院内活動

院内活動

薬剤師外来

● 外来化学療法室
 抗がん剤というハイリスク薬を中心に扱う外来化学療法室では、薬剤師による薬学的管理が期待されています。
ここでは、薬剤師が午前中に患者指導として、使用する薬剤の種類や副作用とその発現時期、日常生活における注意点などを説明しています。さらに、お薬の相談や副作用症状の確認も行っています。また、安全な薬物治療が行われるように、抗がん薬の調製前に、投与量の確認、検査値確認などを行っています。
医師、看護師と共に有効で安全な薬物治療の支援を行っています。
● 糖尿病外来
 当院では入院治療の糖尿病患者さんだけではなく、外来の糖尿病患者さんに対して薬剤師が介入する糖尿病薬剤師外来を行っています。
医師の診察前に患者さんの生活背景や残ったお薬、インスリン自己注射手技などを確認して、適正な薬物療法を届けられるように指導しています。
また、患者さんのご意見や不安なども伺いつつ、医師と情報共有することによって、患者さん個々に合ったあったお薬の選択・治療のお手伝いとなるように努めています。
● 腎移植外来
 腎移植を受ける患者さんは、免疫抑制剤を飲み続ける必要があります。腎移植を予定している患者さんには外来時から薬剤師が介入し、当院薬剤部で作成したパンフレットを用いて薬剤指導を行っています。
入院前から薬剤師が介入し、免疫抑制療法の意義・服薬の必要性を事前に理解してもらうことで、患者さんがスムーズに治療を受けやすいよう努めています。
免疫抑制療法や拒絶反応に対する新たな治療法が登場する中で、適正で安全に薬剤を使用するために、医療スタッフへの情報提供や様々な部門との連携し、腎移植チームの一員として貢献しています。
腎移植と薬

チーム医療

● NST(Nutrition Support Team)
 NST(栄養サポートチーム)は、主に低栄養状態の患者さんにとって最適な栄養管理を行うために、医師・歯科医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・歯科衛生士・臨床検査技師などの多職種で構成された医療チームです。週に1回カンファレンスを施行し、薬剤師は、必要水分量や必要エネルギー量、生化学的知見に基づいて栄養療法を立案したり、製剤学的特性を考慮した上で、現在行われている栄養療法の問題点を抽出し改善案を提案したりしています。
● ICT (Infection Control Team)
 感染制御チームとは、病院内の感染対策を担うチームです。その対象は、患者さんはもちろんのこと職員や面会者にも及びます。
 当院の感染制御チームは医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師など様々な職種から構成されており、週に1回ミーティングや院内ラウンドを行っています。
 薬剤師の活動としては、抗菌薬の適正使用の確認、感染制御のためのマニュアルの作成等を行い、患者さんや職員の安心・安全を守るために活動しています。
● AST (antimicrobial Stewardship Team)
 抗菌薬の不適切な使用や長期間の投与が、抗菌薬が効かない (薬剤耐性) 微生物の発生、蔓延の原因となっています。
 AST は、そういった微生物を作らない、広げないため、抗菌薬を適正に管理する実働チームです。
 薬剤師もチームの一員として、患者さんの抗菌薬の適正使用の確認、抗菌薬の適正使用に関するマニュアル作成等を通し各診療科と連携をとることで、患者さんや職員の安心・安全を守るために活動しています。
● DMAT・防災
 発災時に必要となる薬品の管理・備蓄薬の検討を行っています。また、院内DMAT隊に参加し、発災時には業務調整員を担当し、災害現場で医師や看護師が最大限に傷病者の治療を行えるように後方支援を行います。
DMAT・防災
● 緩和ケアチーム
 緩和ケアチームでは、痛みや身体的・心理的・社会的問題に直面した患者さんやそのご家族に対して、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、社会福祉士など様々な職種で協力することで問題を取り除き、患者さんがその人らしく過ごすことができるよう支援を行っています。
薬剤師は、オピオイド鎮痛薬を中心とした薬剤について、患者さんへの服薬指導や、医療従事者への提案・情報提供を行うことでチーム医療に貢献できるよう努めています。
● 転倒転落チーム
 転倒転落チームは、医師、看護師、栄養士、検査技師、理学療法士、薬剤師などの多職種から構成され、院内の転倒転落の予防に取り組んでいます。
どのようなシステムや院内状況にすれば転倒転落する人を少なく出来るかをチームで話し合ったり、病棟内をラウンドして改善したりしています。
薬剤師は、転倒転落と薬の関係性を調べてチームで情報共有し、転倒転落患者の軽減に貢献しています。

委員会活動

● 薬事委員会
 薬事委員会は、医薬品の適正な管理及び効率的な運営、その他薬事に関することについて審議し、良質で効率的な医療の提供に寄与するため、必要な事項を定めることを目的としています。
採用医薬品の管理として、新規採用・切り替え要望医薬品の審議、使用頻度に応じた採用区分の見直しや採用削除の実施を行っています。新規採用の医薬品については、採用後一定期間後に、有効性・安全性についてレビューをしています。また適応外や禁忌薬の使用届けや、副作用報告、後発医薬品の切り替えや、医薬品供給等の情報等、医薬品に関する重要な情報について、委員会で情報共有しております。
● 化学療法安全運用委員会
 化学療法安全運用委員会は、当院で実施される化学療法(抗がん剤を用いた治療)が、安全かつ適正に実施されることを目的として活動しています。当委員会は月に1回開催され、医師、看護師、薬剤師、検査技師、栄養士、医事科職員で構成されています。様々な専門分野の意見を元にチーム医療を推進すると共に、当院の化学療法に関する運用を検討し、実施される化学療法の標準化に取り組んでいます。薬剤師は、化学療法の実施件数の集計やマニュアルの作成などに関わり、化学療法を安全かつ適切に実施するために必要な疑義照会の報告・周知などを行っています。また地域連携として、院外に向けたレジメン情報の開示や勉強会の開催などを担っています。
化学療法ガイドブック
● レジメン管理委員会
 がん化学療法で使用される多くの薬剤は、厳密な投与量、複雑な投与スケジュール、副作用管理のための支持療法などが必要となります。そのため、がん化学療法は薬剤の種類や量、期間、手順などを時系列で示した計画(レジメン)に沿って治療が行われます。レジメン審査室では、患者様へ安全かつ適正ながん化学療法が提供されることを目的として医師、看護師、薬剤師が各診療科から提出されたレジメン申請について、妥当性および安全性を審査しています。