お知らせ
2026年09月18日 【プレスリリース】AIで脳MRIからジストニア刺激療法の効果を予測する「DystoniaDBSNet」を開発
学校法人 東京女子医科大学
通常の脳MRIからジストニアの脳深部刺激療法の効果をAIで⾼精度に予測
― 国際共同研究で「DystoniaDBSNet」を開発 ―
| Point ⼿術前に撮影する通常の脳MRIだけを⽤いて、ジストニアに対する脳深部刺激療法(DBS)の治療効果を予測するAI「DystoniaDBSNet」を開発しました。 1. 5施設175⼈のデータを⽤いて開発・検証し、独⽴した検証データを含む全体で95.5%の正確度を⽰しました。
2. 外部検証でも94.7%の正確度を維持し、異なる施設やMRI撮影条件でも⾼い予測性能を⽰しました。 3. 1症例あたり平均36.2秒で解析でき、将来、DBSを検討する患者さんの治療選択を客観的に⽀援する技術となることが期待されます。 |
Ⅰ 研究の背景と経緯
ジストニアは、⾃分の意思とは関係なく筋⾁が収縮し、⾸や⼿⾜、顔などにねじれや異常な姿勢、反復する動きが⽣じる神経疾患です。症状が強い場合には、脳の特定部位に電極を留置して電気刺激を⾏う脳深部刺激療法(DBS)が有効ですが、治療効果には患者さんごとの差があり、⼿術前に効果を客観的かつ⾼精度に予測する標準的な検査はありません。
本研究では、Massachusetts Eye and Ear/Harvard Medical School (USA)、University College London (UK)、University of Florida (USA)、University of Pennsylvania (USA)、東京⼥⼦医科⼤学の国際共同研究チームが、⼿術前に通常診療で撮影される3次元T1強調脳MRIから、淡蒼球内節(GPi)DBSの治療効果を予測する深層学習モデル「DystoniaDBSNet」を開発しました。
Ⅱ 研究の内容
研究には、局所性、分節性/多巣性、全⾝性の孤⽴性ジストニア患者175⼈が参加しました。104⼈のデータでAIを学習させ、30⼈の独⽴テストデータ、さらに東京⼥⼦医科⼤学とUniversity of Pennsylvaniaの41⼈の外部データで検証しました。治療効果は、ジストニアの運動症状を評価する国際的な尺度(BFMDRS-M)が術後6〜12か⽉で30%以上改善した場合を「治療効果あり」と定義しました。
独⽴テストと外部検証を合わせた解析では、DystoniaDBSNetの正確度は95.5%、感度98.0%、特異度87.5%でした。特に、モデル開発に⽤いられていない施設の患者さんを対象とした外部検証でも正確度94.7%を⽰しました。また、実際の症状改善率とAIによる予測値にも強い相関が認められました。解析時間は1症例あたり平均36.2秒でした。
AIが予測に利⽤した脳の特徴を調べると、運動の準備・実⾏や感覚と運動の統合に関係する運動前野、⼀次運動野、補⾜運動野、感覚野、頭頂葉、視床などに加え、左右の脳や離れた脳領域を結ぶ⽩質にも特徴が認められました。これらは、ジストニアを単⼀部位の異常ではなく、脳全体のネットワークの異常として捉える考え⽅とも整合します。
独⽴テストと外部検証を合わせた解析では、DystoniaDBSNetの正確度は95.5%、感度98.0%、特異度87.5%でした。特に、モデル開発に⽤いられていない施設の患者さんを対象とした外部検証でも正確度94.7%を⽰しました。また、実際の症状改善率とAIによる予測値にも強い相関が認められました。解析時間は1症例あたり平均36.2秒でした。
AIが予測に利⽤した脳の特徴を調べると、運動の準備・実⾏や感覚と運動の統合に関係する運動前野、⼀次運動野、補⾜運動野、感覚野、頭頂葉、視床などに加え、左右の脳や離れた脳領域を結ぶ⽩質にも特徴が認められました。これらは、ジストニアを単⼀部位の異常ではなく、脳全体のネットワークの異常として捉える考え⽅とも整合します。
Ⅲ 今後の展開
DystoniaDBSNetは、特殊な画像検査ではなく、通常の術前MRIを⽤いて短時間で解析できることから、将来的にはDBSの適応を検討する際の客観的な判断材料となる可能性があります。患者さんごとに治療効果の⾒込みをより適切に評価できれば、治療選択の精度向上や、DBSの恩恵を受け得る患者さんを適切に治療へつなげることが期待されます。
⼀⽅、本研究は175⼈を対象とした研究であり、AI研究としてはさらに⼤規模な前向き検証が必要です。今後は、多施設での臨床試験による検証を進めるとともに、他のDBS標的や他のタイプのジストニアへの応⽤も検討していく必要があります。
