カテーテル治療室

 カテーテル室は6室あり、医師、看護師、診療放射線技師など多職種と連携して冠動脈疾患、末梢血管疾患、構造的心疾患(SHD)、不整脈疾患などの検査・治療を行っております。カテーテル関連機器の操作が主な業務ですが、必要時、緊急時には人工呼吸器、麻酔器、除細動器、体外式ペースメーカ、補助循環(IABP、Impella、ECMO)などの操作管理も行っております。

 カテーテル分野は日進月歩著しく常に知識のアップデートを行い、検査・治療における役割を全うする必要があります。

【カテーテル検査】

 冠動脈や心血管の形態的評価である造影が主たる検査ですが、臨床工学技士はポリグラフ、心臓電気刺激装置(スティムレータ)などの機器を操作し、心内圧測定、心拍出量測定、弁口面積算出、シャント率算出、酸素消費量測定、冠血流予備量比(FFR)、心臓電気生理検査(EPS)などを行っております。

 また、当院は心臓移植実施施設であり、心筋症診断や心臓移植患者フォローアップのため心筋生検が多く行われているのが特徴です。

【冠動脈カテーテル治療(PCI)】

 年間約500例のPCIを行っており、ポリグラフによる患者生体情報のモニタリング、治療デバイスの記録、血管内超音波(IVUS)や光干渉断層撮影(OCT)などの画像診断機器の操作による血管内の計測解析など様々な治療のサポートをしています。高度な技術が必要であるロータブレータ、エキシマレーザー、DIAMONDBACKなどのサポートも行っております。

【末梢血管カテーテル治療(EVT)】

 当院のEVTは年間300例を超え、閉塞性動脈硬化症の治療をはじめとして東京都内で最も多くの治療を行っております。IVUSの操作、CROSSER Systemのサポートも行っております。

【構造的心疾患(SHD)カテーテル治療】

 経皮的僧帽弁形成術(MitraClip)を国内では先駆けて行っており、左心耳閉鎖術(WATCHMAN)も実施施設となっております。経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)はハイブリッド手術室で人工心肺室と連携し治療のサポートを行っております。

 また、経皮的心房中隔欠損孔閉鎖術、経皮的動脈管開存閉鎖術を含め先天性心疾患に対するカテーテル治療も行っております。

【カテーテルアブレーション】

 年間約400例、発作性上室性頻拍、心房細動、心房粗動、心房頻拍、心室性期外収縮、心室頻拍など全ての不整脈に対してアブレーションを行っております。また、小児および先天性心疾患に関連したアブレーションも多いのが特徴です。

 ポリグラフ操作による心内心電図解析、スティムレータ操作、三次元マッピングシステム操作、アブレーション装置(高周波、冷凍)操作など治療における非常に重要な役割を多く担っております。

【植込み型心臓電気デバイス(CIED)】

 ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)をはじめリードレスペースメーカ、完全皮下植込み型除細動器(S-ICD)、植込み型心臓モニタ(ICM)など全てのCIED管理を行っております。

 植込み術は年間約300例、うちCRTが80例と多いのが特徴です。外来フォローアップ患者は約1,900名、うち遠隔モニタリング導入患者は1,400名を超えております。定期外来は遠隔モニタリングを併用し年間約2,300件、救急外来、院内チェック、立会いは年間約1,000件と国内有数の件数を誇ります。

 また、着用型除細動器(WCD)の指導管理も多く行っております。

【リード抜去】

 ペースメーカ、ICDなどのリード抜去は国内で先駆け、エキシマレーザシースやEvolutionなどパワードシースを使用し感染やリード不全などを対象に年間30~40例行っております。

 合併症リスクが高いため循環器内科および循環器小児科、心臓血管外科、麻酔科、看護師、放射線技師、人工心肺と多くの連携が必要不可欠であり、入念な準備とカンファレンスを経て、ハイブリッド手術室でのリード抜去をサポートしております。