• 当院のPET機器の共同利用について
  • 保険適用の具体的説明
  • 腫瘍FDG以外のPETの利用
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■脳腫瘍に対する脳methionine PET

 体幹部の腫瘍の検出に関しては、18F-FDG-PETはすでに一定の評価が確立しているが、脳腫瘍に関してはこれだけでは診断が困難な症例が多い。脳腫瘍も他の悪性腫瘍と同様に悪性度とFDG集積は相関することがわかっているが、脳はもともと糖代謝が活発であるため、正常でもFDGは高度に集積する。従って腫瘍部分が必ずしも陽性描画できるとは限らず、むしろ周囲の正常組織に比べて低集積として描出されることもある。 外科的摘除や放射線治療の計画をする際の腫瘍境界の判定を目的とした場合、18F-FDGは診断精度において11C-methionineに明らかに劣る。methionineは集積機序として、アミノ酸トランスポーターにより血液脳関門を通過し、蛋白合成により腫瘍細胞の一部として取り込まれるものとされており、アミノ酸代謝の指標となる。一般に正常脳組織はアミノ酸代謝が低いため、腫瘍細胞への集積のコントラストは非常に良い。またこれまでの報告でもmethionineの集積範囲は、FDGの集積やMRI, CTの造影範囲よりも広範であり、腫瘍の範囲を適切に評価しているとされている1)。これまでFDGは組織学的悪性度の診断に有用で、methionineは腫瘍の存在範囲診断に有効であるという考えが多かったが、Katoらはmethionineの集積も、gliomaの生物学的増殖能の指標であるMIB-1 indexとの間にも正の相関があることを示した2)。従って悪性度の診断にも有用であることがわかっている。以上のことより脳腫瘍診断の臨床面で特に応用が期待される核種である。 しかし11Cの物理学的半減期は約20分であり、サイクロトロンの併設が必須であり、施行できる検査数も限界がある。また欧米では保険適応になっている国が多いが、現時点では本邦の保険適応ではなく、限られた施設での検査となっている。

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■fig. 1
脳腫瘍のFDG-PET画像
けいれん、意識障害にて発症した70歳代女性。神経学的所見として見当識障害、および運動性失語がみられた。MMSE23点。MRIでは左側頭葉内側面〜後頭葉内側面に占拠性病変を認めた。脳FDG-PETではMRI上の異常信号域の部位に集積の増加を認める。上段は冠状断像、下段は水平断像。
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■fig. 2
脳腫瘍のMET-PET画像
脳MET-PET画像では、FDGでもみられた異常集積部位に一致して、より顕著なRI取り込みを認める。
  • 1) Laere KV et al. Direct comparison of 18F-FDG and 11C-methionine PET in suspected recurrence of glioma : sensitivity inter-observer variability and prognostic value. Eur J Nucl Med Mol Imaging 32(1) : 39-51, 2005
  • 2) Kato T, Shinoda J, Nakayama N., et al. Metabolic Assessment of Gliomas Using 11C-Methionine, 18F-FDG, and 11C-Choline Positron-Emission Tomography. AJNR 29. 1432-1437. 2008

※この検査についてのお問い合わせは、03-3353-8111 内線 21010 核医学・PET検査室まで。

※この検査の患者用説明書は、こちら(PDF 2ページ)をご利用下さい。