食事療法ができているかどうかはどうやって評価するの ?

食事療法を行っていても、それが適正なのかどうか迷う方も多いと思います。日々の体調や体重の変動をチェックし、月1回の検査結果を参考に修正していきます。特に蓄尿検査は有用な情報を与えてくれます。食事療法は今までの食生活を変更するので、最初からうまくいく人はほとんどいません。主治医や栄養師と相談しながら、修正していくことが大切です。

1.摂取蛋白量や摂取カロリーは適正か?

摂取蛋白量と摂取カロリーのバランスを適正にすることが目標です。 体重、血清尿素窒素(BUN)とクレアチニン(Cr)の比(BUN/Cr比)、蓄尿検査での摂取蛋白量、などがチェックポイントになります。

    • 体重の変化がない
      体重減少がなければ、摂取カロリーが正しいことを確認します。ただし、むくみがある場合は、それも加味して評価する必要があります。

    • BUN/Cr比が10倍未満
      例えば、体重減少がなく、BUN 38 mg/dl, Cr 4.3 mg/dlであれば、摂取蛋白と摂取カロリーのバランスは取れていると考えます。逆にBUN/Cr>10であれば、摂取蛋白過剰あるいは摂取カロリー不足と考えます。

    • 蓄尿検査での推定摂取蛋白量が適正
      蓄尿の定量検査から推定摂取蛋白量を計算します。

      推定摂取蛋白量(g) =[体重x0.031+尿中尿素窒素(U-UN)(g/日)]x6.25+尿蛋白量

2.塩分摂取量は適正か?

体液量が指標になります。
血清のNa濃度は、塩分摂取が多くても正常範囲のことが多く、指標にはなりません。

    • むくみや血圧上昇、急な体重増加がない
      むくみや血圧の上昇は塩分の過剰摂取を示すサインです。

    • 蓄尿検査での推定塩分摂取量が適正
      蓄尿を行うと塩分排泄量から推定塩分摂取量を計算することができます。

      推定塩分摂取量(g)=尿中ナトリウム(U-Na)(mEq/日)÷17(g/mEq)

3.カリウム摂取量は適正か?

血清カリウム(K)値がチェックポイントになります。 慢性腎臓病では、K 5.5以上であれば、カリウムの摂取が多いと考えられます。

血清カリウム濃度が1mEq/Lの上昇は200~300mEq(15~23g)の体内カリウムが過剰であるといわれています。尿中へのカリウム排泄量は限られており、血清カリウム濃度を1mEq/L下げるためには、カリウム制限をしばらく継続することが必要になります。 例えば、血清K 6.0→5.5 mEq/Lに減少させたい場合は、約10gのカリウムを多く排泄する必要があります。1日の尿中カリウム排泄量を2000mgと推定し、摂取量を1500mgに制限した場合、1日0.5gしか減少させられないので、10g溜まっているとすると約20日間かかることになります。