真、歯や頭のレントゲン写真などをとらせていただきます。この検査結果をもとにして、治療方針、内容、期間、料金などについてお話いたします。

費用について

初診料・相談料 3,150円
検査料・診断料 63,000円
成人矯正料 735,000~945,000円
小児(部分)矯正料 105,000~315,000円
処置料 1,050~5,250円
その他 抜歯、インプラント固定、CT費用など

※初診料・相談料
初回御来院の時に矯正治療について相談や説明します。

※検査料・診断料
相談の結果、検査を希望される方は、歯の型、レントゲン写真などの詳しい検査が必要に応じて行われます。

※矯正料
矯正料金は治療内容や難しさによって異なり、診断時に決定します。ただし、虫歯の治療、抜歯、手術、義歯等、矯正治療以外の料金は含みません。
唇顎口蓋裂の患者さんの矯正治療には、保険が適用されます。また、育成医療の申請も出来ます。

※処置料
毎回の装置の調整や交換など。

※納入方法
支払いは一括支払いと分割払いがあり、矯正治療開始時に納めていただきます。いったん納入された費用は返却いたしかねますので、転勤などで治療を中止することがないようにしてください。また、その可能性のある方は、なるべく治療開始前に御相談ください。

※矯正料金の追加
患者さんの不注意による装置の破損、紛失等が度重なる場合には、その実費を請求することがあります。

※その他

  • 治療上必要な注意事項を守れない場合は、治療の継続をお断りすることがあります。
  • 夏休みなどで、しばらくおいでになれないときは、あらかしめ御相談ください。
  • 器械の使い方や、注意していただきたいことなどについて、説明したいこともありますし、保護者の方とのチームワークをはかるためにも、初めの数回はお子様と御一緒においでください。
  • その他なにかわからないことや意見などがございましたら、いつでも御相談ください。

インプラント矯正

これまでの矯正治療では、ヘッドギアなどの頭から装置をかぶる方法が多く取られてきました。でもこれは、着けたまま外出しづらいなどの制限があり、患者さんの協力次第で効果がでるというものでした。
インプラント矯正は、小さいスクリューを歯茎に入れ、これを引っ張る土台(固定源)にして歯を動かします。今までの方法と違って、休みなく引っ張り続けるので、治療期間が短くなりますし、より確実で制度の高い治療結果を得ることが出来るようになりました。

【インプラント矯正の特徴】

  • 痛みがほとんどなく、安全で確実な治療が行えます。
  • 難しい不正咬合(良くないかみ合わせ)の治療もできるようになります。
  • より精度の高い治療結果が期待できます。
  • 治療期間が短縮されます。
  • 患者さんにヘッドギアなどの面倒な装置の使用をお願いしなくてよくなりました。

【治療の手順】

  1. スクリューの植立
    麻酔の後、歯ぐきなどに小さなスクリューを入れます。一本入れるのに30秒から1分位かかります。
  2. スクリューの安定
    スクリューが安定するのを待ちます。すぐに安定する場合もありますし、少し期間を要する場合もあります。その間にスクリューがゆるむとか、違和感があれば先生に連絡してください。
  3. 移動開始
    スクリューを土台にして、ゴムやスプリングをかけて歯の移動を開始します。
  4. スクリューの除去
    スクリューの除去の時期には個人差がありますが、通常半年〜1年が目安です。
    スクリューを逆回しして外し、ほとんど痛みはありません。
    スクリューが入っていた穴は1日ですぐにふさがります。

治療期間
かみ合わせの度合いによって、半年から1年半くらいかけて正しい歯並びにしていきます。
この間、定期的に来院していただきます。

ワイヤーを使用しない矯正治療(マウスピース型)

ブラケット、ワイヤーを使用しないで、着脱可能で透明なマウスピース状の装置で歯を動かす、クリアアライナーという矯正装置です。
手軽に治療可能ですが、適応症例が限定されるので、良く理解した上で治療を受けられますようお勧めいたします。

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治療前

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治療後