両親媒性ブロック共重合体が水中で自律的に形成する高分子ミセルは、数十ナノメートルと粒径が非常に小さく、疎水性薬物を内側に封入することができます。現在、固形がんにみられる特徴的なナノ粒子の集積現象(Enhanced Permeability and Retention効果)を利用したナノサイズの薬物キャリアによるドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が進められています。当研究所では、がん温熱療法(体内を42℃付近まで加温)との併用が可能な温度応答性ナノ薬物キャリアを設計し、局所加温によるがん治療と同時に、熱をトリガーとして薬物放出を実現するスマートナノDDSの開発に取り組んでいます。薬物キャリアをがん組織に集積させた後に、患部のみにエネルギー照射することで、局所的な薬物放出を空間的かつ時間的に制御することが可能となり、副作用のさらなる低減と治療効率を高めることが期待されます。





