唾石に対するSIALENDOSCOPY(唾液管内視鏡)による摘出術

従来は唾石摘出術として口内法と外切開法がありましたが、前者は唾液管開口部付近の唾石を取り出す方法で、後者は移行部や腺体内に存在する唾石を摘出するための方法です。さらに顎下腺唾石では顎下腺摘出術、耳下腺唾石では頬部皮膚を切開する方法と耳下腺腫瘍手術に準じた切開線を置く方法が行われていました。確実性はありますが、皮膚切開を置かざるを得ず手術に踏み切れない患者さんが多いのも事実です。当科では本邦で先がけて sialendoscopy(唾液管内視鏡)を導入し、皮膚切開を置かず唾石を摘出する方法にチャレンジしています。
sialendoscopyとはヨーロッパを中心に開発された機器で、極細の内視鏡を唾液管より挿入し、唾石の位置までモニターを見ながら近づき、側管より専用の麦粒鉗子やバスケット鉗子を挿入し摘出してくるものです。もちろん従来の外切開で取らざるを得ない例もありますが、手術前にCT等で詳細な検討を行い内視鏡の適応を決めています。今後、皮膚に傷をつけない低侵襲手術の需要はさらに拡大するものと思います。

IALENDOSCOPY(唾液管内視鏡)による摘出術

 

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