東京女子医科大学雑誌

論文執筆の手引き

(2023年4月)

1.原稿様式

1)
A4判用紙に、上下左右余白・行間を適宜とる。
2)
頁番号と行番号を付す。
3)
フォントは明朝体とTimes、サイズは12ポイントを推奨する。

2.記述様式

専門外の読者にも理解できるよう、平易でわかりやすい表現を心がけ、一部の専門領域のみで通用する用語や略語の使用は避けること。

1)
用語
現代仮名づかい、口語体とする。
医学用語を除き常用漢字を用いる。ただし、次の語は平仮名を用いる。
あるいは、いまだ、および、さらに、ただし、なお、ならびに、また、など
医学用語は、各専門学会で設定された語を用いる。
数字は、半角アラビア数字を用いる。
数式記号(=、+、-、±、×、÷、<、>)の前後には、半角1スペースを入れる。
常用されるラテン語(in vitro、in vivo、 et al、など)は、イタリック体にしない。
外国の人名・地名、物質名などは、原語を用いる。日本語化している語は片仮名を用いても良い。
動植物、微生物のラテン語学名はイタリック体で、日本語は片仮名で記す。
薬品名は、一般名を英語表記する。商品名を記載する場合は、頭文字を大文字、右肩に®を付し、一般名のあとに括弧に入れて示す。商品名を本文中で繰り返すことは避ける。
製品名は、メーカー名とその所在の都市名を記す。
【形 式】一般名(製品名、仕様;メーカー名、所在の都市名)
2)
省略語
省略語は、一般的な略語であっても、要旨と本文それぞれにおける初出時に、正式名を記載し、略語を括弧書きして定義する。定義後は、略語を用いる。
「以下」「と略す」は不要。
省略を表すピリオドは不要。
英文フルスペルは、固有名詞を除き、小文字で表記する。
【形 式】和文正式名(英文フルスペル:英文略語)/英文フルスペル(英文略語)
【記載例】糖尿病(diabetes mellitus: DM)
論題では略語の使用は避ける。
3)
単位
度量衡の単位、記号は国際単位系(International System of Units: SI)を用いる。
長さ nm、µm、mm、cm、m、km
重さ µg、mg、g、kg
容量 µL、mL、dL、L
時間 s(秒)、min(分)、h(時)、d(日)
数字と単位の間は、℃と%を除き、半角1スペースを入れる。
4)
有意水準
p値は、小文字のブロック体とする。
pと<、<と数字、の間には、半角1スペースを入れる。
0以下の数値は「0.」から記載する。
「p = 0.000」は「p < 0.01」と表記する。
【記載例】p < 0.05

3.原稿構成と制限

1)
原稿は、①表紙、②英文要旨とキーワード、③本文、④謝辞、⑤利益相反、⑥文献、⑦図の表題と説明、⑧図、⑨表、⑩和文要旨、の順に構成する。
2)
英文要旨、本文、和文要旨の構成見出しと制限は、下表のとおりとする。
  英文要旨 本文 文献数 図表数 和文要旨
構成 文字数 構成 文字数 構成 文字数
原著 Background
Methods
Results
Conclusions
200
words
緒言
対象と方法
結果
考察
結論
18,000
文字
40 10 背景
方法
結果
結論
800
文字
総説 200
words
はじめに
おわりに
18,000
文字
100 10 800
文字
報告 200
words
緒言
症例
考察
結論
12,000
文字
20 5 800
文字

4.表紙

1)
①論文の種類、②和文論題、③和文所属、④和文著者名(フリガナ)、⑤英文論題、⑥英文著者名、⑦英文所属、⑧Corresponding Author(氏名、住所、E-mail address)を1頁とする。
2)
論題での略語や記号の使用は避ける。
3)
動物実験の場合は、動物名(一般名)を論題に含める。
4)
英文論題は、冠詞・等位接続詞・前置詞を除いて頭文字を大文字とする。
5)
英文著者名は、名、姓の順に記し、頭文字のみ大文字とする。学位、職名などは不要。また、3名以上の場合は、最終著者名の前に「, and」を入れる。
6)
著者の所属が異なる場合は、所属の左肩にアラビア数字を付し、対応する数字を著者名の右肩に記す。

