研修概要

若手医師・女性医師・コメディカルの研修について

本学新生児集中治療室(NICU)で研修の受け入れを行い、周産期医療に専門的に従事できる研修医、助産師、看護師を養成します。研修期間は原則として若手医師の基本的な研修には1年、女性医師の復帰支援のための再教育には3ヶ月または6ヶ月の短期研修としますが、本人および地域、施設の事情に応じて短縮可能です。

プログラムの実施内容・実施体制

①本学NICUにおける人材養成プログラムの実施内容・実施体制

  • 研修期間は研修医のすでに獲得している能力に準じて対応できるように、3か月、6か月、12か月とする。
    • 育児中の女性医師に関しても、研修期間を自由に選択することで、育児と研修を両立させる。
    • 地域の医療施設からの研修の受け入れも、研修期間を選択可能。
  • 研修期間中の給与を補助。
  • 指導医のなかで特別に研修医に指導を行った場合には、指導手当を支給する。
  • 医療秘書の資格所持者を新たに雇用し、指導医および研修医の医療現場での書類作成、地域の保健所あるいは児童相談所との連絡、長期入院児の退院あるいは転院先の決定等の業務を代替する。
  • 新生児蘇生法シミュレーションモデル等を購入して研修に使用する。
    • 研修医以外にも看護師、助産師、学生が利用できるように配置し、研修医以外の周産期医療従事者の新生児蘇生法技術の向上の目的に使用する。
  • 周産期医療に従事する研修医、助産師、看護師の知識の向上のために、学会・研究会等への参加を促し、この費用についても補助を行う。
  • 周産期医療に従事する研修医、助産師、看護師が十分な研修の終了後には、地域の医療機関に紹介し、地域の周産期医療のレベルの向上に資する。
  • 前期臨床研修医についても、1か月単位でNICUでの臨床研修を選択できるカリキュラムを作成している。

②人材養成のための勤務環境整備プログラムの実施内容・実施体制

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  • 男女共同参画推進局の女性医師・研究者支援センター、女性医師再教育センター、看護職キャリア開発支援センター、の各センターが「NICUにおける人材養成」を、社会的に要請される重要な事業と認識し、女性医療人の育成が本学の使命であることを鑑みて、全面的な協力を実施する。
  • ファミリーサポートシステムの構築にあたっては、地域との幅広い連携の元、地域住民や周辺学校、NPО等からサポーターを集い、NICUで研修を受ける若手医師、女性医師、助産師、看護師、臨床心理士等に対して多用なニーズに対応した支援ができる体制を整える。

研修プログラム

  • 基本的な知識と手技については共通とし、カリキュラムは研修期間に応じて変更する。 3か月の研修中に最低限経験すべき症例および手技は以下の通りで、研修期間により複数回経験する必要がある。



東京女子医科大学母子総合医療センター
新生児部門研修プログラム(2009年5月版)

1. 研修の到達目標
2)
検査
  基本的な新生児患者の病態の理解。
A.
血糖測定
  採血、静脈ライン確保等の手技の修得。
B.
総ビリルビン、ヘマトクリット測定
  一般血液検査およびその介助法の理解。
C.
血液ガス分析
  ジャーナルクラブでの論文紹介。
D.
マイクロバブルテスト
  学会等での症例発表。
E.
頭部超音波検査
2. 新生児疾患の理解
F.
PDA、VSD 等の心疾患の超音波診断
  研修中に以下の講義を受ける。
G.
ガスリー検査
1)
新生児医療体制
3)
病態を理解し、経験することが望ましい疾患
2)

正常新生児の一般的養護
A.
超低出生体重児
3)
病的新生児の電解質、栄養管理
B.
RDS
4)
新生児蘇生法
C.
CLD
5)
新生児呼吸器疾患の種類とその治療
D.
PDA
6)
新生児循環器疾患の種類とその治療
E.
TIN
7)
新生児神経疾患の種類とその治療
F.
MAS
8)
新生児感染症の管理
G.
先天肺炎
9)
新生児代謝内分泌異常の管理
H.
気胸
10)
ハイリスク児のフォローアップ
I.
頭蓋内出血(外傷性、非外傷性)
3. 具体的な到達目標
J.
PVL
1)
手技
K.
SFD
A.
採血
L.
新生児仮死
  ランセットによる足底穿刺
M.
敗血症
  注射針による末梢静脈穿刺
N.
血液型不適合黄疸
  注射針による動脈穿刺
O.
初期嘔吐
  毛細管での採血
P.
消化管奇形
  血液濾紙での採血
Q.
ダウン症
B.
静脈ライン
R.
メレナ
  留置針による末梢静脈確保
S.
チアノーゼ性心疾患
C.
PIカテーテルの挿入、固定
4)
分娩立会
D.
A-ラインの確保
A.
新生児蘇生法
E.
気管挿管
B.
新生児蘇生の介助
F.
肺サーファクタント投与
5)
ジャーナルクラブでの論文紹介
G.
腰椎穿刺
6)
研究会等での症例発表
H.
交換輸血    


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