
心ひとつに、安全で信頼されるチーム医療の未来をめざして
2026年6月1日付をもちまして、東京女子医科大学 臨床工学科の教授に就任いたしました齋藤 聡(さいとう さとし)でございます。
私はこれまで30年以上にわたり、心臓血管外科医として補助人工心臓の治療や心臓移植など、極めて高度な医療の現場に携わってまいりました。そこはまさに、一分一秒を争う過酷な現場です。その中で、患者様の命の防波堤となり、最先端の医療機器をいつでも安全に動かしてくれたのが、臨床工学技士の皆様でした。
現場で技士の皆様と生死を共にしてきたからこそ、私はその専門技術の高さと、チーム医療における重要性を誰よりも深く実感しております。これからは、心強いパートナーであった技士の皆様と共に、より良い医療を皆様に届けるための新しい歩みをスタートさせてまいります。
新体制のスタートにあたり、私たちは現場の皆様、そして患者様のために、次の4つの約束を大切に守り、地道に進んでまいります。
- 1. 共に学び、共に育つ「人づくり」
本学の建学の精神である「至誠と愛」を心に抱き、現場で自ら深く考え、誠実に行動できる医療者を育てます。医師や看護師、技士が互いの専門性を尊重し、壁を越えて共に学び合えるシミュレーション教育の場を充実させます。また、日々の臨床で気づいた課題を研究に活かし、現場に根ざした新しい工夫や成果を広く世の中に発信していきます。 - 2. 医療を支える新しい技術の追求
日々進化する最新のテクノロジーを視野に入れながら、どうすれば医療機器を「もっと安全に、もっと患者様に優しく」運用できるかを、実務の視点から実直に研究・開発していきます。 - 3. 附属3施設のあたたかな連携
本院、足立医療センター、八千代医療センターの3つの臨床工学科がしっかりと手を結び、これまでそれぞれの施設に蓄積されてきた大切な知識や経験をみんなで共有します。お互いに支え合い、力を合わせることで、どこにおられる患者様にも同じように質の高い安心をお届けします。 - 4. 医療の安全と、安心できる病院運営
これまでの医療安全マネージャーとしての経験を活かし、個人の努力だけに頼らない「組織全体で命を守る仕組み」を定着させます。機器の稼働状況や寿命を正しく可視化するデータベースを整えることで、過剰な投資を抑え、本当に必要なメンテナンスを丁寧に行います。医療の安全を最優先に守りながら、無駄のない持続可能な病院運営を足元から支えます。
まずは技士の皆様、そして職員の皆様と一緒に、組織の足腰をしっかりと固めることからはじめます。そして地道な実績を積み重ねた先に、将来の目標である「講座としてのさらなる発展」を見据え、一歩一歩あせらず丁寧に進んでまいりたいと存じます。
患者様やご家族の皆様、そして学内外の多くの皆様に「女子医大の臨床工学なら安心だ」と心から信頼していただけるよう、誠心誠意、尽力してまいります。
今後とも温かいご指導とご鞭撻、そして皆様のご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
東京女子医科大学 臨床工学科
教授 齋藤 聡