5.英文要旨とキーワード

1)
要旨は、本文から独立したもので、本文を参照することなく論文の要点が理解できるものであること。
2)
キーワードとして、論文の内容を適切に示す英単語5個以内を重要度順に記す。MeSH(Medical Subject Heading)を参考に選択することが望ましい。
3)
キーワードは、固有名詞を除き、小文字で記載する。

6.本文

本文を構成する項の見出しは、番号を付けず中央寄せとする。各項で設ける小見出しには、1.→1)→(1)→①の順で、番号を付す。

1)
緒言
先行研究を用いて研究の背景と目的を明確に記し、その意義と必要性を簡潔にまとめる。
2)
対象と方法
研究に用いた材料や対象と実験・観察方法を記す。
倫理的配慮、データ解析・統計法に関する情報も記す。
実験または調査については、再現可能なすべての情報が含まれていること。
3)
結果
研究や実験の結果を事実に則って記す。
図や表を用いて本文の記述を簡潔にすることが望ましい。この際、図や表で示した個々のデータは、特に強調すべきこと以外は、本文中で繰り返すことを避け、重要所見のみを要約して記す。
図や表は、すべて本文中に引用する。
統計処理を行った場合は、観察、平均値、標準偏差あるいは標準誤差、確率などを本文または図表中で示し、統計的有意差について記す。
4)
考察
結果から得られた所見に対する解釈や意見に重点を置き、先行研究と関連付けた上で、研究の新規かつ重要な点を強調して記す。この際、結果の項で記したことを詳細に反復することは避ける。
新たな仮説の提唱は、科学的根拠に基づいたものであること。
研究の限界は、見出しを立てて、まとめて記載する。
5)
結論
結果から導き出された結論を明確にする。

7.謝辞

1)
研究の企画や実行、論文作成など、指導・協力支援を受けた方や団体への謝意を示す。
2)
研究費助成を受けた場合は、単にその事実を記す。
3)
学会発表の記録は「本論文の要旨は、第Z回WWWW学会(X年Y月、都市名)で発表した」の形式で記す。

8.利益相反

著者が研究結果を解釈する際に影響を受けるような利害関係の有無を記す。利益相反の開示が、掲載の可否に影響することはない。
(利益相反がない場合)開示すべき利益相反はない。
(利益相反がある場合)著者Aは、本研究の遂行期間中にB製薬会社より研究費を受領した。そのほかの著者は、開示すべき利益相反はない。

9.文献

1)
本文引用順に文献番号を付け、本文引用箇所に肩書きする。2つ以上の引用は「1-5,7,9」と記載する。
2)
図や表のみに引用する文献は、その図や表が最初に本文中に引用される箇所で、文献番号を付す。
3)
本文のあとに文献番号順に配列したリストを記す。同一文献を重複して記載しないこと。
4)
未公開資料や私信は、文献リストには入れず、本文中で説明し「(未発表)」と明記する。
5)
受理されたが未公開の論文は、文献リストで「(印刷中)」「(in press)」と明記する。
6)
原則として、孫引きはしない。
7)
本文中に著者名を記載する際は、「Smith」「Smithら」と記す。
8)
著者名は3名まで記載し、4名以降は「ほか」「et al」とする。
9)
英文著者名は姓、名の順とし、名はイニシアルのみ記載する。ピリオドは不要。
10)
論題は、最初の語と固有名詞以外は小文字で表記する。
11)
雑誌名の省略は、医学中央雑誌 収載誌目録およびNLM Catalog〔https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nlmcatalog/journals〕に準じる。
12)
文献形式は、国立医学図書館(USA)が発行するCiting Medicine〔https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK7256/〕に準じる。
(雑誌)著者1,著者2,著者3,ほか.論題.雑誌名の略記.発行年;巻(号):始頁-終頁.
(図書)著者1,著者2,著者3,ほか.書名.版.出版地:出版社;発行年.総頁p.
(図書:章)著者1,著者2,著者3,ほか.章題.編集者.書名.版.出版地:出版社;発行年. p. 始頁-終頁.
(ウェブサイト)著者名.記事タイトル[インターネット].サイト主の所在地:サイト主;公開年[更新日;参照日].Available from: URL.
【記載例】
  1. 中村史雄,石津綾子.(特集 COVID-19)SARS-CoV-2の病態生理.東女医大誌.2021; 91(1): 11-8.
  2. Kato T, Urano M, Matsuo M, et al. An overview of the clinical characteristics of Japanese patients with spinal muscular atrophy: data from SMART consortium. TWMUJ. 2021; 5: 93-102.
  3. 針谷正祥,猪狩勝則.Evidence Based Medicineを活かす膠原病・リウマチ診療―東京女子医科大学病院膠原病リウマチ痛風センター編.第4版.東京:メジカルビュー社;2020.665p.
  4. Jenkins PF. Making sense of the chest x-ray: a hands-on guide. New York: Oxford University Press; 2005. 194p.
  5. 大月道夫.下垂体機能低下症のホルモン補充療法.平田結喜緒,髙橋 裕,山田正三,ほか編.下垂体疾患診療マニュアル.改訂第3版.東京:診断と治療社;2021.p. 127-9.
  6. Nishinaka T, Yamazaki K, Saito S, et al. EVAHEART left ventricular assist system. In: Joyce DL, Joyce L, Loebe M, editors. Mechanical circulatory support: Principles and applications, 1st ed. New York (USA): McGraw-Hill Professional; 2011. p. 238-42.
  7. 西順一郎,岩田 敏,大石和徳,ほか;日本感染症学会ワクチン委員会.COVID-19ワクチンに関する提言(第1版)[インターネット].東京:日本感染症学会;2020[参照2020年1月5日].Available from: https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2012_covid_vaccine.pdf.
  8. Complementary/Integrative Medicine [Internet]. Houston: University of Texas, MD Anderson Cancer Center; c2007 [cited 2007 Feb 21]. Available from: http://www.mdanderson.org/departments/CIMER/.

