研究内容

神経系の回路形成・成熟に関わる分子機構を検討しています。回路が作られる時に神経ガイド分子群と呼ばれる様々な蛋白質が神経の突起を誘導して別の神経や細胞に導きます。最近、神経ガイド分子は記憶や感情といった神経の高次機能に関わることや、アルツハイマー病など様々な病気に関わることもわかってきました。そのような分子の一つ、セマフォリンについて生理機能や病態との関わりを、解剖学、生化学、遺伝学、生理学などの様々な手法を用いて研究しています。

もう一つのテーマとして、血球系細胞を中心とした生化学解析を進めています。ここではマラリア原虫の赤血球への感染メカニズム、赤血球の脂質二重層の非対称性分布維持に関する分子機構、マスト細胞の分泌顆粒の形成成熟過程に関わる分子機構を検討しています。いずれも様々な疾患の解明や新たな治療法開発の礎となる重要な研究課題です。