X線透視

1.概要

透視検査とは、Ⅹ線を連続又はパルス出力することによって体内や骨などを観察、処置するための検査です。 バリウム製剤を使用した胃の検査がよく知られていますが、それ以外にも造影剤を使用したさまざまな処置や検査、関節や靭帯の損傷具合をみるための撮影など多岐にわたっています。

2.特色

当院には透視検査室が5室あり、総合外来センターに3台、中央病棟に2台が設置されています。

外来検査室(総合外来センター)

多くの診療科の検査を行うことから、その種類も多岐にわたっています。中でも泌尿器系の尿管カテーテルや透視下チューブ交換は1か月に40例前後と、 日本でも有数の規模です。 外来患者さんの術前検査や胃瘻交換などの処置、透視下で行う小腸内視鏡検査、整形領域のスロット撮影、断層撮影も透視室で行っています。

病棟検査室(中央病棟)

入院検査および救急検査に迅速に対応できるように各診療科と密接に連携して、さまざまな検査・処置を行っています。
さらに、栄養管理や輸液投与ルートを確保するという点で重要なCVカテーテル(中心静脈カテーテル)の挿入・交換などは、同検査室に設立されたCVセンターにて行っています。 全病棟の患者さんの手技を当センターのCV登録医が行うことで安全性の向上が図られています。

3.装置・検査方法の説明

断層撮影(トモシンセシス)

断層撮影は、1回の撮影で複数枚の画像を作成でき、分解能がきわめて高く、金属アーチファクトの影響の少ない画像が得られる撮影法です。言葉の由来はTomography(断層)とsynthesis(統合、合成)からの 造語です。近年、大視野フラットパネルディテクタ(FPD: Flat Panel Detector)の登場による平面性の改善および撮影範囲の拡大、 再構成技術の導入などによって、新しい撮影手法として注目され、 整形領域をはじめとして各種診断への応用が検討されています。

スロット撮影(スロットラジオグラフィ)=脊椎の撮影

スロット撮影とは、Ⅹ線をスリット状に絞り、平行移動させながら撮影し、自動的につなぎあわせる手法です。 全ての脊椎を一度に観察する撮影で、全脊椎撮影といい頸椎から股関節まで全体を撮影する方法です。一般的にはⅩ線撮影室で行いますが、当院ではスロット撮影ができるⅩ線透視装置があります。
Ⅹ線透視室で撮影する利点は、散乱線の影響を抑えた高画質な長尺画像が低線量で得られること、かつ長手方向の歪みが小さいことから高精度な計測に利用できることです。 当院の全脊椎側面の撮影は、両股関節の骨頭を正確に合わせることで、より精度の高い計測が可能となります。整形外科医が症例に応じて、全脊椎撮影か、スロット撮影かを決めています。

成人・小児ビデオウロダイナミック検査

泌尿器の検査です。膀胱や尿道の形態、膀胱の充満時や排尿する時の筋肉の状態、残尿量などを調べます。ウロダイナミック用の専用の機械を用いて排尿障害や尿失禁、頻尿、腎盂腎炎や尿路感染症の原因検索、 先天性疾患の有無などを検査します。乳幼児や男性の排尿障害だけでなく、近年マスコミなどでも取り上げられている女性の尿失禁や頻尿の検査に非常に有用です。

ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)検査

1969年に当院の大井医師らによって報告され、世界中に広まり、現在では一般的に行われています。
内視鏡(側視鏡)を十二指腸まで挿入し、その先端よりカテーテルをファータ乳頭から総胆管内に進め、胆道系(総胆管、肝内胆管、胆嚢管)、膵管を直接造影する安全性の高い検査です。 胆道系、膵管の造影検査や直接管内の組織を採取する細胞診に用いられます。 また総胆管結石の採石術、胆管狭窄に対するドレナージ術、ステント留置術などさまざまな治療にも用いられています。本院の検査件数は年間300件です。

4.取り組み

新しい技術

整形外科のスロット撮影における評価法、消化器の断層撮影の検討など、さまざまな診療科の医師と連携して積極的に取り組んでいます。

チーム医療

苦痛を伴う検査や処置は、患者さんのストレスが軽減できるように医師、看護師、診療放射線技師が連携し、可能な限り患者さんと対話しながら実施しています。

医療安全

医師、看護師、診療放射線技師、それぞれが患者情報を確認し、検査内容を把握・共有することを徹底しています。 あらゆる場面でのリスクを想定して危険回避のための確認を行っています。