10.図の表題と説明

1)
図とは別の用紙に一括して記す。
2)
英文表記を原則とする。ただし、和文表記も可とする。

11.図

1)
線画、写真ともに図として扱う。
2)
すべての図は本文に太字で示し、本文引用順に図番号を付す。
3)
図中は英文表記を原則とする。ただし、和文表記も可とする。
4)
図はそのまま印刷できる明瞭なものとし、不必要な着色、網掛け、アウトライン文字などの効果は避ける。線画は背景色を白とする。
5)
電子顕微鏡写真にはスケールバー、組織細胞写真には使用した染色と倍率、を記す。
6)
掲載時の標準的な幅、1段8 cm、2段17 cmに縮小されることを考慮して、文字サイズと線幅を設定する。
7)
身元の識別可能な写真は、識別できないように配慮する。やむを得ない事情がある場合は、患者もしくは法定代理人の書面による許可を得ること。
8)
既刊の図を転載する場合は、CC BYの雑誌への再利用であることを含め、著作権者の許可を得た上で、出典を明示して使用する。原稿提出時に転載許可書を提出すること。
9)
図は、JPEG (.jpg)、TIFF (.tif)、またはPowerPoint (.pptx)で提出する。解像度は300 dpi以上とする。

12.表

1)
すべての表は本文に太字で示し、本文引用順に表番号を付す。
2)
すべての表には、英文の表題と脚注を付けること。ただし、和文表記も可とする。表題は表の上、説明は表の下、に左寄せで記す。
3)
表で使用されるすべての略語は、脚注で定義する。
4)
表は、本文を参照しなくても理解できるように、簡潔かつ明確に記述すること。
5)
刷り上がり1頁に収まるように工夫する。
6)
縦線は用いず、罫線は可能な限り省略し、3本の横線のみで構成する。
7)
単位は、見出しに含めることが望ましい。
8)
有効桁数を揃える。
9)
既刊の表を転載する場合は、CC BYの雑誌への再利用であることを含め、著作権者の許可を得た上で、出典を明示して使用する。原稿提出時に転載許可書を提出すること。
10)
表は、Excel (.xlsx)、Word (.docx)、またはPowerPoint (.pptx)で提出する。

13.電子補足資料

1)
以下に限り、オンライン版(J-STAGE)に掲載できる。
印刷できない情報:アニメーション、ビデオクリップ、音声記録
電子化した方が便利な情報:配列、スペクトルデータなど
大きなオリジナルデータ:追加表、図版など
2)
提出原稿を編集し直すことなく掲載するため、配置や文字サイズ等の体裁に配慮する。
3)
図表1点1ファイルで作成する。
4)
すべての資料に、表題と説明を付ける。
5)
図表同様、本文中に太字で引用する。
6)
テキストファイルはPDF、動画・音声はmp4またはwmvで提出する。

14.和文要旨

論文としては掲載しないが、検索データベースに収載する。

論文執筆の手引き

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