業績展望


2年前から世界中で猛威を振るっているCOVID-19は、改めて、感染症の持つ恐ろしさを再認識するとともに、新たな感染症の出現と戦いの歴史は今後も果てしなく続くことを実感しました。

感染症科では臨床に直接、還元できるような感染症診断・治療に関する研究を行っております。

感染症診断のGold standardの一つに『培養検査』があることは今も昔も変わりません。しかし、血液培養一つとっても、その陽性率はせいぜい10-15%程度です。感染症の確定診断が思いの外、難しいことはよくご承知でしょう。

我々は次世代シーケンサーを初めとした様々な分子生物学網羅的解析手法を日常の感染症診療に取り入れることによって、『培養検査』で診断がつかない感染症の新たな診断法を開発しました。これまでに感染性心内膜炎、感染性動脈瘤など300例程に実施し、少なくとも1/3以上に診断を下すことができました。

近年、感染症の研究では感染症の従来の診断・治療対象である急性感染から、持続感染-慢性感染が引き起こす慢性炎症による新たな疾患発生機構が次々に明らかになってきています。病原性が低い、もしくはないと考えられていた常在菌が自己免疫疾患や癌の原因になることがわかってきました。
我々は口腔等に常在するviridans group streptococci (VGS)の役割について、長年、研究を進めています。口腔内のVGSの果たすMRSAなどの病原菌保菌・定着阻止機構を解明することで、常在菌としての感染防御の役割を明らかにした一方、VGSの一部の菌種が原発性胆汁性胆管炎 (PBC) の原因となっていることを世界で初めて発見しました。

また、地球温暖化が抗酸菌感染症疫学に及ぼした影響の解析に関する論文も直近のScientific Reportに掲載されております。


臨床現場は新たな感染症研究着眼点の宝庫です。今後も当科ならではの視点で研究を進めて参ります。

東京女子医科大学病院

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