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2015年03月08日女子医で働く人たちの子育てを応援しています
<地域住民が子どもの保育に参加>
 新宿区河田町にある至誠会保育園から出 てきた園児と年配のご婦人。一見、おばあちゃんがお孫さんを迎えにきて家へ帰るところのようだが、実はこのご婦人は園児の身内ではない。保育園の近くに住 む河田町の住人、M.U.さんである。2歳半過ぎの園児は、隣町の余丁町に住む女子医大病院の女性医師K.K.さんの長男Hくん。Kさんの夫も別の病院の 医師である。

  

 UさんとHくんの“ふれあい”は、「女子医大ファミリーサポート」を通じて始まった。女子医大ファミリーサポートは、女子医大の職員が地域の人たちから子育て支援を受けるというシステムで、2011(平成23)年5月から活動がスタートした。

 保 育の援助を受けたい女子医大の職員と、保育の援助をしたい地域の人が、それぞれ「依頼会員」、「提供会員」として登録し、ファミリーサポート室のコーディ ネーターが両者をマッチングさせる。提供会員になるには保育サービス講習会を受講しなければならないが、これによって受講者は保育や医学に関する知識・技 術を修得できることから、地域全体の保育能力の向上も期待できる。

 具体的な活動内容は、保育園・幼稚園・学校への送迎や、その前後の子どもの預かりなどの「一時預かり保育」が中心となっている。また、「病児・病後児保育」も行っている。


<子どもを中心に地域の信頼につなげる>
女子医大ファミリーサポートの会員数は昨年11月末現在、依頼会員88人、提供会員127人を数えるが、前出のKさん(依頼会員)とUさん(提供会員)はいち早く会員登録し、Hくんが生まれてまもなく両者が知り合い、支援活動が始まった。

K さんは、「共働きで親が近くにいないため、Uさんには大いに感謝しています。息子にとっては第二のお母さんのような存在ですね。安心して子どもを預けられ ますから、同僚にもファミリーサポートの利用を勧めています」という。Uさんも、「預かる責任はありますが、子どもが日々成長していく姿を見るのは、なに よりの楽しみです」と相好を崩す。

「生命力のある子どもを中心に、親と地域が一体となって信頼をつなげていく。それがファミリーサポートのすばらしいところです」と、コーディネーターの村田律子さんが締めくくってくれた。





「広報誌 sincere1号より」