【お問い合わせ先】
<研究に関すること>
堀澤 ⼠朗(ホリサワ シロウ)
東京⼥⼦医科⼤学 医学部 脳神経外科学分野 助教
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel&Fax:03-3353-8111
E-mail: horisawa.shiro@twmu.ac.jp
<報道担当>
東京女子医科大学 広報課
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel:03-3353-8111 Fax:03-3353-6793
E-mail: kouhou.bm@twmu.ac.jp
【プレス情報】
1.掲載誌名︓npj Digital Medicine
2.論⽂タイトル︓DystoniaDBSNet as a novel deep learning biomarker of predictive deep brain stimulation outcome in dystonia
3.著者名︓Dongren Yao, Giovanni Battistella, Nutan Sharma, Emad Eskandar, Eoin Mulroy,
Kailash Bhatia, Joshua K. Wong, Jun Yu, Andres Deik, Thomas Foltynie, Patricia Limousin,
Harith Akram, Ludvic Zrinzo, Gordon H. Baltuch, Meredith Spindler, Kilsoo Kim, Shiro Horisawa,
Kristina Simonyan*
(* corresponding author。本学所属︓Kilsoo Kim[⾦吉秀], Shiro Horisawa[堀澤⼠朗])
4.DOIコード︓10.1038/s41746-026-03235-8
5.論⽂のオンライン掲載⽇︓2026年9⽉10⽇
DystoniaDBSNetは、特殊な画像検査ではなく、通常の術前MRIを⽤いて短時間で解析できることから、将来的にはDBSの適応を検討する際の客観的な判断材料となる可能性があります。患者さんごとに治療効果の⾒込みをより適切に評価できれば、治療選択の精度向上や、DBSの恩恵を受け得る患者さんを適切に治療へつなげることが期待されます。
⼀⽅、本研究は175⼈を対象とした研究であり、AI研究としてはさらに⼤規模な前向き検証が必要です。今後は、多施設での臨床試験による検証を進めるとともに、他のDBS標的や他のタイプのジストニアへの応⽤も検討していく必要があります。
【お問い合わせ先】
<研究に関すること>
堀澤 ⼠朗(ホリサワ シロウ)
東京⼥⼦医科⼤学 医学部 脳神経外科学分野 助教
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel&Fax:03-3353-8111
E-mail: horisawa.shiro@twmu.ac.jp
<報道担当>
東京女子医科大学 広報課
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel:03-3353-8111 Fax:03-3353-6793
E-mail: kouhou.bm@twmu.ac.jp
【プレス情報】
1.掲載誌名︓npj Digital Medicine
2.論⽂タイトル︓DystoniaDBSNet as a novel deep learning biomarker of predictive deep brain stimulation outcome in dystonia
3.著者名︓Dongren Yao, Giovanni Battistella, Nutan Sharma, Emad Eskandar, Eoin Mulroy,
Kailash Bhatia, Joshua K. Wong, Jun Yu, Andres Deik, Thomas Foltynie, Patricia Limousin,
Harith Akram, Ludvic Zrinzo, Gordon H. Baltuch, Meredith Spindler, Kilsoo Kim, Shiro Horisawa,
Kristina Simonyan*
(* corresponding author。本学所属︓Kilsoo Kim[⾦吉秀], Shiro Horisawa[堀澤⼠朗])
4.DOIコード︓10.1038/s41746-026-03235-8
5.論⽂のオンライン掲載⽇︓2026年9⽉10⽇


