卒後臨床研修センターだより

さまざまな説明会やオリエンテーション、学会に参加する研修医たち。
貴重な体験報告や、臨場感あふれる行事の様子など月毎にお知らせします。

2012年7月号

EmDにて経験できること

救命救急センター 武田宗和

 救急診療部(Emergency Division:EmD)では、一次、二次救急患者診療の基本として、単に『振り分け医になること』を目指しているのではないことを伝えています。内科、外科疾患を問わず、どのような患者にも、『とりあえず診る、とりあえず向き合う医師になること』を目標に掲げて診療にあたっていただいております。したがって、他科にかかりつけで専門性の高い患者、あるいは、専門的治療を要する患者以外は、EmDの外来診療と入院加療を行っています。

 EmDの診療体制は、終日の救急車対応と平日16時以降、土曜12時以降ならびに休日終日時間外に自力で来院される患者さんに対して、初期研修医2〜3名、後期研修医・助教2名、救急専門医1名で診療にあたっています。対応する疾患は、脳血管障害、循環器疾患、呼吸器疾患、整形外科関連が多く、そのほか、消化器疾患や代謝異常、精神科疾患など多岐にわたります。初期研修医はファーストタッチで患者の医療面接、身体診察をし、上級医とともに検査のオーダー、静脈路確保、薬剤指示、小外科処置、処方など、可能な限り診断をし今後の方針の説明などを行っています。入院が必要な場合はEmDの一般病棟、あるいは、重症な場合は救命救急センターのICUに入院となり、専門医の処置が必要と判断された場合、当該科にコンサルトし指示を仰ぎ、場合によっては専門科に引き継ぎます。

 現在、EmDには、初期研修期間中EmDを経験した後期研修医が再びローテーションし、後期研修医としての臨床経験を重ねながら、自らの診療と後輩の指導にあたっていただいています。初期研修医も通常診療以外の面で、後期研修医の初期研修医時代の経験談なども勉強になっているようです。EmD開設後2年経ち、未だ課題もありますが、全診療科のバックアップをいただいていることでEmDが無事、機能している今日があります。今後とも、各診療科におかれましては、EmDの研修医からのコンサルテーションの際には、教育的配慮もいただきつつ、ご指導ご高配のほど、よろしくお願い申し上げます。

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