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神崎教授

  

ご挨拶

神崎教授
東京女子医科大学医学部
呼吸器外科学講座
教授・機関分野長 神崎正人

東京女子医科大学呼吸器外科学講座のホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

平成29年1月30日より、呼吸器外科学(平成30年10月外科学(第一)より講座名変更)講座の教授・機関分野長を拝命している神崎正人でございます。

大学病院では、「診療」、「教育」、「研究」という3つの大きな役割があります。私どもの呼吸器外科学講座では、「診療」、「教育」、「研究」のバランスを保ちながら、低侵襲手術、特にロボット手術を中心とした高精度の手術操作が要求される外科治療(「診療」)を行っています。「教育」では、知識、技能、コミュニケーション能力を3本の柱として、医学知識の習得に加え、倫理観を育て、安全な医療を提供する医師の育成、特に、女性呼吸器外科専門医、指導者の育成、近年は多様性(=ダイバーシティ)を重視した育成を実践しております。また、「研究」では臨床応用を念頭に置き、先進的な医療に結びつく研究を推進しております。

臨床において、具体的には、当科では呼吸器外科専門医9名(令和7年8月現在)を擁し、本院ならびに足立医療センターの肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔疾患、気胸肺嚢胞性疾患、膿胸、胸壁を中心とした胸部の外科診療を行っています。手術の約9割は胸腔鏡手術で行い、そのうちロボット手術が9割占めております。ロボット手術のコンソール医師の認定は6名を擁し、入局後は第1助手の認定を取得し、ロボット手術に参加しています。胸腔鏡手術では、当科では約30年前から独自のソフトを用い、胸部CT画像から個々の症例で3次元肺構築モデルを作製し、術前カンファレンスでオーダーメイドシミュレーションを行なって参りました。現在は、3次元画像解析システムに加え、複合現実(Mixed Reality)により、術前シミュレーションならびに術中ナビゲーションを行っております。また、大学病院として、併存症を有する手術症例は各科と密に連携して治療を行っております。間質性肺炎、慢性閉塞肺疾患など呼吸器疾患合併の手術症例では呼吸器内科、循環器疾患、腎・泌尿器疾患、糖尿病、神経疾患等合併症を有する症例に対し、関連の内科・外科と連携しています。さらに、呼吸器内科、病理診断科、画像診断・核医学科との呼吸器カンファレンスや、肺がんを中心とした胸部悪性腫瘍の治療では、東京女子医科大学がんセンターでの症例検討会を通し、診療科を超えた横断的がん医療により最善の医療を目指し、日夜診療を行なっております。今後は、特に罹患率の高い肺がんの診療にあたり、ロボット手術支援装置も利用した胸腔鏡手術の手技の精度を高めて参ります。何より、患者さんに寄り添い、患者さんの意思を尊重し、大学病院として横断的がん医療、トータルケア、集学的治療を行なって参ります。

教育においては、卒前教育からシームレスに卒後教育に移行するために、テュートリアルと連動した診療参加型臨床実習に力を入れています。実習では、手技のトレーニングを取り入れ、ロボット手術では実機を用いたトレーニングプログラムを実施しています。卒後教育では、手術における安全なスキルの習得、専門医取得など、キャリアアップ出来る環境を作ってまいります。呼吸器外科、肺の局所解剖を3次元画像解析システム、Mixed Realityで理解度を高めています。当科では、依然女性外科医が増加しており、研修中に結婚、妊娠・出産、育児を行う女性医師に対して、関連病院と連携し、研修期間内に研修目標に到達できる体制を整えて参りました。いち早く、ライフワークバランスの改善、働き方改革に取り組んできたことで、女性医師のみならずダイバーシティの観点から医局員全員が働きやすい環境となっております。社会的ニーズの高い呼吸器外科専門医の人材育成、次世代の呼吸器外科リーダーを輩出するために、今後さらに充実した研修プログラムを確立して参ります。

研究では、臨床に直結した研究を推進し、研究者の育成に努めて参ります。研究者自ら探究心を持って研究に取り組む環境が整っています。手術関連の研究に加え、当科では、臨床研究として呼吸器外科領域では先進的な治療である「自己皮膚由来培養線維芽細胞シートを用いた肺気漏閉鎖」を行いました。現在、呼吸器領域の組織工学、再生医療を実現するために、東京女子医科大学先端生命医科学研究所との連携のもと肺の再生に着手しております。また、呼吸器外科ロボット手術も臨床研究からスタートし、今では当科の中心的な外科治療となっています。肺がんを中心とした外科治療において、より安全な胸腔鏡手術のため、技術面の向上につながる機器の開発を進めております。

臨床、教育、研究を通じ、安全な医療を提供する専門医の育成、臨床実績の向上をはかり、医局員一丸となり社会に貢献して参ります。
最後に、当科を受診された患者さん、御家族、そして御紹介いただいた先生方が安心して、満足していただけるような診療を医局員一同最大限の努力をいたします。

令和7年8月

 

 

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tel : 03-3353-8111(大代表)
東京女子医科大学病院
呼吸器外科( 東京女子医科大学 呼吸器外科学講座)

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