医療関係者さまへ

治療抵抗性高血圧患者様に対する
腎デナベーションの治験を開始しました

治験とは

新しい医療機器の候補を用いて安全性及び有効性を確認し、厚生労働省より医療機器として認可されるために行う試験のことで、国の定めた基準に従って行われます。

腎デナベーション(除神経)治療とは

高血圧は成人のうち推定30~40%が罹患し、本邦では患者数が約4,000万人に昇ると言われています。多くの薬剤が使用できる状況ではありますが、血圧コントロールによりガイドライン目標値を達成している患者様の割合は依然として低く、血圧のコントロールが不十分でない患者様では、心血管リスクが高い状態が続いていることが問題となっています。
近年、腎臓と中枢神経系をつなぐ神経を意図的に破壊することによって、腎機能(レニン分泌、ナトリウム排泄及び腎血流量)の交感神経系コントロールが抑制され、中心血圧の上昇に寄与している腎臓の求心性交感神経が不活化されるという2種類の機序により、SNSの活性亢進を効果的に調節する、腎デナベーション(除神経)治療(図)が行われるようになりました。腎デナベーション治療は、狭心症に対して広く行われているカテーテル検査・治療と類似の方法で行うことができるため、外科手術に比べると体への負担は格段に少ない治療方法です。

治験の対象となる患者様はいらっしゃいませんか

腎デナベーション治療はこれまで海外でしか行われていませんでしたが、2012年夏より、我が国での薬事承認取得に向けた治験が日本国内11施設で開始されました。当科も東京都内では唯一の施設として治験に参画しております。
腎デナベーションシステムは、治療抵抗性高血圧(最善の降圧治療として、利尿薬1剤を含む異なる薬効クラスの降圧薬3種類以上を最大耐用量で投与しても収縮期血圧が160 mmHg以上)を有する患者様を対象に、カテーテルにより腎神経を焼灼する手技となります。治験で使用する腎デナベーションシステムは、欧州連合(EU)においてはCEマークを取得し、市販を開始しておりまして、現在まで約6,100人以上の患者様に使用されています。
本治験の対象(選択基準と除外基準の詳細)となる患者様がいらっしゃいましたら、是非当科にご紹介ください。

難治性高血圧患者を診療されている先生方へ

腎デナベーション治療に適格と考えられる患者様がいらっしゃいましたら、高血圧・内分泌内科の診療担当表において、市原、森本、安藤、森、渡辺のいずれかの医師宛の紹介状の記載をお願いします。患者様には、外来予約センター予約専用直通電話(03-3353-8138)で予約を取るようにご指示いただけると幸いです。

治験実施までのながれ

スクリーニング

次のような患者さんが治験の候補者です

  • 同意取得時に20歳以上80歳以下の方
  • 収縮期血圧160mmHg以上
  • 治験の目的を理解されて、参加について文書による同意を提出できる方

お電話で初診の予約をおとりください

電話: 03-5269-7160 (医療連携窓口)

  • 診療情報提供書、保険証をお持ちになって予約時間にご来院ください

いくつかの除外基準がありますので、治験に参加できない方もいらっしゃいます。
治験に参加される方も腎デナベーション治療群と対照群に無作為に割り付けられます。

除外基準に該当される方

6か月間の経過観察及び必要な検査がすべて終了した後、対照群の被験者は依然として選択/除外基準を満たしていれば、腎デナベーションを受けるか否か選択できます

逆紹介:当院での診療の経過は情報提供書でご連絡申し上げますので、ひきつづきの御加療をよろしくお願い申し上げます。