卒後臨床研修センターだより

さまざまな説明会やオリエンテーション、学会に参加する研修医たち。
貴重な体験報告や、臨場感あふれる行事の様子など月毎にお知らせします。

2012年12月号

ICLS講習会を受講して

卒後臨床研修センター

 ICLS(Immediate Cardiac Life Support)は、突然の心停止に遭遇したときにどのように対処すべきか、という学習の目標を示しています。実技実習を中心に構成され、受講者は少人数のグループに分かれてシミュレーション実習を繰り返し、蘇生のために必要な技術や蘇生現場でのチーム医療について学びます。

 ICLS講習会は、平成19年11月に開始され、本年11月で第26回になります。当初は研修医のための講習会として始まりましたが、現在は主管部署が医療人統合教育学習センターに移り、医療従事者を対象としています。今年度は3回の講習会を研修医や医療練士研修生、看護師、薬剤師など計43名が受講しました。来年度も3回開催される予定です。

1年次研修医 沈 卓

 これまで患者さん急変時にパニックで何もできませんでしたが、今回、基礎から丁寧に教えていただきました。学んだ知識や身につけた技術を急変時に活かせるよう、救命率の向上を目指し努力していきたいと思います。職種の違う受講生と一緒に学ぶことも新鮮でしたが、さまざまなところから集まっているインストラクターに教えていただき、楽しく学ぶことができました。日常診療では上司や同僚の医師から指導を受けることがほとんどですが、看護師さんや救命士さんからも指導していただき、自分の中に「救急救命をするのは、医師」という偏見があったことに気づかされました。これからもチームワークを大切に、頑張っていきたいと思います。

1年次研修医 鎌田 碧

 ICLS講習会で1日をかけて実技実習を行い、BLS・AEDなどに関する基本的なことを改めて確認するとともに、身につけることができました。一連の流れを何度もシミュレーションするなかで、自分の役割が何かを考え、徐々に行動に移すことができるようになりました。また、メディカルスタッフの方々と協力してひとつのチームとして参加することができ、大変有意義でした。同時に、医師として的確、かつ冷静に状況を判断し治療方針を考え、指示を出し実行していくことの難しさを感じました。実際の医療現場でも緊急時に対応できるよう、今後もこのような講習会に積極的に参加していきたいと思います。

1年次研修医 高山智裕

 ICLS講習会のシミュレーション実習を通じて、チームリーダーとしてのトレーニングを受けました。一方で各役割(胸骨圧迫、呼吸管理、静脈路確保、記録など)を体験することにより、蘇生チームの役割分担の重要性とそれぞれの役割について理解を深めることができました。また、蘇生はリーダー1人の力では行えず、複数の職種が協働して初めて可能になるということを再認識することができました。

 今後、心停止の患者さんを担当した際には、「チーム蘇生」を意識し、少しでも患者さんの力になれればと思います。

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